プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チームからMotoGP参戦が決定したニッコロ・ブレガ ドゥカティ・コルセは、現在、ドゥカティのファクトリー・チームからスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)にエントリーし、ランキング首位を走るニッコロ・ブレガ(Aruba.it Racing – Ducati)と契約を更新。あわせてブレガが2027年にドゥカティのサポート・チーム、プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チームからMotoGPクラスにステップアップすることを発表した。
今回、最高峰クラスへ挑戦する1999年生まれのイタリアンは、スカイ・レーシング・チームVR46から2015〜2018年はMoto3、2019年にはMoto2へと参戦しており、バレンティーノ・ロッシがオーナーを務めるチームへ久しぶりに復帰することになる。
■850ccエンジン搭載の2027年仕様ですでに驚速タイムを記録
2020・2021年の2年間、グレシーニ・レーシングでMoto2を戦ったブレガは、2022年より今も所属するAruba.it Racingでスーパースポーツ世界選手権(WorldSSP)を走り、2年目の2023年にチャンピオンを獲得し翌年からWorldSBKへステップアップ。2024、2025年はトプラク・ラズガットリオグルに次ぐランキング2位となっていた。
また、2025年の終盤2戦をマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)の代役としてMotoGPの実戦に出走。5月に行われたムジェロでのプライベートテストでは、850ccエンジン搭載、ピレリタイヤを履いた2027年レギュレーション仕様で、テストライダーのミケーレ・ピッロに0.4秒差、KTMのペドロサらを抑える全体トップタイムを記録。先行開発に携わり、スーパーバイクで使い慣れたピレリが来季よりMotoGPクラスのオフィシャルサプライヤーになることから、台風の目になる可能性も十分だといえるだろう。
■ダッリーニャ「ニッコロが新たな挑戦をするのに最適な時期」
ドゥカティCEOのクラウディオ・ドメニカリは「ニッコロは我々にとって大切なライダーであり、大きな誇り。Aruba.it Racingのサポートを受け、ワールドスーパースポーツのタイトル獲得からスーパーバイクでの活躍まで、ドゥカティのレース史に重要なページを刻んできた。現在、彼は25連勝という記録を打ち立て、チャンピオンシップをリードする存在となっている。ニッコロはMotoGPに挑戦する機会を勝ち取り、共にそのチャンスに挑めることを大変嬉しく思う。これは新たなチャレンジであり、彼がこれまで培ってきたレベルと成熟度をもって、力強く乗り越えていくことができるだろう」と期待。
ゼネラルマネージャーのルイジ・ダッリーニャは 「私たちは、ニッコロが新たな挑戦をするのに今が最適な時期だと考えている。プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チームは、彼がMotoGPに適応していく上で理想的な環境であり、その潜在能力を最大限に発揮するために必要なツールがすべて揃っている。この契約により、ドゥカティ・コルセ組織内で才能を育成するというコミットメントを改めて表明し、同世代で最も有望なイタリア人ライダーのひとりとの絆を強化し、2027年から始まる新たなMotoGPでのチャレンジに向けて準備を進めている」とコメントしている。
ブレガは自身のInstagram(https://www.instagram.com/p/DdEDKjxDkNO)を更新し、これまで在籍してきたAruba.it Racingに感謝を述べている。
「立ち止まって、自分がどれほど遠くまで歩んできたのかを実感する瞬間がある。2022年、Aruba.it Racingに加入した時の目標はただひとつ。もう一度自分自身を信じ、自分の実力を証明することだった。チームと共に初めての表彰台を獲得し、その後も数多くの表彰台に立った。僕たちは一歩ずつ、特別な何かを築き上げてきた」
「2023年、WorldSSPでのタイトル獲得。これは一生色褪せることのない記憶だ。続いてWorldSBKへの昇格。ルーキーイヤーの2024年はランキング2位でシーズンを終えた。翌2025年はさらに頂点へと近づいたが、再び2位。そして今日、2026年。我々は依然としてトップを走り、最大の目標に向けて戦い続けている」
「だが、これまで歩んできた道を振り返った時、僕の目に映るのは勝利や表彰台、チャンピオンシップといった結果だけではない。 そこにいるのは“人”だ。サーキットで過ごした果てしない日々、苦しい時期、過ち、笑い合ったこと。僕たちを成長させてくれた敗北、そして全員で喜びを分かち合った勝利の数々が脳裏に浮かぶ。 なにより、僕を信じてくれたチームの姿がある」
「2022年に加入した際、皆は僕にチャンスを与えてくれた。僕は自分のすべてを懸けて、その恩に報いようと努めてきたつもりだ。僕たちが共に築き上げたものは、単なるリザルトを遥かに超越している」
「僕にとって、MotoGPは夢だった。 しかし、どんな夢であっても、自分自身よりも先に『実現できる』と信じてくれる誰かが必要なのだ。 そして、あなた方がまさにその存在だった。だからこそ、僕のキャリアにおける新たなチャプターが始まろうとしている今、何よりもまず皆に伝えたいことがある。ありがとう、Aruba.it Racing。ありがとう、ドゥカティ。ありがとう、側で共に戦ってくれたすべての人たちへ。エンジニア、技術者、メカニック、チームスタッフ、そしてスポットライトの当たらない場所でこの成功を支えてくれたすべての人たちに心から感謝したい」
「今シーズンを最後に、僕たちは別々の道を歩むことになる。だが、別れを告げる前に、まだやるべきことが残っている。 僕たちの物語はまだ終わっていない。まだ達成すべき目標が、勝ち取るべき世界タイトルが残っているんだ。ありがとう、Aruba。これまで共に築き上げてきたすべてに。そして、最後まで共に挑み続けるこれからのすべてに」
[オートスポーツweb 2026年09月10日]