家の駐車場を“一面の”砂利やアスファルトにしてはいけないワケ。「タイヤ痕が残らない」駐車場の作り方とは?/注文住宅で「不満」を感じるポイントは何なのか調べてみた

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2026年09月20日 09:20  日刊SPA!

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※画像は生成AIによるイメージです
家の駐車場、どんな地面にするか考えたことはありますか。砂利かコンクリートか。多くの人は、あまり深く考えずに決めているかもしれません。
国土交通省の令和7年度住宅市場動向調査によると、注文住宅を建てた世帯が「満足していない」と答えた項目の1位は「価格(予定より高くなった)」で36.1%。分譲住宅や中古住宅を買った人はいずれも「特になし」が1位なのに、注文住宅だけは価格への不満が「特になし」(32.9%)を上回っています。自由に決められるぶん、あれもこれもと積み上がっていくのでしょう。

そして、そのしわ寄せがいきやすいのが、いちばん最後の工程である外構です。とりあえず一面を砂利で敷き詰める、あるいは全面をコンクリートで固めてしまう。予算の都合でそうなった駐車場は、決して珍しくありません。

今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ人気コラムから、住宅系YouTuberの押村知也さんによる「やってはいけない駐車場」の話。記事の後半では、いま注文住宅を建てる人がどれくらいいるのか、その数字もあわせてご紹介します。

* * *

今、住宅系のYouTube界隈を騒がせている男がいる。動画チャンネル『ジュータクギャング』の押村知也だ。設計から建築、インテリアコーディネイトに至るまで住宅に関するすべてをこなす住宅のスペシャリスト「住空間クリエイター」である。歯に衣着せぬ彼の発言は、わかりやすくて痛快。『ジュータクギャング』は、更新のたびに視聴者の心をつかみまくっている。

そんな押村は、「外構のポイントは『自然』にあり」と断言する。新築やリノベーションの予定がある方は、ぜひ、参考にしてもらいたい。

建物の周りにあるものを、外構(エクステリア)と呼ぶ。車を停めるスペースや、玄関までのアプローチ、植栽などをイメージしてもらえるといいだろう。外構のイメージを大きく左右するポイントはいくつかあるが、まず、考えるべきは、地面に何を敷くかという問題。現在は、雑草対策もあり、多くの人は砂利やコンクリートを敷き詰めることを選ぶが……。

◆砂利やアスファルトを一面に敷くのはNG

家を建てるとなると、多くの人は建物に予算を集中させてしまうため、後回しになりがちな外構。だが、これらも家屋と同じように経年変化していく大事な資産。もっとも人の目につく場所なので最初からしっかりとした計画を立てておきたい。

「最近、資材の高騰もあって外構の予算を削る方が本当に多い。しかし、外構が見すぼらしいと、いかに建物にお金をかけても意味がありません。まず、ここだけは頑張ってほしいというポイントがあるのでご紹介します。コストが安いからといって全面に砂利を使うのはやめましょう。一面すべて砂利は、駐車すると沈みます。土のうえに砂利を乗せているだけの状態ですから。年月が経てばどうしても沈下します。僕らが砂利を敷く場合は、下に基礎のコンクリートを打ちますが、そこまでやると結果、高くつく。であれば、別の材質を選んだほうがいいでしょう」

砂利に次いで費用がかからないのは、アスファルトだ。

「たまにガレージの下に使っている人を見かけますが、下地に何もしなかったら穴が開きます。国がメンテナンスしている道路ですら穴が開きますから。また夏場は蓄熱してものすごく暑くなるので、アスファルトはなしです」

続く素材がコンクリート、インターロッキング、タイル、天然石などだ。

「コンクリートは汚くなるのが最大の弱点です。気になるのはタイヤ痕。黒いタイヤの痕が何本も残った駐車スペースはよく見かけます。雨だれも目立ちますね。インターロッキングというのは、レンガ調のコンクリートブロックのことで、よく歩道などに使われています。使い続けると、凹んだり欠けたりしますし、見た目が人工的な感じがするので、僕はあまり好みではありません。タイルは最初がキレイですが、清掃性は少し劣ります。天然石や自然石は、いい石を手に入れられるルートがあるならオススメ。費用はかかりますが、玄関までのアプローチなどに使うと美しい雰囲気がでます」

◆組み合わせながら、自然に寄せる。ヴィンテージの風合いを出す

ここまで欠点のある素材のほうが多かったが、結局、何がお勧めなのだろうか。

「僕がいま出している正解の一つは、組み合わせることと、自然に寄せることで、ヴィンテージ感を出すことです。前者の組み合わせというのは、メインをひとつに決めるのではなく、コンクリートと天然石、それにヴィンテージレンガの3種類を組み合わせる手法を指します。ヴィンテージレンガというのは、先ほどのインターロッキングとは違い、わざとバラつきを持たせた、自然に近いレンガ素材です。組み合わせることによって、質感の違いなどを見せます」

後者の自然に寄せるとは?

「例えば、コンクリートの打ちっぱなしは、四角く区切るのではなく、丸く曲線にして、目地には芝生や砂利を入れます。なぜ曲線なのかというと、自然界には人工的な直線は存在しません。外構はあくまで『外』なので、自然に近づけたいからです。目地も自然に近いものがいい。また、タイヤ痕を減らすにはコツがあって、まずキレイな表面をつくってからわざわざ流して仕上げます。表面をザラつかせることによって凸凹をつくり摩擦を減らすわけです。するとタイヤが全面に当たらないので、タイヤ痕は残らなくなります。ヴィンテージレンガも、施工時に大きさを割ったり高さを変えたりと、手間を加えて自然に近づけていきます。そう考えると天然石は言わずもがなです。そうやってつくり上げた外構は、最初からすでにある程度の風合い、ヴィンテージ感があり、なおかつ使えば使うほど味が出てくる。経年劣化ではなく、『経年美化』の外構というわけです」

外構は自然に近いほうがいい、というのは納得である。

〈取材・文/ツクイヨシヒサ〉

* * *

◆■10年後にいちばん味が出る場所

国土交通省の建築着工統計によると、2025年に着工した注文住宅(持家)は20万1285戸。前年比7.7%減で、4年連続の減少でした。マイホームを一から建てる人は、この数年で着実に減ってきました。

その一戸を、押村さんは「経年美化」という言葉で語っていました。素材が混ざり、緑が入り、線が動いていれば、同じ10年でも「劣化」ではなく「味」の側に振れる。一面の砂利や一面のコンクリートには、その余白がありません。

家の中の設備は、10年経てば確実に古くなります。けれど外構は、10年経ってようやく完成に近づく場所でもある。言われてみれば、帰宅したときに最初に目に入るのも、玄関までのその数メートルなのかもしれません。

<再構成/日刊SPA!編集部>

【押村知也】
(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた』

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