勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2026年WRC第12戦ラリー・チリ・ビオビオ TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、9月10日(木)から13日(日)にかけて南米チリ中南部のビオビオ州で開催される2026年WRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・チリ・ビオビオ』に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)、勝田貴元/ジェームス・フルトン組(18号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)に、TGR-WRT2からのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)を加えた計5台のトヨタGRヤリス・ラリー1で参戦する。2026年シーズン11勝目とマニュファクチャラーズタイトルの決定を目指して臨む1戦となる。
第11戦ラリー・デル・パラグアイ終了から1週間の準備期間を経て、同じく南米大陸で行われる今大会へと舞台を移す。今年で5回目の開催を迎えるこのグラベルラリーは、チリの首都サンティアゴから南に約500km離れたビオビオ州の州都コンセプシオンを拠点に争われる。チームはパラグアイ終了後、5台のGRヤリス・ラリー1を整備し、アンデス山脈を越えてコンセプシオンへと車両を輸送した。
パラグアイでは24歳のパヤリが優勝を飾り、初優勝から3戦連続の勝利という歴史的快挙を成し遂げた。この結果、ドライバーズ選手権のチーム内争いはさらに激化している。首位エバンスと2位パヤリの差はわずか20ポイントとなり、3位に浮上したソルベルグはエバンスと41ポイント差につけた。ソルベルグと、4位に後退した勝田の差は15ポイントだ。前年大会の優勝者で現世界王者のオジエは、首位から68ポイント差の6位につけている。
一方、マニュファクチャラーズ選手権ではパラグアイの結果を受けてTGR-WRTが2位のライバルチームに173ポイントのリードを築いた。今シーズン残り3戦で獲得可能な最大ポイントは180ポイントであるため、今大会のチリで7ポイント以上を獲得すればタイトル決定となる。
なお、勝田とともにパラグアイでハイスピードなアクシデントに見舞われたコドライバーのアーロン・ジョンストンは、帰国後の検査で鎖骨骨折が判明した。競技復帰に向けた回復期間を確保するため、今大会は欠場することになった。チームはジョンストンの1日も早い回復を祈るとともに、復帰を心待ちにしているという。欠場するジョンストンの代役は、ジェームス・フルトンが務める。
フルトンのレギュラーパートナーであるTGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀は、前戦パラグアイに続きキャリア2回目の南米出場となる。フルトンが勝田と組むため、今大会は昨年2戦でコンビを組んだトピ・ルフティネンとともに参戦する。
今大会はステージ構成が大幅に変更され、合計競技区間311.18kmのうち約4割がWRC初登場となる。森林地帯に広がるグラベルステージはハイスピードなセクションとテクニカルなセクションが組み合わさり、スムースな路面とタイヤの摩耗が厳しいアブレシブな路面が混在する。雨や霧が発生すると、走行条件はさらに厳しさを増すことになる。
ラリーは現地時間10日(木)午前11時(日本時間ではおおむね同日午後11時ごろ)からシェイクダウンが行われ、夜7時からコンセプシオン中心部で行われるセレモニアルスタートを経て開幕する。
競技は11日(金)朝からスタート。デイ1はサービスパーク南東エリアで、大幅に改訂された3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行する。
12日(土)のデイ2はサービスパーク南、ビオビオ川西側エリアが舞台となる。2025年大会と同じ3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行し、合計距離139.20kmは3日間で最長の1日となる。全長28.31kmのSS9/12は今大会最長のステージだ。
最終日となる13日(日)のデイ3はサービスの設定がなく、2本のステージを各2回走行する。そのうちSS13/15はWRCで初めて使用される新ステージだ。4本合計71.20kmは3日間で最短となり、最終のSS16『ビオビオ2』は今年もトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる『パワーステージ』に指定されている。16本のステージの合計距離は311.18km、リエゾンを含むラリー全体の総走行距離は1169.48kmが予定されている。
チーム代表代行のユハ・カンクネンは「波乱に満ちたパラグアイを終えて、南米での冒険をチリでも続けられるのを楽しみにしているよ」と話し、「チームは今週、クルマを新車同様の状態までリビルドするために懸命に作業を進めてきた」と、現地入りに向けた準備状況を明かした。
コース特性については、「理論上、チリはドライバーが楽しめる高速で流れるような道が続いて、比較的シンプルなラリーになるはずだ」としながらも、「それでも天候が予期せぬ事態をもたらすこともあると理解している」と、警戒感もにじませた。
さらにカンクネンは、目前に迫るマニュファクチャラーズタイトルについて「タイトルは目前に迫っていて、我々が獲得できる可能性はかなり高いと考えている」と自信を見せた。 一方で「ドライバーズタイトル争いはシーズン終盤に向けてますます白熱しているけど、我々は全クルーに平等に勝つチャンスを与え続けていく」と、公平な戦いの姿勢を強調した。
ラリー・チリ・ビオビオのシェイクダウンは、現地時間10日(木)午前11時、日本時間では同日午後11時のスタートが予定されている。
[オートスポーツweb 2026年09月07日]