
村上春樹の全集『村上春樹WORKS』全16巻が2027年1月27日から刊行される。
新潮社は創立130周年記念出版として『村上春樹WORKS』を刊行。村上は1979年に『風の歌を聴け』でデビューして以来、多くの読者から支持を受け、現代文学のシーンを更新してきた。第1回配本は第8巻『1Q84(全)』(税込18,700円)。以後、隔月で刊行される。
『村上春樹WORKS』には、全著作のうち、ほぼすべての小説、著者自らが精選したノンフィクション、エッセイを集成。単行本で3巻本だった『1Q84』(約3400枚)や『ねじまき鳥クロニクル』(約2200枚)など大規模な作品も1巻に収める。安西水丸の絵をあしらった筒函入豪華愛蔵本。
各巻に著者が執筆当時を振り返る「自作解題」付き。また月報として文芸評論家・三宅香帆が全作品を読みなおす「村上さんと走る」が連載される。購入特典など詳細は特設ページを確認しよう。
【村上春樹からのメッセージ】
「なにしろ歳月こそが」 村上春樹
二十九歳のときに生まれて初めて小説(らしきもの)を書き、それが文芸誌の新人賞をとるまで、自分が小説家になるなんてまったく考えもしなかった。しかし受賞の知らせを受けたその時点から、「僕は小説家なのだ」と確信するようになった。性格がただ厚かましいだけなのか、それともそこで僕は「本来の自分を見いだした」ことになるのか、どちらかは今でも判別しがたい。
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最初の頃のものと、あとになってからのもの、年を経るにつれて作品の中身も文体もずいぶん変化を遂げている。そしてそれに合わせて、僕自身ももちろん変化を遂げた。いや、それともその逆なのか。僕の変化に合わせて作品もそれなりの変化を遂げたのか? いずれにせよ、できるだけ長くこれらの作品が人々の手に実際に取られ、読み継がれていくといいなと思う。なにしろ歳月こそが、作品の値打ちを判定するものなのだから。
【川上未映子のコメント】
井戸の底に、深い森に、ひとりの部屋に、風に季節に、村上春樹の文章は、見えないもの、名づけられないものを映してきた。その言葉にふれるたび、世界は輪郭を変え、わたしたちは何度でも、見知らぬ懐かしい風景へと降りていく。ここにあるのは物語だけが辿り着くことのできる夢であり、本当であり、それは遥かな時間をかけて紡がれ届けられた、まったくの贈り物なのだ。
【濱口竜介のコメント】
『ドライブ・マイ・カー』脚本執筆は不思議な体験で、3つの短編を結び合わせるうちに、思いがけずより一層深い「村上春樹的世界」と出会った。「物語」というものの底知れなさを知る体験だった。この全集を読む者は誰しも、底なしの海に潜ることになる。
【荒木飛呂彦のコメント】
改めて、文字や文章を書く事の作業って凄いなぁと思う。リズム良く気持ち良いねェと思って読んでいると、いつの間にか『現実のリアリティとファンタジー』が同時にやって来ている。
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文字は奇妙な世界を進んで行く「スタンド」って訳だ。
創作の全体像を見渡せる「村上春樹WORKS」は本当に嬉しい。
【俵万智のコメント】
村上春樹は、ずっと事件で、ずっと日常だった。私自身も、装飾的でないのに魅力的な日本語(どうしたら、こんなことができるかは未だに謎)に、惹かれ続けてきた一人だ。元祖、考察されがちな人。それでも、考察されつくせない人。ヲタクにもミーハーにも愛される人。『村上春樹WORKS』はまた事件となり、日常となっていくだろう。
【各巻内容紹介】
第1巻 長編小説I(第2回配本、2027.3刊行)
風の歌を聴け/1973年のピンボール/羊をめぐる冒険
第2巻 長編小説II(第3回配本、2027.5刊行)
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
第3巻 長編小説III(第6回配本、2027.11刊行)
ノルウェイの森
第4巻 長編小説IV(第8回配本、2028.3刊行)
ダンス・ダンス・ダンス
第5巻 長編小説V(第12回配本、2028.11刊行)
ねじまき鳥クロニクル(全)[第1部:泥棒かささぎ編、第2部:予言する鳥編、第3部:鳥刺し男編]
第6巻 長編小説VI(第10回配本、2028.7刊行)
スプートニクの恋人/アフターダーク
第7巻 長編小説VII(第14回配本、2029.3刊行)
海辺のカフカ
第8巻 長編小説VIII(第1回配本、2027.1刊行)
1Q84(全)[BOOK1〈4月-6月〉、BOOK2〈7月-9月〉、BOOK3〈10月-12月〉]
第9巻 長編小説IX(第5回配本、2027.9刊行)
国境の南、太陽の西/色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
第10巻 長編小説X(第9回配本、2028.5刊行)
騎士団長殺し(全)[第1部:顕れるイデア編、第2部:遷ろうメタファー編]
第11巻 長編小説XI(第15回配本、2029.5刊行)
街とその不確かな壁
第12巻 連作小説集(第13回配本、2029.1刊行)
回転木馬のデッド・ヒート/神の子どもたちはみな踊る/東京奇譚集/女のいない男たち/一人称単数
第13巻 (ほぼ)全短編小説(第7回配本、2028.1刊行)
中国行きのスロウ・ボート/カンガルー日和/螢・納屋を焼く・その他の短編/パン屋再襲撃/TVピープル/使いみちのない風景/夜のくもざる/レキシントンの幽霊/ふわふわ/バースデイ・ガール/恋するザムザほか単行本未収録作も収録
第14巻 ノンフィクション(第11回配本、2028.9刊行)
アンダーグラウンド/約束された場所で underground2
第15巻 エッセイ(第4回配本、2027.7刊行)
走ることについて語るときに僕の語ること/職業としての小説家/猫を棄てる 父親について語るとき/自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)/「壁と卵」──エルサレム賞・受賞のあいさつ
第16巻 最新作(第16回配本、2029.7刊行)
夏帆 The Tale of KAHOほか
