換羽中のフンボルトペンギン(写真ACより) サンシャイン水族館の公式X(@Sunshine_Aqua)が、ものすごい目力でこちらを見つめる換羽中のケープペンギンの様子を紹介し、その愛らしい姿が注目を集めている。この時期のペンギンが普段よりじっとしているのには、ちゃんとした理由があるそうだ。
【写真】「じーっ」睨んでる? ずっと見ちゃうくらいかわいい換羽中のペンギン■換羽中のペンギンは“省エネモード”
サンシャイン水族館の資料によると、成鳥のケープペンギンには1年に一度、全身の羽が古いものから新しいものへと抜け換わる「換羽期」が訪れる。日本の飼育下では主に5〜9月ごろに見られ、約2週間かけて新しい羽へと生え換わっていくという。
換羽はペンギンにとって、かなりのエネルギーを使う一大イベントだ。
古くなった羽は防水・撥水・保温といった機能が低下しているため、換羽中は水に入らない。また、自然界では換羽している間は陸上で過ごして絶食状態になることから、事前にたっぷりとエサを食べてエネルギーを蓄える。
換羽前には、1日に体重の3分の1もの量を食べることもあるそう。そして換羽が始まると、余計なエネルギーを使わないよう、陸上で動かずじっとしている時間が増える。サンシャイン水族館は、この状態を「省エネモード」と説明している。
つまり、近づいた人をじーっと見つめているように見えるのも、体力を温存しながら換羽を乗り切っている真っ最中なのだ。
■ボサボサ姿も、この時期だけのお楽しみ
さらに換羽中は、いつもとはひと味違う姿を見ることができる。
羽の抜け方や順番には個体差があり、頭から抜けるペンギンもいれば、背中やお尻から抜けるペンギンもいる。途中には、ライオンのたてがみのようになったり、ニワトリのトサカのようになったり、ポンチョを着ているような姿になったりすることもあるという。
飼育担当者によれば、普段元気よく泳ぎ回るペンギンを「動」とするなら、換羽中はまさに「静」。巣穴などにじっとこもりながら、羽が抜け換わるのを待つそうだ。換羽を終えると、待ちかねたように水場へ向かうという。
ちなみに抜ける羽の量もかなりのもの。サンシャイン水族館では、1羽から集めた羽だけで1.5リットルのペットボトル3本分以上になったこともあるそう。普段は約1時間で終わる飼育スペースの掃除が、換羽期には約2時間かかるというから驚きだ。
ちょっぴり不機嫌そうな表情も、ボサボサの姿も、年に一度の換羽期ならでは。じーっとにらんでいるように見えるペンギンに出会ったら、「今は大事な衣替え中なんだな」とそっと見守りたくなる。