カローラのクックが先勝。王座候補者が“負の連鎖”に散るなかアウディも今季2勝目/BTCC第8戦

0

2026年09月10日 13:30  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

ジョシュ・クック(スピードワークス・カローラ・レーシング/トヨタ・カローラGR Sport)が日曜オープニングのR1で今季2勝目を手にする
 全10戦のチャンピオンシップも大詰めを迎えたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第8戦が、9月5〜6日にノース・ヨークシャーのクロフトで争われ、まずはジョシュ・クック(スピードワークス・カローラ・レーシング/トヨタ・カローラGR Sport)が予選トップタイムから予選レースを完全制覇する流れに乗り、日曜オープニングのレース1で今季2勝目を手にする。

 一方で、タイトル争い天王山となる選手権首位の“4冠”王者アシュリー・サットン(NAPA Racing UK/フォード・フォーカス・チタニウム)が、続くレース2で圧倒的な勝利を収め、史上最多となる5度目のBTCCタイトル獲得に大きく近づくと同時に、キャリア通算55勝目を挙げて歴代勝利数でも単独5位に浮上。しかし週末最終レース3ではシグナル消灯直後から激しい展開となり、サットンとともにライバル候補である現役王者トム・イングラム(チーム・ヴァーチュ/ヒョンデi30ファストバックNパフォーマンス)も、多重事故の犠牲者としてリタイヤに散っている。

 前戦ドニントンパークを前に、急転直下の経営破綻(管理下入り)が公表されていた新生『CPRL』こと、旧カタクリーン・プラト・レーシングのダニエル・ロウボトム(メルセデスAMG A35サルーン)のFP最速で始まった週末は、予選でも恒例の高速トラックで「コンマ数秒を削り取りたい」というツーリングカー使いの熾烈な勝負が展開されることに。

 グループ1で出走したアライアンス・レーシングのダン・カミッシュ(NAPA Racing UK/フォード・フォーカス・チタニウム)は、ここで幸先よくトップタイムを記録したもののトラックリミット違反によりベストタイムが抹消。その判定に対して異議を申し立てた結果、タイムは有効と認められ順位が復活するなどセッションを通じて不確定な状況が続いた。

 一方、グループ2に出走したクックはセッション終了間際にタイムを更新。これによりレース1のグリッド順位を決定する11周の予選レースにおいて、最前列のスタート位置を確保した。

 このヒートでも後の日曜決勝を示唆するかのようにオープニングラップから激しい展開が見られ、シリーズ“3冠”ゴードン・シェドン(レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/トヨタ・カローラGR Sport)がターン2でスピンを喫し集団の後方へと順位を落としてしまう。

 前方ではポールシッターのクックがフロントロウに並んだカミッシュに対し安全マージンを築き「外から見れば落ち着いて走っているように見えたかもしれないが、実際にはマシンのコントロールにかなり苦労していた」と明かしつつ、完勝を飾った。

「これで(レース1の)ポールポジションを獲得し、明日の決勝に向けて最高のスタート位置を確保できたのは本当にうれしい。フォード勢を抑え切ってフィニッシュできたことには満足しているよ。重要なのは、これを明日の勝利に繋げること。天候も影響する可能性があるだろうが、まず1周目を無事に切り抜け、序盤でフォード勢を後ろに抑え続けることができれば、同じような結果を残すチャンスは充分にあると思っている」

 そんなクックの予言どおりか、明けた日曜はウエットコンディションのもとシグナルグリーンを迎えると、クックのトヨタ・カローラが首位をキープし、カミッシュ、サットン、イングラムが2番手、3番手、4番手の隊列となって続いていく。

 終盤まで膠着した展開は“Sunny In(サニー・イン)”でミスを犯したサットンの隙を突き、イングラムがポジションアップ。しかしここでトラックリミット違反を繰り返したとして5秒加算のタイムペナルティを科され、ここでカミッシュらを含め他のドライバーも同様にオフィシャルの裁定を受けることとなる。

 サットン攻略後、レインタイヤで苦しむカミッシュを素早く仕留めたイングラムは、残り2周のヘアピンで強引にクックをオーバーテイク。ここからクックを引き離したものの、最終的に5秒以上のリードを築くことができず、クック、サットン、そしてイングラムのリザルトとなった。

 これで首位3台がハードタイヤを履くことが義務付けられたレース2だったが、ソフトタイヤを履いて浮上して来たロウボトムやリッキー・コラード(チーム・ヴァーチュ/ヒョンデi30ファストバックNパフォーマンス)らを抑え切り、サットンがレースを完全に支配。追い上げた両者ともトラックリミット違反により5秒のペナルティを科されていたが、それでもトラック上でサットンを攻略することは叶わず。今季8勝目を挙げたサットンは、歴代最多勝記録のリストでも“フラッシュ”ことシェドンを抜き単独5位に浮上した。

「今は素晴らしいポジションにいるね」と笑みを浮かべたサットン。「何か深刻なトラブルでも起きない限り、タイトル獲得に片手をかけたと言えるだろう。とはいえ、ツーリングカーレースでは何が起こるか分からないから、今は目の前のレースひとつひとつに集中することが大切だ」

「レース2の後は、自分たちが成し遂げようとしていることの現実味が増してきたこともあって、少し感傷的になってしまった。でも今のマシンの仕上がりは信じられないほど良く、とくにハードタイヤでのパフォーマンスは抜群さ」

 その「何が起こるか分からない」リバースグリッド採用による混戦模様となったレース3は、マイキー・ドーブル(LKQユーロ・カーパーツ・ウィズ・パワー・マックス・レーシング/アウディS3サルーン)がポールポジションからスタートを切る。

 すると背後ではターン1の“Clervaux(クレルヴォー)”を通過する際、選手権首位サットンを含む数台のマシンがアクシデントに巻き込まれ、コラードとカミッシュの接触による連鎖でポイントリーダーもリヤに激しい衝撃を受ける。これでコラードのヒョンデはストップ、そして2台のフォード・フォーカス・チタニウムはピットレーンへ向かい、アーロン-テイラー・スミス(レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/トヨタ・カローラGR Sport)らも被害を被る。

 長いセーフティカー導入期間を経てレースが再開されると、僚友のエイデン・モファット(LKQユーロ・カーパーツ・ウィズ・パワー・マックス・レーシング/アウディS3サルーン)を防護役にドーブルがギャップを拡大。

 そのモファットはハードタイヤを装着しながら数周にわたり見事なディフェンスを披露し、パックとなった集団内ではポジションアップを急いだイングラムがチャールズ・レインフォード(WSR/BMW 330i M Sport)とわずかに接触してしまう。

 これで“Jim Clark Esses(ジム・クラーク・エッセ)”付近でコース上を滑走して集団の中へと飛び込んでいく事態となり、ダメージを負ったイングラムはピットレーンに戻りリタイアを余儀なくされる。

 そのまま大逃げを決めたドーブルが今季2勝目を手にし、トム・チルトン(チーム・ヴァーチュ/ヒョンデi30ファストバックNパフォーマンス)とシェドンの続く表彰台となった。

「クルマをトランポより降ろした瞬間からペースは良かったが、土曜にメカニカルトラブルに見舞われたことで、長期的な視点で戦う必要があった。そこでレース3での勝利を狙うという明確な計画を立てて臨んだんだ」と明かしたドーブル。

「他の多くのドライバーがそうしたように、レース1でハードタイヤを使い切ってしまうという選択肢もあったが、僕たちにとってはウエットタイヤでの走りを大きく進歩させることが重要だと分かっていた。レース2はハードタイヤでいかに生き残るかが鍵だったが、チームが素晴らしいクルマを与えてくれた。グリッド最前列からソフトでスタートできるという絶好の条件が揃っていたし、結果を出せない言い訳など一切ない状況だったよ」

 週末を終えてサットンが100点以上の大量リードを築いた2026年のBTCCは、続く9月26〜27日にシルバーストンで第9戦が争われる。

[オートスポーツweb 2026年09月10日]

    ニュース設定