「クルマとぶつかったら勝てない」プロが教える、自転車で命を守る走り方

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2026年09月08日 07:40  マイナビニュース

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信号で止まるとき、足を着くのは右足か、左足か?



どちらでもいいと思うだろうが、おすすめは左足。理由は右足を着いて滑って転ぶと、身体が車道側へ投げ出される可能性が高いからだ。もちろん右足を着いても違反ではないが、どちらかを選ぶなら左足というわけだ。



このように「自転車に正しく乗れている?」と聞かれたら、多くの人が不安になるだろう。2026年4月から自転車にも交通反則通告制度(いわゆる「青切符」)が適用され、取り締まりが強化された。とはいえ、安全に対する意識を高め、ルールを守って乗っていれば、過度に心配する必要はない。



では、どんなことに注意して乗ればいいのか、街を安全に走るコツを紹介しよう。


絶対に事故を起こさない。



そう心掛けるのが初歩にして、最終的な目的でもある。



「そんなこと、今さら言われなくても…」と思うだろうが、安全に自転車に乗るというのは、それなりの知識が必要だ。



キッズMTBライダーの育成を長く手掛けてきた東京・瑞穂町のナカザワジムのオーナー、中沢清さんは「クルマとぶつかったら絶対に勝てないし、命を落とすことだってある。だから、自分の命は自分で守りなさい」と子供たちに教えているという。



以下は、大人の初心者にも伝えている基本の「き」である。


○街はゲームと一緒



物陰から人が出てきたり、見えないところに障害物があったりするかもしれない。ゲームならぶつかってもライフが減るだけだが、現実では大ケガにつながる可能性もある。



また、クルマ(ドライバー)は自転車に気づいていないかもしれない。止まってくれるとは限らないという前提で走ることも大切だ。

○危険回避のために歩道を利用するという選択肢も



自転車は車道を走るのが原則だ。しかし、交通状況などから危険を感じ、やむを得ないと判断されるなら歩道を利用する選択肢もある。



歩道を走るときは車道側を徐行する。徐行とは、すぐに止まれる速度のことだ。人通りが多いときは、自転車を降りて押して歩こう。



ただし、必ずしも歩道が安全とは限らない。



ロードバイクなら時速30�劼阿蕕い覗�ることは難しくないし、電動アシスト自転車だってアシストの効く時速24�劼泙任枠羈單�容易に出すことができる。



仮に自転車が時速24�辧∧盥埃圓�時速4�劼琶眛擦魄榮阿靴討い襪箸靴茲ΑF韻己�向に歩いている人との速度差は時速20�劼曚鼻B亳�してくる人であれば、時速30�匐瓩ぢ�度差になる。



これは100mを約12秒で走るランナーと同程度のスピードだ。しかも、自転車そのものの重さも加わるので、ぶつかったら大きな衝撃になる。



徐行が求められるのは、こうした速度差による危険があるからだ。



歩行者は後ろを確認せずに進路変更することもある。スマホやイヤホンに注意を奪われている人も少なくない。



さらに街路樹が植わっていたり、自転車やオートバイが駐車していたりすることもある。ほかにも、店先の看板や店から突然出てくる人など、自転車での走行を妨げる要素はたくさん存在する。


○路上駐車のクルマを抜くときは……



前方に停車しているクルマがあるときは、バックミラーに注目し、中にドライバーがいるかチェックしよう。



頭が動いているようなら、ドアを開けようとしている可能性がある。急にドアが開いて衝突すれば、大きなケガにつながりかねない。



後方の状況が許すなら、クルマの横を通るときは約1mの間隔をあけたい。タクシーが停車しているときも同様に、突然ドアが開く可能性を意識しておこう。もし、ドアが開いたら大きな声をかけて、存在を知らせることも有効である。

○予測性と視認性を高める



ドライバーにとってサイクリストが怖い理由は、視認性が低く、動きが予想しにくいことだ。特に夜に黒い服を着ていると、後続車からは非常に見えにくい。



道路交通法では後方への視認性を確保するため、リフレクター(反射材)の取付けが義務づけられているが、正直それだけでは十分といえない。



より安全に走るためには、発光式のリヤライトを使うと視認性が向上する。できれば複数のライトを使い、ドライバーの注意を引くことが望ましい。また、100円ショップなどに売っている反射タスキやテープを使うのも効果的だ。


フロントライトは明るい製品を選ぶと、路面がよく見えるようになり、対向車や交差点のクルマからも認識されやすくなる。言い換えれば、夜道の自転車は思っている以上にクルマから見えていないのだ。



そして、周囲が予測しやすい走り方をすることも忘れてはいけない。右左折するときには、ハンドサインを行う。法令上も求められている行為だが、まずは安全確保が優先だ。片手運転によって危険が生じる状況では、無理をしない判断も必要になる。そのうえで、後続車に向けてハンドサインを行うことで防げる危険もある。



なお、停車するときは早めにペダリングするのをやめ、左足を伸ばしておくと、周囲に「あの自転車は止まろうとしている」と伝わりやすくなる。


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○ルート選びも大切



高速道路や陸橋など、自転車が走行できない道路もある。一方で、自転車は一方通行規制の対象外となっている道路もあり、狭い道も通れるので、目的地までの最短ルートを選びやすい。



しかし、安全に速く移動したいのであれば、多少遠回りになっても信号やクルマの少ないルートを選ぶ方がいいこともある。



サイクリングロードは、まさにその「急がば回れ」の代表的な例だ。クルマも人も少ないルートを走るのが気持ちいいことは、田舎道でのサイクリングを想像してもらうと分かりやすい。同じことは都会でもいえる。お互いの存在が認識しやすければ、怖い思いをすることも減り、事故のリスクも下げられる。



もし、少し時間がかかったとしても、気分よく走れるなら積極的な遠回りも悪くない。しかも、信号が少ないルートなら、走行時間が安定するというメリットもある。


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○加害者にならないために



状況によって異なるものの、歩行者にぶつかれば、自転車側が加害者となるケースは少なくない。警察庁の統計では、2025年の歩行者との事故件数は3,269件で、統計のある2006年以降で最多となった。そのうち歩行者が死亡または重傷となった事故は356件に上る。



中沢さんが「小さな違反を知るよりも、事故を起こさないことが最優先」と教えるのは、被害者になっても加害者になっても、誰も幸せにならないからだ。事故がどうして起きるのかを考え、それに備えてヘルメットやグローブを着用する重要性も忘れてはいけない。


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菊地武洋 きくちたけひろ 自転車ジャーナリスト。80年代から国内外のレースやサイクルショーを取材し、分かりやすいハードウエアの評論は定評が高い。近年はロードバイクのみならず、クロスバイクのインプレッションも数多く手掛けている。レース指向ではないが、グランフォンドやセンチュリーライドなど海外ライドイベントにも数多く出場している。 この著者の記事一覧はこちら(菊地武洋)

このニュースに関するつぶやき

  • 右足で漕ぎ始める方が力が入るので、自然に左足を地面に着いて左に傾いて停止する。漕ぎ始めが一番疲れるので、自転車にまで一旦停止を求められるのは辛い。定速運転が最も快適。衝突でクルマに勝てないのは同意。
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