
カーリングシーズンの幕開けを告げる北海道ツアー4大会が道内各地で行われた。
今季(2026−2027シーズン)は2030年のフランスアルプス五輪に向けた、新たな4年の始まりとなるシーズンということもあり、北海道ツアーでも各チームに動きが見られた。
たとえば、今年2月に開催されたミラノ・コルティナ五輪の代表だったフォルティウスは、スキップの吉村紗也香が現役を引退。これまでフィフスを務めることが多かった小林未奈がそのポジションを継いだ。
また、3月に行われた世界選手権の代表だったロコ・ソラーレは、およそ12年間在籍していたサードの吉田知那美がチームを離れ、近年はフィフスでのスポット参戦が続いていた松澤弥子が正式に加入。吉田知の穴は、そのまま松澤が埋める形となった。
こうして各チームが新陣容でのスタートを切るなか、一躍脚光を浴びた若いチームがある。札幌協会所属のS-Leapだ。
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メンバーは、北海高校2年の鈴木琴音(フォース)、北海道教育大学岩見沢1年の田中萌珈(サード)、札幌清田高校2年の中尾美波(セカンド)、札幌平岡高校3年の橋本明奏里(リード)、そしてふだんは札幌国際大学でもプレーしている同大学2年の池田葉南(フィフス)。平均年齢18歳のチームで、昨季(2025−2026シーズン)は日本ジュニア選手権で優勝し、今季はジュニアの日本代表として来年2月にスコットランド・アバディーンで開催される世界ジュニア選手権に出場予定だ。
その若きチームが北海道ツアーで大いに躍動した。ツアー初戦のどうぎんクラシック(札幌市)では「札幌(S)から羽ばたく(Leap)」というチーム名の由来どおり、ロコ・ソラーレやフォルティウスを破って準優勝。続く稚内みどりチャレンジカップ(稚内市)では6月の日本選手権を制したSC軽井沢クラブを下し、ツアー最終戦のアルゴグラフィックスカップ(北見市)では国内上位の中部電力から白星を挙げた。
「正直、今回のツアーで(国内を代表する)"大物"から1勝くらいできるといいな、というイメージでした」
そう語ったのは、2021年の結成以来、チームを見守ってきた加藤智コーチ。だが、ジュニアの頂点に立った彼女たちは"大物"相手にも臆することなく、ハウスに石をためる攻撃的なカーリングで撃ち合って、立て続けに"大物食い"を果たした。
チームのよさについて、「負けている試合でもコミュニケーションをとって、次のエンドで得点できるように、チーム全体で意識している」と語るのは、フォースを担う鈴木。実際、その言葉どおりスコアの動かし方は派手だった。ツアー3大会に出場して14試合を戦ったが、ハンマー(後攻)を持ったエンドではブランクエンドを除くと、5割以上の確率で複数得点を記録していた。
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通常、ジュニアのカーリングではリスクを嫌って、エンドの序盤から速いウエイトによるテイクが目立つ傾向がある。しかし、彼女たちはハーフウエイト、ソフトウエイトのショットを織り交ぜて、コールとスイープを駆使して石を運んだ。そして、随所で光っていたのが、その石をハウス内に効果的に残す好ショットだった。
チームはこのあと、9月17日から始まる軽井沢国際カーリング(長野県)に出場。秋には初のカナダ遠征が控えている。
高校生の鈴木や橋本は、海外に行くこと自体が初めて。鈴木は「大会も楽しみですけれど、カナダのいい景色を見るのも楽しみです」と言って笑顔を見せた。
アイスを離れれば、まだあどけなさが残る女子高生と女子大生。試合のない時間帯には、「今日は朝活としてヨガをやりました。あとは、K-POPのダンスとかしたりしている」(鈴木)という。
それでも、将来の目標を聞くと、鈴木は「オリンピックで金メダルを獲ることです」と即答。「(北海道ツアーでは)強豪のチームに接戦で勝てたのは自信になりました」と、今後のさらなる飛躍を誓った。
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先にも触れたとおり、今季は世界ジュニア選手権に出場するため、横浜BUNTAIで行われる日本選手権(2027年2月)には出場できないが、近い将来、国内のトップ争いに間違いなく加わってくるチームだ。
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竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Soichiro Takeda