「おっぱい」の話ができるSNSと、できないSNS インターネットと表現規制

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2026年09月05日 09:21  ITmedia NEWS

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 筆者は最近、めちゃめちゃおっぱいの話をしている。ライターの仕事が終われば家で妻とおっぱいの話をしているし、知人ともおっぱいの話をしているし、SNSでもおっぱいの話をしている。


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 なんでこんなにおっぱいの話をしているかというと、筆者がライターとは別の仕事として、とあるコンテンツの宣伝を手伝っていることに起因する。詳細は伏せるが、コンテンツの性質上、プラットフォームによってはセクシーと取られる表現が混じっており、特にSNS上での宣伝に注意が必要になっている。要するにプラットフォームごとの表現規制に頭を悩ませているわけだ。


 昔は特に問題なかった表現でも、今はアカウント凍結の原因になったり、投稿が拡散されなかったりする原因になる。一方、その基準はサービスによってまちまち。開示されているものもあれば、アルゴリズムで適宜判断しているためか、実質的に“暗黙のルール”になっている場合もある。


 SNSでの拡散が商売の成功にも直結する昨今。うかつなことを言ってアカウントが消し飛んだり、投稿が閲覧されなくなったりしては大変だ。ということで、筆者による体験や同業者から聞いた話の限りではあるが、主要SNSごとの規制のきつさ・ゆるさを宣伝・マーケティングの観点で比較してみる。情報はいずれもざっくり2026年以降のものだと思ってほしい。


●かなり厳しいTikTok


 最も規制が厳しく徹底していると感じるのはTikTokだ。画像・映像は露骨なもの──例えば面積の小さい水着などは高確率でアウト。警告・ペナルティー(つまりインプレッション低下や機能制限)の対象になる。


 画面に小さく、もしくは一瞬映る場合を除けば文字にも厳しい。エロ的な要素を含む表現(例えば「おっぱい」「すけべ」「えっち」以上の表現は高確率で警告・ペナルティーの対象になる印象だ。仮に対象にならずとも、アルゴリズムに冷遇されるか、“健全”な動画よりインプレッションが増えにくくなる可能性がある。動画のタイトルや説明文に品のない言葉が含まれていた場合も同様。伏字もあまり意味がない。


 ただ、“うんこちんちん”のレベルまでは若干寛容で、それ以上のエロ表現になると途端に厳しくなる印象もある。また、流れてくる動画を見る限りでは医療・教育的な側面があれば対象外の様子。それ以外でもきわどい動画がたまに流れてくるので、何かしら抜け道があったり、それが広がったりしているのかもしれない。


●地味に厳しいYouTube 特にショート


 YouTubeも地味に厳しい。映り込む程度ならセーフだが、セクシーなイラスト・写真がしっかり映像に入る場合はアカウント停止のリスクがぐっと高まる。


 テロップに「エロ」「ちんちん」「えっち」「勃起」「おっぱい」といった言葉が入るようなケースも危うい。アカウント停止まではいかないが、いわゆる“おすすめアルゴリズム”に載せてもらえず、チャンネル登録者数が数百程度でも、インプレッションの桁が1つ変わる程度には拡散しにくくなる場合がある。伏字はある程度有効なようだが「モザイクで隠す表現もアカウント停止の可能性がある、黒丸で隠す方がいい」といったうわさも聞く。


 一方で音声にはやや寛容なイメージだ。性的すぎるASMRはもちろんアカウント停止・インプレッション低下の対象になるようだが、先述した「ちんちん」「えっち」といった音声が多少入る程度であれば規制の対象にはなりにくいようだ。こちらも効果音などで隠す場合は“ピー音”でないほうが良い、という話を聞く。


 なお、全体的に横動画よりショート動画の方が規制が厳しい印象がある。例えば「すけべ」という言葉が入ってしまった横動画はインプレッション上冷遇されなかったものの、その部分を切り取ったショート動画はあからさまに拡散しなかったことがある。


 ちなみにYouTubeではコンテンツごとの年齢制限も可能だが、設定するとおすすめ欄経由での流入はほぼなくなる。また、動画の概要欄などにDLsiteのリンクを載せるとそれだけで警告を食らう。


●Xは「雑」 シャドウバンは厄介


 Xの規制も緩くはない。肌色の多いイラストや漫画はほぼ確実に警告や表示制限の対象になる。ただ、他はなんというか、適当な印象を受ける。


 例えば先述した「エロ」「ちんちん」「えっち」「勃起」「おっぱい」の文字・音声や、これらが映る写真や映像入りの投稿が普通に拡散し、おとがめがないこともあれば、ただの料理の写真がなぜか表示制限の対象になることもある。


 あくまで推測だが、表示制限などへの異議申し立てが簡単にでき、解除も早いので、疑わしきものは全て一度制限し、申し立てがあれば対応する方針なのかもしれない。その上でイラストには厳しめの方針なのであれば、ある程度納得はいく。


 1点気を付けたいのが、ユーザーに通知はしないものの、おすすめ欄への露出を減らしたり、投稿を検索結果に表示しないようにしたりする「シャドウバン」だ。他のアカウントから見ないと症状を確認できないので気づきにくい。明確な違反の通知がないので、原因も特定しづらい。


 ちなみにXもDLsiteのリンクを投稿すると警告を受けたり、インプレッションが伸びにくくなったりする印象がある。


●Instagramは画像・動画が厳しい 文字・音声はゆるめ?


 Instagramは規制の厳しい分野とそうでない分野がはっきりしている印象だ。TikTokと同様、露骨なイラスト・写真は問答無用で規制につながる一方、文字や音声にはそこまで厳しくなく、多少モロな言葉や音声がある投稿でも伸びるときは伸びる。YouTubeのようにリール(ショート)は見る目が厳しい、といったことはない。


 ただし、いわゆるアダルト要素のあるASMRはあまり見かけないので、音声は表現によっては難しいのかもしれない。自分も周りもInstagramで同様のコンテンツを投稿したことがないので、あくまで推測ではあるが。


ThreadsやFacebookは不明


 ThreadsやFacebookは、筆者が活用しておらず、周囲からもあまり話を聞かないためなんともいえない。Instagramと同じく米Metaのプラットフォームなので、規制も同程度の可能性もあるが、両サービスとも──特にFacebookは、筆者が主に手伝いをしている2次元系の表現にあまり需要がなさそうなので、積極的にやる意味もないと思っている。


●全員が納得するのは難しいけれど……


 ここまで各SNSの情報をまとめたが、大前提として、筆者も場所を問わずおおっぴらに表現させろと言いたいわけではない。筆者も意図せずそういう表現を見て嫌な気持ちになることはあるし、もはや公共空間となりつつある大手SNSに対して、ある程度秩序だったものであってほしいという気持ちもある。


 ただ、SNSが世論において重要な立ち位置になったいま、いち企業(しかもほとんどが外資系だ)にインターネット上での表現の手綱を握られているといって過言ではない状況はどうなんだろうか、と思わなくはない。規制方針に透明性があり、かつ一貫していればまだ分かるが、ほとんどのSNSはアルゴリズムで判定しているだろうし、その時々で厳しさが変わるなんて話も聞くので、実質的には結構恣意的な運用では? という疑念はぬぐえない。


 今回は性的表現の話なのでちょっと想像がつきにくいが、これが政治の話だったらまた事情が違うだろう。ユーザーが多すぎるので全員が納得できる運用はないと思いつつ、個人的にはもう少し誰にとっても腹落ち感のある形にならないものか……と思うばかりだ。



このニュースに関するつぶやき

  • 自分が、YouTubeなど他のSNSへのリンクを触りたくない理由はこれ。エ口に限らず、見たコンテンツを学習されて、推奨コンテンツの傾向が変わってしまうんだよ。
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