
9月20日(日)の放送テーマは、「“伝える”をもっと豊かに! 手話は言語です」。内閣府の共生・共助担当の谷澤有紀(たにざわ・ゆき)さんとコンサート手話通訳の長谷川恵美理(はせがわ・えみり)さんをゲストにお迎えして、手話の成り立ちや、コンサート手話通訳について話を伺いました。
(左から)松井玲奈、長谷川恵美理さん、谷澤有紀さん、杉浦太陽
◆舞台と客席をつなぐ手話の力
手話は、手や指、体の動き、表情などを使ってコミュニケーションを取る、耳がきこえない方、きこえにくい方にとって大切な言語です。
日常の会話だけではなく、近年は舞台やコンサートなど、さまざまな場面で手話通訳付きの公演がおこなわれています。聴覚障害のあるお客さまにも作品を楽しんでもらえるよう、客席エリアの前方に手話通訳者が立って役者のセリフを手話で伝えます。
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最後の舞台挨拶では出演者全員が手話で感謝を伝え、終演後には実際に手話で感想を語り合うお客さまの姿もあったといいます。また、作品に登場する特殊な言葉については、事前にSNSで手話を公開して知ってもらう取り組みがおこなわれています。こうした工夫によって、舞台と客席が一体となって作品を楽しむような空気が生まれています。
◆手話は国ごとに違う!?
日本では、2011年に改正された障害者基本法で、初めて手話が「言語」として法律上位置づけられました。2025年には手話施策推進法が成立しました。この法律について、谷澤さんは「手話を使う人や手話を必要とする人の意思を尊重し、きこえない子どもや大人、その家族などが、手話を学んだり、手話で学んだり、手話を使って生活したりする社会をつくるための法律です。手話への国民の理解を広げたり、手話を使いやすい環境を整えたり、手話による文化を守り育てていくことを目指しています」と説明します。
実は、英語やフランス語があるように、手話も国ごとに異なります。例えば「ありがとう」と伝える際、日本手話では手刀を切る動作が由来とされていますが、アメリカ手話では投げキッスの動作が由来とされています。
そのため、日本人とアメリカ人が自国の手話だけで会話しても簡単には通じません。長谷川さんも、「海外の皆さんと食事をしたときに、伝わらない場合は、翻訳アプリなども使いながら、お互いに工夫してコミュニケーションを取っていました」と語ります。また、手話では文法や単語だけでなく、手の形や体の動き、表情なども大切な意味を持つため、「見えやすいように工夫する」ことも大切だといいます。
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そんな手話を音楽の場で届けているのが、長谷川さんが携わるコンサート手話通訳です。「私は、アーティストの思いに手話を乗せて視覚化して伝えるのが、コンサート手話通訳の役割だと思っています」と解説します。
たとえ音楽がきこえなかったとしても、体に伝わる音の振動を感じたり、ステージの華やかさやダンスなど、聴覚以外のさまざまな感覚を使って世界観を楽しんでいます。コンサート手話通訳は、そのような方々のために、楽しみを広げる役割を担っています。
長谷川さんは公演中の立ち居振る舞いについて、「会場やステージの構成によって変わりますが、日本ではステージの一部として自然に溶け込むような立ち位置で通訳することが多いです。主役はアーティストなので、通訳が目立つのではなく、きこえない方やきこえにくい方が、自然にステージ全体を楽しめるような表現や立ち位置を心がけています」と語ります。
また、コンサート手話通訳はニュース番組での手話通訳とも違いがあるとし、「ニュースなどの手話通訳は、話された内容を正確に伝えることが大切です。一方、コンサート手話通訳では、一つひとつの言葉だけでなく、曲全体に込められた思いや世界観を大切にしています。ですので、楽曲のイメージに合わせて、手だけでなく表情や体の向き、動きのスピードなども工夫しながら、より豊かに伝えることを意識しています」と解説します。
◆手話への理解を広げる取り組み
通常のライブやコンサートは約2時間に及ぶため、そのあいだずっと手話で伝え続けるには体力と集中力が求められます。途中で通訳者が交代する場合もありますが、手話通訳者の人材が少ないうえ、コンサート手話通訳ができる人はさらに限られており、複数の通訳者を確保することは簡単ではありません。
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その一環が、9月23日の「手話の日」です。その理由について、谷澤さんは「世界ろう連盟が設立された日として国連が9月23日を『手話言語の国際デー』と定めたため、日本でも手話施策推進法によって制定されました。同日は、シンボルカラーのブルーライトアップなどのイベントを開催している聴覚障害者団体や市町村などがあります」と紹介します。
今年9月23日(水・祝)は、長谷川さんも参加する「手話ふれあいフェスタ」のオンラインシンポジウム(テーマ「手話のある風景を、日常へ」)が開催されます。また10月9日(金)、10日(土)には、障がいのある人とない人がともにつくり、ともに楽しみながら交流するイベント「ともともフェスタ2026」も予定されています。アーティストによるステージパフォーマンスなど、さまざまな催しがおこなわれます。
最後に、長谷川さんは「手話は、必要とする方々にとって大切な『言語』です。今回のお話をきっかけに、手話に少しでも興味を持ち、必要としている人が身近にいることにも思いを寄せていただけたらうれしいです。一人ひとりの理解の輪が広がることで、手話が当たり前にある社会につながっていくと信じています」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と松井が今回学んだ「手話」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず松井は“日常にもエンタメにも手話があふれる世界に”とスケッチブックに書きました。続いて、杉浦は“手話は言語”と注目ポイントを挙げ、「手話について詳しく知りたい方は、内閣府のWebサイトをご覧ください。長谷川さんが参加するオンラインシンポジウムもこちらで確認できます」とコメントしました。

(左から)松井玲奈、杉浦太陽
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30〜7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、松井玲奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
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