中道分裂が生む「マトモな二つ目の選択肢」/倉山満

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2026年09月15日 09:10  日刊SPA!

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国民民主党代表選で3選を果たした玉木代表。野党再編を巡っては「安易な合従連衡には与しない」との考えを示し、「国民民主党を大きくすることが近道だ」と強調した 写真/産経新聞社
―[言論ストロングスタイル]―
中道改革連合が分裂へ向かう流れが決定的となった。立憲民主党、公明党との3党合流構想は正式に断念され、公明党のみの先行合流案も支持を広げられずに頓挫。こうした政界再編の行方について、憲政史研究家の倉山満氏は「憲政浄化の絶好機」だとして期待を寄せる(以下、倉山満氏による寄稿)。

◆中道改革連合が分裂は憲政浄化の絶好機

今年1月に結成された、中道改革連合が分裂の見込みとなった。2月の総選挙で記録的惨敗。既に事実上の壊滅状態にあったが、“破産手続き”の段階だ。

これは憲政浄化の絶好機だ。

1955年以来、日本は1.5大政党制だった。これを55年体制と呼ぶ。政権与党は、ほとんどの期間で自由民主党。野党になった時期をすべて合わせても5年にならない。総理大臣とは、自民党総裁のことであり、自民党の派閥抗争こそが実質的な政治であった。そして政策は官僚の下請けで良しとしてきた。

一方の野党第一党は、社会党、民主党、民進党、立憲民主党、そして中道。見事なまでにパヨク政党が占めてきた。二つ目の選択肢たりえないので0.5党である。

一時的に新進党が野党第一党を占めたが、すぐに空中分解。希望の党も国政進出すらならなかった。

結党当時、自民党の消費期限は20年と言われた。実際に20年で切れた。その後は残骸である。二つ目の選択肢があまりにも酷すぎたので、消去法で生き残ってきたにすぎない。

最近でも皇室典範が「5年も時間があって、この程度の法案しか作れないのか」と批判されたが、それでも「野田佳彦よりはマシ。野田の言う通りにしたら皇室が亡ぶ」で押し切った。確かに野田元首相の言う通りにしたら皇室が亡ぶ。しかし、「野田よりマシ」な政治で我慢しなければならないのか?

つまり、マトモな選択肢が一つしかないと、無限大に腐敗して、遂にはゼロとなるのである。

◆一つしかないとファシズムつまり一国一党である

最近、「高市さんを信じてついていきさえすればいい。高市さんの悪口を言う奴の悪口を言っていれば幸せになれる」との風潮がある。安倍晋三内閣でもそういう傾向があったが、それが高市早苗に代わっただけの二番煎じだ。

そういう連中に「じゃあ、ファシズムやるか?」と聞いたら、「そこまでは」と怯む。そんなに高市自民党の批判を許さないなら、批判されないだけの立派なファシズムをやれば良いのに、そんな度胸はない。そもそもファシズムの意味、わかっていないようだ。何となく、「悪い奴」くらいの理解で。

ここで有権者は選挙をやる意味を考えた方がいい。選挙をやるからには、最低限二つ以上の選択肢が必要だ。三つ以上あっても良いが、それ以上に大事なのは、二つ目の選択肢である。一つしかないとファシズムつまり一国一党である。中国共産党や朝鮮労働党が典型的なファシズムである。

ちなみに、中国や北朝鮮にも野党がある。役割は、与党に協力すること。これでは、野党ではない。

自民党も疑似ファシズムと呼ばれる。一党優位で選挙を何回やっても、必ず勝つ。そして野党が自民党の政権運営に協力的だからだ。

安倍内閣以来、自民党は維新と国民を「分割統治」してきた。1.5大政党制が「保守っぽい自民党vs.パヨク政党」の構図で不毛な対立を繰り広げ、維新か国民のどちらかを味方につけた自民が国会運営を乗り切る、を繰り返してきた。

◆やっとマトモな二つ目の選択肢が出現する絶好機

そうした構図が、ほぼ崩れた。維新は与党になった。それよりも、中道が分裂により、野党第一党を明け渡すのが確実である。中道衆議院議員の内、公明党出身議員28人は公明党に帰る。副議長は党籍離脱中なので、27人。立民出身21人の動向は定かではない。よって、国民民主党28人が野党第一党になる。

ここで国民民主党までが自民党に媚びるようなら、それこそファシズムだ。有権者がそれを選ぶなら、もはや手の打ちようがない。自民対国民の対決は必然だ。むしろ必然でなければならない。

数の上では、衆議院で自民316と維新36の与党に対し、国民28。圧倒的だ。だからこそ、玉木雄一郎代表と国民民主党には、「質における二大政党制を」と求めたい。

とかく毀誉褒貶(きよほうへん)が激しい玉木代表。しかし、比較してみよ。小沢一郎の新進党。小池百合子の希望の党。玉木雄一郎の国民民主党。この三つの中で、どれが最もマトモな選択肢か。

今こそ、質においては、「陛下の野党」を有権者が持てる、やっとマトモな二つ目の選択肢が出現する絶好機だ。

◆日本の政治は参議院で決まる

数は、選挙で有権者が決めれば良い。しかし、質において二つ以上の政党がマトモでいてくれなければ、投票のしようがない。だからこの50年以上、最大党派が無党派であり続け、政治そのものへの不信と絶望が蔓延してきたのだ。

しかし、有権者は気づき始めた。官僚の下請け政党とパヨク政党の1.5大政党制だと、自由を脅かされ、財産をむしり取られるだけだと。特にこの30年、日本は景気回復一つできなかった。有権者は無能に嫌気がさしている。

高市首相も史上初の消費減税を成し遂げたのは功績だ。しかし、「野田さんも認めるから」と飛び出した「食料品のみ2年間限定で0%」から、さらに妥協を強いられた。いったい、何の為の絶対多数か。

再来年に参議院選挙がある。この選挙で自民党は、86議席を獲らねば、どこかの党と連立を組まねばならない。自民党の非改選が39議席だからだ。連立与党の維新は19。内、非改選が12。与党で74議席を獲れねば、与党で連立を拡大せねばならない。維新が7議席を維持した上で、67議席。かなり不可能に近い。小選挙区制の衆議院と違い、参議院では大勝が起きにくいので。

仮に過半数を維持できねば、自民党は何としてでも多数を維持しようとするだろうが、その時に野党第一党が、パヨクではなく、マトモな政党であることが肝要だ。

日本の政治は参議院で決まる。かつて自民党は郵政選挙で大勝したが、その前後の参議院選挙で2連敗したので政権を失った。その自民党を倒した民主党も、参議院選挙でねじれ国会に追い込まれたので、政権を失った。

今こそ、1.5大政党制と決別の時だ。

―[言論ストロングスタイル]―

【倉山 満】
憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。トランプ再来で揺れる世界を見通すための新章を追加したベストセラー『増補版 嘘だらけの日米近現代史』(扶桑社新書)が発売中

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  • 相手を困らせ救い上げるが政治家のやり方なら政治や海外の手を借り問題を起こすだろう。親の身になり子が迷い困って政治が動く体制。唯々需要供給重視で無茶までする政治体制。色々あるけど(・・)
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