AIとカメラを日常に溶け込ませる 画面を省いた「Rokid Ai Glasses Style」は買いか?

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2026年09月14日 12:11  ITmedia PC USER

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ディスプレイを省いた新モデル「Rokid Ai Glasses Style」。カラーはグレーで、ブラックのバリエーションがある

 ここ数年で盛り上がりを見せているスマートグラス。日本でも「Rokid スマートAIグラス」が、応援購入サービス「Makuake」で6億円以上を集めたことで大きな話題になった。


【その他の画像】


 そのRokidから、新たなスマートグラス「Rokid Ai Glasses Style」が登場した。価格は6万4990円で、発売は9月15日だ。


 従来のRokid スマートAIグラスは、ディスプレイ、カメラ、スピーカーを搭載した全部入りのスマートグラスだった。これに対し、Rokid Ai Glasses Styleは、カメラとスピーカーは搭載するものの、ディスプレイは省かれている。


 画面を省いたことで何が変わり、何が変わらないのか。Rokid スマートAIグラスと比較しながら確認してみた。


●外観・デザイン


 太めのフレームを採用しているRokid Ai Glasses Styleは、単体で見るとRokid スマートAIグラスと大きくは変わっていないように見えるが、並べてみると細部がかなり異なっていることが分かる。


 まず、大きく異なるのがレンズの仕様とデザインだ。Rokid スマートAIグラスはディスプレイを内蔵しているためレンズがフラットになっており、外から見た際にも投影部が確認でき、「通常のメガネではない」という印象があった。


 これに対し、Rokid Ai Glasses Styleはディスプレイがないため、レンズは通常のメガネと同様の形状になっている。度付きレンズもマグネットでの後付けになっていたRokid スマートAIグラスとは違い、レンズに直接度を入れる仕様だ。6色の調光レンズも用意されている。


 他に、デザイン上で大きく異なるのがノーズパッドだ。Rokid スマートAIグラスのノーズパッドはクリングス(ノーズアーム)タイプだったが、Rokid Ai Glasses Styleはフレームと一体型になっている。かけ心地の調整しやすさという点ではクリングスタイプの方がいいのだろうが、一体型の方がすっきりとした印象を受ける。


 フレーム一体型のノーズパッドは、鼻の低い人には収まりが悪いことがあるが、クッション性のあるノーズパッドを装着する仕様になっており、かけ心地は悪くない。


 ディスプレイが非搭載となったためなのか、重量は公称値で約38.5gとなっている。ただし、実測したところ45.9gと公称値と乖離(かいり)があった。


 もっとも、Rokid スマートAIグラスも公称で約49gだったが、実測したところ51.7g、度付きのインナーレンズを含めると60.0gだった。そこから軽量化されていることは間違いない。


 フレームの左側にカメラ、右側に通知用のLEDインジケーターを搭載する。右側のテンプルに撮影用のボタンがあり、右側側面がタッチパネルになっている。この辺りはRokid スマートAIグラスと共通だ。充電端子も右側テンプルの先にあり、Rokid スマートAIグラスと同じ充電ケーブルを利用する。


●AIアシスタント


 ディスプレイがないという点を除けば、機能的にはRokid スマートAIグラスと共通点が多い。「Hi Rokid」の呼びかけでAIアシスタントを利用できるのも共通だ。ディスプレイがないため応答は全て音声になるが、一般的な質問に加え「Hi Rokid、目の前にあるのは何?」など内蔵カメラを利用した質問も行える。


 利用するAIモデルは、ChatGPTとGeminiを選べる。デフォルトでは自動選択だが、どちらかを指定することもできる。今回は自動で試してみたが、こちらの質問意図を比較的素直にくんでくれる印象だ。


●カメラ


 カメラは12MP/f2.25で最大4K(3840×2160ピクセル)の撮影に対応し、動画は3K/30fpsまで撮影できる。この仕様もRokid スマートAIグラスと共通だ。アスペクト比の変更やウォーターマークの配置などはアプリからカスタマイズできる。


 撮影はテンプルのボタンだけでなく、音声コマンドでも行える。手に何かを持っているときに撮影したい場合などには音声が便利だろう。撮影したデータは、スマートフォンアプリからインポートできる。


 以下、撮影した作例をいくつか掲載する。カメラがフレーム左側にあるので、狙った画角に収めるには慣れが必要だ。


 撮影中はフレーム右側のインジケーターが点灯する仕様だ。ここをふさいでいると「カメラインジケーターを遮らないでください」とアナウンスされ、撮影ができない。動画の撮影開始後にふさいだ場合も同様のアナウンスが流れ、そのままにしていると撮影が終了する。


 撮影していることを周囲に示すための仕組みだが、カメラを常時身に着けて歩くことに変わりはない。配慮は使う側にも求められる。


●ナビゲーション


 ディスプレイは搭載していないものの、音声によるナビゲーションは利用可能だ。といっても、内容的にはGoogle マップの音声ナビゲーションと同じものだ。曲がるタイミングなどで「左方向です」などと音声でアナウンスしてくれる。


 正直なところ、そこまで便利とは言いづらい。素直に、スマートウォッチなどとも連携できるGoogle マップを利用してもいいだろう。


●翻訳


 本製品は、最大76言語のリアルタイム翻訳にも対応する。Rokid スマートAIグラスは89言語だったので、13言語減っている。


 とはいえ、日本語はもちろん、英語や中国語など、主要な言語には対応しているので、困ることは少ないだろう。また日本語、英語、中国語簡体、スペイン語、ドイツ語、フランス語に関しては、ネットに接続せずローカルでの翻訳にも対応する。


 肝心の翻訳性能だが、精度自体はおおむね問題ない。ただ、Rokid スマートAIグラスのようにディスプレイに表示されるわけではなく、音声での読み上げとなるので、実際の会話に対して少しずつ翻訳が遅れていく。対面での会話など、短い文章のやり取りなら困ることはないと思うが、プレゼンテーションなど長文を聞く側に回るシーンでは使いづらいかもしれない。


●通知


 スマートフォンの通知も音声で読み上げられる。Gmailも通知してくれるが、読み上げてくれるのは件名のみだ。頻繁に通知があると邪魔だが、通知するアプリは選択することができる。通知そのものをオフにすることも可能だ。


●Rokid スマートAIグラスとの機能差


 Rokid スマートAIグラスとの機能差は、アプリの画面を見ると分かりやすい。Rokid スマートAIグラスにあってRokid Ai Glasses Styleにないのは、「エージェントストア」「テレプロンプター」「字幕」「ウィジェット」「ツールボックス」の5つだ。


 このうち、エージェントストアとツールボックスは、サードパーティ−アプリに関する機能で、残りはディスプレイを利用する機能となっている。


 つまり、今のところRokid Ai Glasses Styleではサードパーティーアプリを利用することはできないようだ。OS自体は共通のようなので、ディスプレイを使わないアプリならばRokid Ai Glasses Styleでも利用できるはずだが、この辺りで差別化を考えているのかもしれない。


●バッテリー持ち


 搭載するバッテリー容量はRokid スマートAIグラスと同じ210mAhだ。ディスプレイがない分、バッテリー持ちは良くなるのかと思ったが、公称値は連続翻訳で2時間、連続動画撮影45分、連続音楽再生6時間とRokid スマートAIグラスと大きく変わらない。


 会議の録音や翻訳、移動時のナビゲーションなど、1日ハードに使い続けるつもりなら、別売のカプセルバッテリーを準備した方がいいだろう。


●まとめ


 Rokid Ai Glasses Styleは、ディスプレイこそ省かれたものの、AIアシスタント、カメラ、翻訳、通知といった主要な機能はほぼそのまま引き継いでいる。できることの幅は大きく減っていない。変わったのは、その結果を目で見るか、音声で聞くかという受け取り方の部分だ。


 違いが効いてくるのは、情報量の多い場面だ。翻訳は音声の読み上げになるため、相手の発話から少しずつ遅れていく。長い話を聞き続ける場面では追い切れない。ナビゲーションも同様で、音声案内だけならスマートフォンやスマートウォッチで足りてしまう。流れていく情報をリアルタイムに追う場面では、ディスプレイが効いていたのだと改めて感じた。


 一方で、ディスプレイを省いたことで得られたものもはっきりしている。公称値で約38.5g(実測は45.9g)という軽さと、通常のメガネと同じようにレンズへ直接度を入れられる点だ。Rokid スマートAIグラスは外から見てもスマートグラスだと分かる作りだったが、本製品は言われなければ気付かれにくい。


 普段からメガネをかけている人にとっては、日常のメガネをそのまま置き換えるという選択が現実的になった。


 ただし、ディスプレイがない分バッテリーが持つという期待には応えていない。容量は210mAhのままで、駆動時間も従来機とほとんど変わらず、省電力を理由に選ぶ製品ではない。


 つまり両者は上下の関係ではなく、使い方で選び分ける製品だ。翻訳結果やナビのルートを目で確認したい、AIの回答を文字で読み返したいならRokid スマートAIグラス、かけっぱなしにできることを優先し、音声のAIとカメラを中心に使うなら本製品だ。


 価格も4万5000円ほど違うので、ディスプレイに4万5000円分の価値を見いだせるかどうかが、判断の分かれ目になる。


 なお、9月14日まで先行予約特典として、「Rokid Ai Glasses Style専用ポータブル充電ケース」(1万2990円)が無料でプレゼントされるキャンペーンが行われているので、併せて検討するといいだろう。



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