「他国経由だから」は通用しない イラン戦争で見えた在日米軍基地への報復攻撃リスクに専門家が警鐘「那覇空港も危ない」

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2026年09月11日 11:20  web女性自身

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「平和を愛する日本の人たちは、米国の犯罪について、日本政府に説明責任を問うべきだ」



8月29日、イランのアラグチ外相が共同通信の取材にこう訴えた。米軍三沢基地(青森県)のF16戦闘機が、対イラン作戦のため中東に展開していたと報じられたことを受けての発言だった。



実際、報道によれば、在日米軍から対イラン作戦に投入された戦力は、三沢基地のF16だけではなかった。沖縄の海兵隊部隊なども中東へ派遣されたほか、横須賀基地を母港とする米海軍の艦船も作戦に加わっている。



中東では、米軍基地に対するイランの報復攻撃が相次いでいる。では、日本国内の米軍基地が攻撃されるリスクはないのか――。



安全保障問題に詳しいジャーナリストの布施祐仁氏に聞いた。



「アメリカがどこかの国と戦争をして、その作戦のために日本の基地が使われた場合、日本は戦争に対して中立的な立場ではいられなくなります。国際法上もそうです。いま中東の湾岸諸国にある米軍基地が攻撃を受けているように、日本国内の米軍基地も攻撃を受け、その戦争に巻き込まれるリスクを負うことになります」



■なぜ「事前協議」が行われないのか



ならば、米軍が日本国内の基地から他国への攻撃に向かうことを、日本政府は止められないのだろうか。



「1960年の日米安保条約締結時に交わされた交換公文では、日本が直接攻撃を受けた“日本有事”以外の事態で、米軍が日本の領域から日本の外に向かって戦闘作戦行動を行う場合、日米間の“事前協議”が必要とされています」



ところが今回、事前協議は行われていないという。それには、こんなロジックがある。



「日本から戦闘機が飛び立ち、そのまま他国を空爆すれば、日本からの戦闘作戦行動になります。しかし、いったん別の基地に着陸し、そこから攻撃に向かった場合、日本からそこまでの飛行は単なる“移動”と解釈され、事前協議の対象外とされているんです。今回のF16についても、日本政府はそのように説明しています」



だが、それはあくまで日米間の“理屈”だ、と布施さんは指摘する。



「どこかの基地に一度立ち寄ったかどうかなんて、攻撃される相手国からすれば関係のない話です。相手から見れば、日本の基地から出てきた米軍が自分たちを攻撃している。だったら『日本にある米軍基地を我々も攻撃する』となる可能性があるわけです」



もっとも、イランは日本から地理的に遠いため、現時点で日本国内の基地が攻撃される可能性は低いという。



しかし、これが台湾海峡や朝鮮半島など日本周辺での戦争なら、状況は大きく変わる。



「北朝鮮も中国も、日本を射程圏内に収めるミサイルを持っています。日本の基地から米軍が出撃すれば、自衛隊がどう動くかに関係なく、日本国内の米軍基地が攻撃を受ける可能性は極めて高いでしょう」





■「米軍基地だけ」が狙われるわけではない



さらに、攻撃対象となり得るのは米軍基地だけではない、と布施さんは警鐘を鳴らす。米軍は、有事には基地が攻撃されることを想定し、航空機などを民間空港へ分散させる作戦も考えているという。その分散先として浮上するのが、那覇空港だ。



「辺野古の基地が完成したとしても、滑走路が非常に短い。ですから米軍としては、嘉手納基地が先に攻撃を受け、滑走路が破壊されたときに使える飛行場を、もう一つ確保しておきたい。そのために那覇空港を使用したいと考えています」



米側は、普天間飛行場の返還条件の一つとして、辺野古では確保できない「長い滑走路」を緊急時に利用できることを求めている。使用する空港は決まっていないが、沖縄本島で条件を満たす民間空港は那覇空港だ。



「空港というのは、住民にとって命綱です。外から物資が入ってくる場所でもありますし、いざ避難するときにも使う。そこを米軍が使用すれば、“軍民分離”という原則が成り立たなくなり、民間にも非常に大きなリスクが及びます」



折しも、沖縄では県知事選の真っただ中だ。



現職の玉城デニー知事(66)は、米軍による那覇空港の使用を認めない立場を明確にしている。一方、古謝玄太候補(42)は、「平時からの使用を求めるものではない」として返還条件をどう整えるかは政府の責任だ、との考えを示している。



「有事に米軍が使用することを認めるのかどうか。これは基地問題というだけではなく、県民の命や安全にかかわる問題だと思います」



■「米軍だから仕方ない」で終わらせない



事前承認のない米軍の基地使用を止めることはできないのだろうか――。



「いまの事前協議制度では、米軍による基地使用にイエスと言うかノーと言うかは、基本的に政府の判断次第です。しかし、イエスと判断すれば、日本が戦争に巻き込まれる可能性が極めて高くなる。非常に重大な判断ですから、政府だけで決めるのではなく、国会の承認を受ける必要があると私は考えています」



加えて重要なのが、“世論”だ。



「アメリカも、基地を置いている国で反対の声が大きくなることを気にしています。基地の使用を認めた結果、自国が戦争に巻き込まれるおそれがあるのであれば、簡単に『使っていい』とは言えません。それは主権国家として当然のことです」



今回のイランへの軍事作戦でも、ヨーロッパ諸国では自国の米軍基地の使用に対して反対が相次いだ。



「スペインは米軍による国内基地の使用を認めていません。イタリアでも、中東へ向かう米軍機による国内基地の使用を認めなかったケースがあります。自国にある基地を米軍に使わせないというのは、別に特別なことでも、不可能なことでもないのです」



そして布施氏は、こう締めくくる。



「『米軍が日本にいるんだから仕方がない』ではなく、自分たちの安全のために米軍の行動をしっかりコントロールする。場合によっては『日本からの軍事作戦は認めない』ということも含めて、言うべきときには言う必要があると思います」

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