「ごわす」は日常でほぼ使われない 他県民が抱く鹿児島弁のイメージとリアルな現代事情

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2026年09月03日 12:10  おたくま経済新聞

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「ごわす」は日常でほぼ使われない 他県民が抱く鹿児島弁のイメージとリアルな現代事情

 「おいどんは○○でごわす!」――漫画やドラマなどに鹿児島出身のキャラクターが登場すると、お決まりのように使われるこんなフレーズ。


 鹿児島県外の人の中には、「鹿児島に行けば、街中の人が語尾に『〜ごわす』をつけて話しているのだろう」と思っている人も少なくないかもしれません。


 しかし、現代の鹿児島はずいぶん違います。結論から言うと、日常会話で「〜ごわす」を耳にする機会は「ほぼ皆無」です。


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■ 現代の鹿児島人が実際に使う「リアルな語尾」

 全国的に広まっているステレオタイプな鹿児島弁のイメージは、幕末から明治維新にかけて活躍した薩摩藩士の言葉遣いや、創作物の中で「薩摩隼人の象徴的な口調」として強調されたものが定着した結果でしょう。


 実際の現代の鹿児島で頻繁に耳にする語尾は、「〜ごわす」ではなく「〜じゃ」「〜やっど(〜だよ)」など。丁寧な表現であれば、標準語と同じように「〜です」「〜ます」を使います。一人称にしても、男性が「おい(俺)」を使うことはあっても、「おいどん」と言う人はまず見かけません。


 他県の人から「何か鹿児島弁しゃべって!ごわすとか言うの?」と振られ、リアクションに困ってしまうというのは、現代の鹿児島県民にとって“あるある”の光景です。



■ 絶滅したわけではない?大隅半島に残る「武士の言葉」

 では、「ごわす」は完全に絶滅してしまった過去の言葉なのでしょうか。実は、「ほとんど使われていない」というのが大前提でありながら、ごく一部の地域では今も使われることがあるのです。


 過去に放送されたテレビ番組「秘密のケンミンSHOW極」の調査によると、大隅半島の曽於市末吉町周辺では、今でも年配の方々を中心に「ごわす」が使われていると紹介されています。


 「あいがとごわす(ありがとうございます)」「ご苦労さぁごわした(ご苦労様でした)」など、日常的な挨拶としてごく自然に交わされているといいます。これは正直、鹿児島生まれ鹿児島育ちの筆者も「今も使われてるんだ……」とびっくりでした。


■ 「ごわす」は元々武士が使っていた「麓言葉」

 そもそも「ごわす」は、「ござります(ございます)」が変化した丁寧語であり、かつて武士階級などが使っていた「麓(ふもと)言葉」の一つです。「麓」とは城の下に形成された武家集落のこと。


 昔は鹿児島市内にある鶴丸城周辺などでも多用されていましたが、県の中心地として時代とともに標準語化が進み、日常会話からは次第に姿を消していきました。


 一方で、末吉町周辺にはかつて「末吉城」があり、多くの武士が生活していました。中心地から少し離れた地域であったため、武士の言葉である麓言葉が地域の中で色濃く残り、現代まで大切に受け継がれてきたという歴史的背景があるようです。


 「ほぼ使われていない」というのがリアルな現状でありつつも、「もう使われていない」と一括りにできないのが、鹿児島弁の面白さであり奥深さです。もし大隅半島へ足を運ぶ機会があれば、歴史のロマンを感じる「生きたごわす」に出会えるかもしれません。


<参考・引用>
YouTube「【公式】秘密のケンミンSHOW極」


(山口弘剛)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026090303.html

このニュースに関するつぶやき

  • 江戸期の薩摩弁は日本語離れしていて、大戦中に暗号代わりに使用されたら敗戦まで米軍に解読されていなかったという話があったな。
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