なぜ「広告を見ると水」なのか? 東京・上野に登場した不思議な自販機

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2026年09月30日 07:31  ITmedia ビジネスオンライン

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ちょっと変わった自販機が登場

 広告を見ると、水がもらえる。そんな自動販売機が、東京の上野に登場しました。


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 「ADWATER(アドウォーター)」というサービスで、9月21日から本格稼働しています。上野のカラオケ館前に設置し、約15秒の動画広告を最後まで視聴した人に、岐阜県高山市の天然ミネラルウオーター420ミリリットルを1本提供しています。会員登録やアプリ、決済を必要としないのが特徴です。


 広告を視聴してもらう代わりに、水を提供する。考えてみれば、ずいぶん分かりやすい仕組みです。


 開発したのは、スタートアップのGenectBox(ジェネクトボックス、東京都港区)。社長の長坂基史さんが、このサービスを考えたきっかけも、広告への違和感だったそうです。


 広告は、ときに一方的に見せられるものです。だったら、広告を見た人に何か価値を還元できないか。そこで考えたのが「水」でした。誰にとっても使い道があり、もらって困る人も少ないからです。


 実際に約1000人にアンケートを取ったところ、「広告を見ると水がもらえるなら利用したい」と答えた人は88%。この結果を見て、事業化に踏み切りました。


 とはいえ、サービスを始めるまでには大きな壁がありました。「自販機を数台だけつくってほしい」とメーカーに相談しても、自販機は通常、1000台、1万台といった大量発注が求められます。数台だけの製造を引き受けてくれるメーカーは、なかなか見つかりませんでした。


 何十社も当たった末、ADWATERの構想と将来性を熱心に説明したことで、少ない台数から製造してくれるメーカーが見つかったといいます。


●企業と消費者の関係


 そして、いざ始めてみると、今度は別の課題が見えてきました。


 本稼働から4日間で、水は「計502本」配られました。1日目(祝日)は68本、2日目(祝日)は209本、3日目(祝日)は88本、4日目(平日)は137本です。


 1日目と3日目は祝日なのに、なぜ利用が少なかったのか。理由の一つが天候です。この2日間は、台風や雨の影響を受けました。利用数は天候に左右されるため、天気予報を見ながら、水を補充する量を調整する必要があります。


 また、同じ人が何度も利用する可能性もあります。利用者が一部の人に偏ると、広告を見てもらえる人の数が限られてしまいます。そのため、より多くの人に広告を見てもらうための仕組みも検討しているそうです。


 このサービスには、利用者を増やすほどコストが膨らむという課題もあります。現在のスポンサー料金は、1枠月80万円の固定制。水を配る本数が増えれば、その分だけGenectBoxの負担も大きくなります。


 そこで同社は今後、水を配った本数に応じて広告費を受け取る「成果報酬型」への変更を検討しています。広告を見る人が増えるほど、広告主にも運営側にもメリットが生まれる仕組みです。


 もう1つ、気になる話があります。長坂さんは、ADWATERをむやみに増やすつもりはないそうです。


 「無料でもらえるのが当たり前になれば、感謝が生まれない」(長坂さん)


 広告は、これまで「見てもらう」ことが基本でした。ADWATERは、そこに「見る理由」を加えています。自販機から出てくるのは水。でも広告主がほしいのは、15秒の注目。そう考えると、水を配る自販機に見えて、実は売っているのは「15秒」なのです。


(土肥義則)



このニュースに関するつぶやき

  • アドセンスの1クリック単価は高いものだと1000円超えるので、1本100円未満の水で「15秒」の広告見てもらえるのなら採算が合うんじゃない?データも取れるし。これ、1歩進んで水のボトルに広告貼るのも認知効果あるかもね
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