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「シニア」と聞いて、どんな姿が浮かぶだろう。
夫婦で旅行する。公園を散歩する。ゴルフを楽しむ。孫を囲んで笑う。服装はベージュやグレーなど、ちょっと落ち着いた色合い――。こうした「昔ながらのシニア像」が、少しずつ変化している。
写真・イラスト・動画・音楽素材のマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」を運営するピクスタ(東京都渋谷区)が、2006年5月から2026年6月までの20年間にわたる画像・動画の販売データや検索キーワードを分析したところ、シニアをめぐるビジュアルに大きな変化が見えてきた。
2006〜10年ごろに売れ筋だったのは、家族や夫婦の一員として登場するシニアだ。公園を歩く夫婦、孫と過ごす三世代家族、ゴルフを楽しむ高齢者など、「幸せな老後」をイメージさせる写真が中心だった。
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背景には、2007〜08年にかけて本格化した団塊世代の定年退職がある。「団塊の世代」「定年退職」「シニアマーケット」「悠々自適」といった言葉が検索され、旅行や保険、住宅などの広告で使われることが多かったという。
2011〜20年は大きな変化が少なく、「アクティブシニア」という言葉が広がったものの、ウォーキングやゴルフ、ガーデニングなど、余暇を楽しむ姿が引き続き中心だった。
ところが、2021年以降になると様子が変わる。スマホやPCを使う姿、職場で働く姿、ヨガやボウリングを楽しむ姿などが売れ筋に加わった。家族と一緒にいる姿だけでなく、一人の個人として写る素材も増えているのだ。
●検索データにも変化
検索データにも変化が表れている。「家族」というキーワードは、2014年の11位から2024年には47位へと順位を下げた。一方、「シニア同士」「高齢者だけ」など、シニアだけが写る写真を求める検索も増えている。
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こうした検索傾向について、ピクスタは「シニアの家族に向けて訴求する時代から、シニア自身をマーケティングのターゲットとして捉える時代へと変わってきている」と指摘。
さらに、「おじいちゃん」の検索は、シニア関連の検索1000回当たり10回から18回、「おばあちゃん」は14回から29回に増加した。単に「高齢者」というくくりではなく、より具体的な人物像を想定して素材を探す動きがうかがえる。
服装も変わった。以前はベージュやグレーなど落ち着いた色合いが多かったが、いまは鮮やかでスタイリッシュな服装が目立つ。「グレイヘア」を隠すのではなく、おしゃれの一部として見せる写真も売れ筋になっているという。
介護の描写にも変化がある。かつては「優しさ・柔らかさ」を前面に出した写真が多かったが、いまは「明るさ・清潔感・前向きさ」を打ち出した写真が増えている。
●シニアとはどんな人か
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こうした変化について、ピクスタは「定年後に老後の生活を始めるのが一般的だった時代から、現在は定年後も仕事や趣味を通じて社会と関わり続ける時代になったことが背景にある」という。
企業にとっても、これは単なる写真の流行ではない。これまでシニア向けの商品やサービスでは、「夫婦」「家族」「旅行」「介護」といった分かりやすいテーマから人物像を設定するケースが少なくなかった。しかし、仕事を続ける人もいれば、学び直す人、スポーツを楽しむ人、一人の時間を大切にする人もいる。
ピクスタは「そもそも『シニア』というひとつのくくりで捉えること自体が、昔のようには機能しなくなってきている。ライフスタイルも必要なものも多様化している以上、マーケティングの手法も一様ではなく、多様化させていく必要がある」と指摘する。
20年間で変わったのは、写真そのものだけではない。企業やメディアが「シニアとはどんな人か」を捉える視点も、変わりつつあるようだ。
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画像データで分かった今の高齢者(写真:ITmedia ビジネスオンライン)28

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