
KURUKURUがONPU(オンプ)ブランドで販売する「ポータブルディスプレイ14」は、14型のモバイルディスプレイだ。スタンド込みで約530gという軽さ、さらに縦置き対応が特徴で、日本企業企画ブランドであることを売りとする1台だ。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。
●初心者に分かりやすいパッケージとマニュアルが特徴
まずは基本的な仕様をざっと押さえておこう。画面サイズは14型で、解像度は1920×1200ピクセル(アスペクト比16:10)、非光沢のIPS液晶を採用している。タッチ操作には対応しない。
リフレッシュレートは60Hz、最大輝度は260ニト、コントラスト比は1000:1だ。視野角および応答速度は、メーカーサイトや取説を見た限りでは公開されていない。
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ボディーは背面に折りたたみ式スタンドが合体した構造で、輸送時には折りたため、スタンドが90度回転する仕様を生かして縦置きにも対応する。ちなみにスタンドの形状からしてフック掛けができそうに見えるが、上向きにする機構がないので不可能だ。可能なら他社製品との差別化要因になったはずで、少々もったいない。
接続方式はHDMIとUSB Type-Cの2系統だ。イヤフォンジャックに加えてスピーカーを搭載するなど、一通りの音声出力系の機能を備えている。
重量は公称値で約530g、実測では557gと、スタンド込みの14型としては軽量で、本製品の売りの1つとなっている。しかし、本製品の後から発売されたタッチ対応の14型「ポータブルディスプレイ14 タッチ」は公称値で約500gとより軽量なため、インパクトは若干弱い。軽さを追求するのであればそちらを選ぶ手もあるだろう。
付属品はHDMIとUSB Type-Cの両方式それぞれに対応したケーブルに加え、USB Standard-A→USB Type-Cケーブル、さらにUSB Standard-Aの電源アダプターもセットになる。一方で持ち歩き用のポーチ類が付属しないのは、ボディーの軽さを売りにする製品としてはもったいない。またケーブルも約2mと、他社製品に比べて長く、取り回しの自由度が高い反面、長さが余って邪魔になることもある。
本製品で個人的に感心したのがパッケージやマニュアルだ。海外製品に付属するマニュアルを単に翻訳しただけではなく、初心者が難解と感じがちな規格への言及は極力控えつつ要点はしっかり伝えるなど、かなり考えて書かれた形跡があり、エントリークラスのユーザーでもとっつきやすい。また図表もシンプルながら分かりやすい。
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本連載でも、例えば「DisplayPort Alternate Mode」といった専門用語は基礎知識とみなして毎回の説明は省略しているが、本製品の取説ではこのあたりも簡潔に説明されている。建前だけ分かりやすくした製品は多数あるが、本製品のパッケージやマニュアルを見ていると、その本気度が伝わってくる。
現在市販されているモバイルディスプレイの中でも指折りの分かりやすさで、製品そのものとは別に評価されるべきだろう。
●縦置きでも角度調整が可能
では実際に使ってみよう。接続方式はHDMIもしくはUSB Type-Cで、USB Type-C端子は2基あるが、機能に違いはないのでどちらに接続しても問題ない。
画面の色合いはかなり緑がかっており、色域の広さや鮮やかさ、再現性をアピールするモバイルディスプレイとはかなり差がある印象だ。ただし安価な製品にありがちな、斜め方向から見ると画面の端が極端に暗くなることはなく、一定の水準はクリアしている。
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本製品の強みの1つが縦置き対応だ。他社製品の多くは、横置き前提のスタンドの端を斜めにカットするなどして、何とか縦向きに設置できなくはないというレベルで縦置き対応を名乗っているが、本製品はスタンド自体が360度回転することから、縦置きもスムーズに対応できる。また横置き時と同様に角度の調整も行えるのもプラスだ。
ただし、縦置き時はOSDメニュー操作用のボタンが底面にあって操作できない点と、ケーブルが上向きに突き出してしまうため不格好な点は、他社製品と大差ない。このあたりはもう一工夫欲しかったところではある。
本製品はパワーパススルーにも対応している。本製品に最大出力100WのUSB Power Delivery(PD)充電器を接続したところ、ノートPCからは45Wの電源に接続していると認識された。昨今はほぼ全てのモバイルディスプレイに搭載されつつあるベーシックな機能だが、このあたりも抜かりはない。
OSDメニューについても見ていこう。OSDメニュー操作用のボタンは本体右側面に配置されている。最近のモバイルディスプレイは戻るボタンを省略した製品も多いが、本製品は戻るボタンを含め、決定/戻る/上/下と4つの物理ボタンを搭載しており、操作性も良好だ。
メインメニュー以下のUIは、やや見慣れないデザインではあるが、一般的な階層構造を採用しており、直感的にも分かりやすい。また明るさおよび音量の調整については、メインメニューを経由せずに呼び出せるショートカットも用意されるなど、他社製品に慣れている人でも扱いやすい仕様になっている。
●実売1万円台前半! 初心者が導入するにはもってこいな1台
以上のように、基本機能を重視した製品で、実売1万円台前半という安さも魅力だ。これに加えて前述のようなパッケージやマニュアル類の分かりやすさは、現在市販されているモバイルディスプレイの中でも指折りで、初心者が導入するにはもってこいだろう。
一方で価格を優先したためか、スペックや機能面では他社と比べて目に付く部分が少なく、全体的には平凡な印象だ。また日本企業企画ブランドをアピールするのであれば、保証期間は1年ではなくもう少し長くして欲しかったところである。
大きな欠点がないため安心して使えるのは強みだが、そのあたりが響くかどうかはユーザー次第だろう。冒頭に述べたタッチ対応モデルも併せて検討したいところだ。
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