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VAIOは9月10日、新型ノートPC「VAIO T」(個人向けモデル)と「VAIO T work」(法人向けモデル)を発表した。9月18日に受注を開始し、ノジマ店頭で販売する個人向け固定構成モデルは9月22日に、VAIOストア(直販サイト)で販売する個人向けカスタマイズ(CTO)モデルは9月30日に発売する予定で、CTOモデルの最小構成価格は37万4800円となる。
本モデルは、VAIOがノジマ傘下に入ってから初となる「ノジマチーム」としての開発製品で、新しいスタイルや体験を提案する「VAIO Next」シリーズの第1弾製品でもある。今回、発表に先んじてCTO限定モデル「勝色特別仕様」(最小構成価格:42万3500円)の試作機を試す機会を得たので、その特徴をレビューしていく。
●約10年ぶりの「フリップディスプレイ」搭載
VAIO Tは、この4月に発表された「VAIO SX14-R」のCore Ultra シリーズ3プロセッサモデルをベースに、2016年の「VAIO Z」以来約10年ぶりとなるフリップディスプレイを搭載したモデルだ。
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その名の通り、フリップディスプレイは画面部分にフリップ(反転)ヒンジが仕込まれていて、画面を反転させると「ビュースタイル」、そこからパタンと閉じると「タブレットスタイル」で使える。VAIOではこの変型機構を「トリプルスタイル」と呼んでいる。
フリップディスプレイの構造は、パッと見では2016年のVAIO Z(フリップモデル)と変わらないように見えるが、実はヒンジ部の画面ロック機構が省略されており、ロック解除せずにビュースタイルやタブレットスタイルに遷移できる。「ロックがないと、画面が勢いでぷらぷらしてしまうのでは?」と思うかもしれないが、磁力を使って適度な力で固定されているので、不用意に画面がふらつくこともない。
ディスプレイは2560×1600ピクセル解像度の13.3型液晶(グレア加工)で、タッチ操作に対応する一方で、ペン入力(スタイラスペン)は非対応としている。
ペン入力を非対応としたのは、ビュースタイル/タブレットスタイル時にペン入力するとグラグラ揺れてしまうという構造上の制約を踏まえた判断のようだ。特に勝色特別仕様の場合、クリエイティブ系アプリを快適に使えるスペックを備えることを考えると、少し残念である。
●CPUは「Core Ultra シリーズ3」 勝色特別仕様ならより強いCPUも
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CPUは、Core Ultra シリーズ3プロセッサを搭載している。個人向け固定構成モデルはCore Ultra 5 325(Pコア4基+LP Eコア4基)を備え、通常の個人向けCTOモデルではこれに加えてCore Ultra 7 356H(Pコア4基+Eコア4基+LP Eコア4基)を選択できる。
勝色特別仕様では、Core Ultra 7 356Hに加えて、内蔵GPUを強化したCore Ultra X7 358H(Pコア4基+Eコア4基+LP Eコア4基)の構成も用意している。法人向けモデルはCore Ultra 7 356Hのみとなる。
メモリはLPDDR5X規格で、個人向け固定構成モデルは16GBか32GB、個人向けCTOモデルは16GB/32GB/64GBの3容量から選べるが、Core Ultra 5 325構成は64GBメモリ、勝色特別仕様のCore Ultra X7 358H構成は16GBメモリは選べない。法人向けモデルは32GBのみとなる。
SSDはPCI Express 4.0/5.0接続で、個人向け固定構成モデルと法人向けモデルはPCI Express 5.0接続の512GBモジュール(自己暗号化対応)を搭載している。個人向けCTOモデルは、容量を512GB/1TB/2TBから選べる(512GBの場合、PCI Express 4.0接続/自己暗号化非対応モジュールも選択可)。
今回レビューする勝色特別仕様は、Core Ultra X7 358H+64GBメモリ+1TB SSDという“ほぼ最強”構成だ。特にメモリは“強々”で、少しビックリしている。
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余談だが、VAIO Tはどの構成を選んでも「Copilot+ PC」準拠となる。
●インタフェース類は必要十分
外部接続用のインタフェースは、本体左側にThunderbolt 4(USB 40Gbps/USB4)端子とUSB 5Gbps(USB 3.2 Gen 1) Standard-A端子が1基ずつ、右側にはThunderbolt 4端子、USB 10Gbps Standard-A端子、HDMI出力端子、有線LANポート(1000BASE-T)と、3.5mmヘッドフォン/マイクコンボジャックが1基ずつある。とりわけ電源入力と映像出力を兼ねるThunderbolt 4端子が左右両側面にあるのは、ケーブルの取り回しにおいて非常にうれしい配慮といえる。
ディスプレイの上部には、顔認証対応の920万画素Webカメラを備えている。このカメラでは、先日発表された「VAIO ウェルネスケア」も利用可能だ。
無線通信は、Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)とBluetooth 5.4をサポートしている。一方で、ベースモデルのVAIO SX14-R(VAIO Pro PK-R)に用意されていたモバイル通信(ワイヤレスWAN)のオプションは用意されていない。これも構造上の都合だという。
キーボードはバックライト付きで、配列などのオプションは以下の通りとなる(★は勝色特別仕様のみ選択可能)。
・日本語配列/かな印字あり(個人向け固定構成モデルはこれ)
・日本語配列/かな印字なし
・日本語配列/かな印字なし/隠し刻印★
・米国英語(US)配列
・米国英語(US)配列/隠し刻印★
キーボードの打ち心地は、ベースとなった「VAIO SX14-R」譲りで良好だ。広いパームレストとタッチパッドの操作性も良い。
付属するACアダプタはUSB PD(Power Delivery)準拠で、コンセントプラグも収納できる小型タイプだ。出力は最大65Wとなる。
ケーブル部分の取り外しはできないものの、それを加味しても小ぶりなので、本体と一緒に持ち運んでも苦にならないだろう。
●ベンチマークテストで実力をチェック!
VAIO Tの勝色特別仕様の“ほぼ最強”構成は、どのくらいのパフォーマンスを備えるのか――ベンチマークテストを通してチェックしてみよう。
今回は、比較対象として約3年半前のCore i7-1360P(Pコア4基+Eコア8基)搭載モバイルノートPC(32GBメモリ)を用意した。なお、VAIO Tのレビュー機は試作品なので、製品版と結果に差異が出る場合がある。
Cinebench 2026
まず、3Dレンダリングを通してCPUの性能を確認する「Cinebench 2026」の結果を見てみよう。
・シングルスレッド
・VAIO T:456ポイント
・Core i7-1360PノートPC:405ポイント
マルチスレッド
・VAIO T:3181ポイント
・Core i7-1360PノートPC:1742ポイント
シングルスレッドでの差はわずかだが、マルチスレッドではCore i7-1360P搭載モバイルノートPCの2倍近いスコアを記録している。
実際に重たいアプリの起動や複数の作業を並行する場面では、明らかにVAIO Tの方が動作が軽快で、アプリの切り替えにもたつく場面も少なかった。「これが3年半の差なのか……」と、最新CPUを搭載する恩恵がハッキリと感じられる。
PCMark 10
続いて、PCの総合ベンチマークテストアプリ「PCMark 10」の総合スコアを比較してみよう。テスト内容はWebブラウジングやビデオ会議、ドキュメント作成や画像編集など、一般的なPC操作が中心となる。
・VAIO T:7000ポイント
・Core i7-1360PノートPC:5376ポイント
VAIO Tのスコアに注目すると、電力や冷却の設計に余裕のあるデスクトップPC並みである。薄くて軽いモバイルノートPCで、これだけの性能があるというのは率直にいってすごい。
1.3kgを切る重量やフリップディスプレイ、長時間のバッテリー駆動をうたうVAIO Tは、働く場所や使い方を選ばないノートPCだ。そこにデスクトップPC並の性能もあると考えると、真に場所を選ばず仕事がはかどるノートPCといえる。
3DMark
最後に、主にゲーミングにおける3Dグラフィックス性能を計測する3DMarkを実行した。
時間の都合で、今回はDirectX 11のテスト「Fire Strike」(フルHD描画)と、DirectX 12のテスト「Time Spy」(WQHD描画)の2つを行った。各テストの総合スコアは以下の通りだ。
・Fire Strike
・VAIO T:1万3520ポイント
・Core i7-1360PノートPC:5004ポイント
Time Spy
・VAIO T:6950ポイント
・Core i7-1360PノートPC:1772ポイント
Core i7-1360P搭載ノートPCと比較すると、VAIO Tのスコアはかなり高い。Core Ultra X7 358HのIntel Arc B380 GPUのパワフルさが伝わってくる。
Intelいわく、Arc B380 GPUは「NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU相当」のパフォーマンスを持っている。確かにスコアを見てみると、Arc B380 GPUの値はGeForce RTX 4050 Laptop GPUのそれに近い。これだけのパフォーマンスを発揮できるなら、フルHD解像度ならゲームも十分に楽しめそうである。
オンデバイスAIという観点だと、最近はゲームに限らずGPUを活用するアプリも多い。高いCPU性能も相まって、Core Ultra X7 358H搭載のVAIO T(勝色特別仕様)は、多用途なモバイルノートPCとして仕上がっている。
バッテリーベンチマーク
VAIO TのCTOモデルは、バッテリー容量を「標準」と「大容量」の2種類から選べる。JEITA バッテリ動作時間測定法 Ver3.0に基づく測定値では、標準バッテリー構成はアイドル時で約20.5時間、動画再生時で約12時間の駆動が可能だという。
今回の勝色特別仕様は、大容量バッテリーを搭載した構成だ。実際の利用環境に近いテストを行うと、バッテリーはどのくらい持つのだろうか。PCMark 10にあるバッテリーベンチマークの「Modern Office」シナリオでテストを実施してみた。
ディスプレイの輝度は「50%」に設定してから計測したところ、残量99%から2%(強制休止状態)までの駆動時間は22時間35分となった。ほぼ1日持った計算だ。
先に紹介した通り、付属のACアダプターは小型で持ち運びやすいが、うっかり忘れてしまった場合でも、バッテリー残量が十分にあれば外出先でのバッテリー切れを心配する必要はない。
●専用ユーティリティーアプリでカスタマイズ可能
約10年ぶりに復活したフリップディスプレイ、そして最新世代のCPUを搭載したことでモバイルノートPCとして高い性能を備えるVAIO Tだが、使い込む観点では「どれだけ“自分色”に染めやすいか?」という点も重要だ。
メーカー製ノートPCの場合、“自分色”にこだわるなら「購入時のCTOメニューの豊富さ」も重要だが、「購入後にユーザーでカスタマイズできる要素がどこまであるか?」というポイントも忘れてはならない。
その点でいうと、VAIO TにはVAIO独自のユーティリティーアプリ「VAIOの設定」がプリインストールされている。このアプリでは「システム情報の確認」や「バッテリー充電容量のしきい値設定」といった、ノートPC向けユーティリティーアプリにおいておなじみの設定も用意されているが、よく見てみると、“自分色”に染める上で重要な項目が用意されている。「キーボードの設定」だ。
最近のVAIOノートPCでは、F12キーに「VAIOオンライン会話設定」を開くためのショートカットが用意されているのだが、ここに割り当てる機能を変更できるのだ。他にも左右の「Ctrl」キー、「Caps Lock」キー、「Fn」キー、「Copilot」キーの機能も変更可能だ。
他のメーカーにもキーカスタマイズに対応するノートPCはあるが、UEFI(BIOS)設定に入らないと設定できないケースもある。Windows上で設定を変えられるのは、とてもありがたい。
●フリップディスプレイ×高性能で、より使えるシーンを広げられる1台
VAIO Zから10年ぶりのフリップディスプレイを搭載したVAIO Tは、最近では珍しいコンパーチブルでもデタッチャブルでもない2in1 PCだ。ただ、いわゆる“色物”ではなく、しっかりノートPCとして使える性能と完成度の高さを備えている。
ディスプレイを回転させることで利用できるタブレットモード、ビューモードは対面での打ち合わせでも便利に使えるだけでなく、大画面のディスプレイにつないだ際にデスクスペースを有効活用するのに使いやすい配置を行う際にも便利に使える。
バッテリー稼働時間が長いことも含め、使う場所にとらわれず、高い性能は使い道も選ばない。まさにハイブリッドワーク時代に最適なノートPCとして、1つの正解といえる。
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パスワード「123456」だった?(写真:ITmedia NEWS)150

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