ソフトバンクのモバイル事業20年を振り返る ボーダフォン買収からiPhone導入、次世代のネットワークまで

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2026年10月02日 11:31  ITmedia Mobile

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ソフトバンクが2006年のブランド始動から進めてきたネットワーク進化の歴史を示す年表で、iPhone発売やプラチナバンド開始、AI-RAN設立までの歩みが一目で分かるようになっている

 10月1日、ソフトバンクは「モバイル事業20周年のネットワークの歩みと今後の展開に関する記者説明会」を開催した。同社技術統括 モバイルネットワーク本部 本部長の長野哲也氏が登壇し、2006年10月1日のブランド変更から20年間にわたる移動体通信ネットワークの進化と、AI時代に向けた今後の展望を語った。


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 2006年に「ボーダフォン」から「ソフトバンク」へとブランドを刷新してスタートしたモバイル事業は、日本の通信市場に構造変化をもたらした。後発事業者としてのハンディキャップを背負いながらも、同社はモバイルインターネット革命を掲げ、急速なインフラ整備、日本初の「iPhone 3G」導入、悲願の「プラチナバンド」獲得、そしてAIと通信を融合させる次世代ネットワークの構築へと突き進んだ。


 そこで、この20年間にわたる同社の戦略的歩みと技術的イノベーション、そして同社が目指す将来像について、説明会の内容と歴史を交えて解説する。


●ボーダフォン買収でモバイル参入 1.7兆円の決断と対等な条件の追求


 ソフトバンクの移動体通信事業は、厳しい試練から始まった。2004年の800MHz帯割り当て調整で周波数を得られず、翌2005年に1.7GHz帯の認定を受けた同社は、当初自前の基地局建設による新規参入を計画した。しかし、自前でのインフラ構築にかかる時間と市場展開の速度を考慮した同社は、2006年に大きな経営判断を下した。それが、英国ボーダフォンの日本法人を89億ポンド(当時約1兆7500億円)で手に入れるという世紀の買収だった。


 2006年3月に開催したボーダフォン買収に関する記者会見において、新規参入から買収へと方針を切り替えた理由を記者から問われた創業者の孫正義社長は、「以前から、あらゆる可能性を検討するということは繰り返し述べていた」とし、既存事業者との公平性について「新規事業者でないからという理由で返上する必要があるなら、われわれは既存事業者としてのイコールフッティング(対等な競争条件)を要求していくことになる」(同)と強く主張していた。NTTドコモやKDDIといった既存事業者に対して対等な競争基盤を最短で確保する狙いがあった。


 買収当時のソフトバンクが手にしたネットワーク資源は決して十分ではなかった。「保有周波数は1.5GHz帯と2.1GHz帯にとどまり、建物内や影に強いとされるプラチナバンドを持っていなかった。基地局数も約1万6000局と、現在の約35万局に対してわずか5%程度だった」(長野氏)。しかし、約1500万人という既存顧客基盤と設備を一括取得したことで、同社は通信市場における対等な挑戦権を即座に手に入れた。


●モバイルインターネット革命の幕開け 「iPhone 3G」で生活に変化


 ソフトバンクの歩みにおいて最大の転換点となった出来事が、2008年7月11日のiPhone 3G日本国内独占発売だった。表参道の旗艦店前には発売を待ちわびる大勢のユーザーが列を作り、いわばお祭りごとのように大きく報じられた。


 それまでの日本の携帯電話市場では、フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)による音声通話やキャリアメールが中心だった。しかし、iPhone 3Gの登場により、大きな画面を指先で操作し、フルブラウザでWebサイトを閲覧し、地図アプリを活用し、音楽や動画を楽しむというスタイルが定着した。PCで行っていた作業が掌の中で可能になり、日本のモバイル文化は不可逆的な変化を遂げたといえる。


 iPhoneの到来や対応アプリの増加を契機に他社も対抗するようになり、Androidを含むスマートフォンが普及し、同社の通信インフラに対して前例のない通信トラフィックの増加をもたらした。


●接続品質の克服 電波改善宣言と900MHz帯プラチナバンド獲得


 スマートフォンの爆発的普及に伴いデータ通信量が激増し、都市部を中心にソフトバンクはつながりにくいという評価が定着する課題が存在していた。この危機に対し、同社は2010年3月に「電波改善宣言」を発表した。経営資源を集中投下し、大規模なインフラ増強へと乗り出した。


 同社は基地局数を短期間で大幅に増やす計画を実行した。傘下に収めた「ウィルコム」が所有していた約16万局の基地局ロケーションを活用するとともに、無線機の小型化・軽量化を推進した。メーカーと共同開発を行い、従来と比べて体積を25分の1、重量を20分の1に削減しながら、送信出力を2倍に高める技術革新を成し遂げた。また伝送路のIP化を進めることで、低コストで大容量トラフィックを処理する体制を構築した。


 そして2012年3月、ソフトバンクにとって6年越しの悲願だった900MHz帯のプラチナバンド割当が決定。900MHz帯は電波が障害物を回り込みやすく、屋内や山間部まで届きやすい物理的特性を持つ。割当を受けた同社は7月25日のサービス開始以降、急速な勢いで基地局を開設した。計画を上回るペースで建設を進め、サービス開始からわずか9カ月で2万局のプラチナバンド基地局を設置した。


●「Massive MIMO」を世界で初めて商用導入


 プラチナバンドの獲得によってカバーエリアを改善した同社は、増大する通信トラフィックに対応するため、「イー・アクセス」やウィルコムの合併を通じた周波数の統合を進めた。仕様が異なるネットワークを一体化させる技術的難易度は高かったが、700MHz、900MHz、1.5GHz、1.7GHz、2.1GHz、2.5GHz、3.5GHzといった複数の周波数帯を束ねる高度な構成を確立した。2016年には空間多重で通信容量を高める「Massive MIMO」を世界で初めて商用導入した。


 特殊な利用環境における通信品質の確保にも取り組んだ。例えば、厳しい景観保護条例が存在する京都の「清水寺」周辺で通信速度が低下する課題に対し、同社は景観に配慮した高さ14.9メートルのダークブラウン色の基地局タワーを設置した。文化財の景観を保ちながら観光客の通信速度を飛躍的に向上させた事例は、同社の柔軟な現場対応力を示している。


●5G SAの本格展開と社会インフラへの進化


 4G時代を経てインフラを強化した同社は、5G領域でも先行してエリア展開を進めた。人口カバー率90%超を早期に達成した同社は、コアネットワークまで5G専用設備で構成する「5G SA」方式の全国展開を本格化させた。


 同社は単なるスマートフォン向けの高速通信の提供にとどまらず、あらゆる産業のデジタル化を推進し、次世代の社会インフラとしての役割を果たす成長戦略を描いた。2022年末までに全国的な5Gエリア展開を完了させたことで、自動運転車やIoTデバイスといった多様な機器が、全国どこでも同一の仕様で高度な通信サービスを利用できる基盤を確立した。他社に先駆けた5Gネットワークの構築は、産業全体のデジタルトランスフォーメーションを支える上で重要なアドバンテージをもたらしたといえる。


 5G SAの普及に伴い、用途に応じた優先通信を提供する「Fast Access」を2026年6月に開始した。「F1日本グランプリ」などの大規模イベント会場では、映像伝送やキャッシュレス決済の通信を分離・最適化して快適な環境を提供している。


 さらに同社は2026年9月29日から、端末画面上のキャリア表示をSoftBank 5G SAへ変更する取り組みを開始した。2026年10月1日の記者説明会において、この狙いについて長野哲也本部長は、「ネットワークロゴによってSoftBank 5G SAという表示を見ることで、より良い体験ができると視覚的にもご理解いただきたい」ためだと語る。高品質な通信をユーザーに実感させる視覚的工夫といえ、5G SAのエリア拡大に対する同社の自信の表れでもある。


●AI時代に向けた次世代ネットワークとは 上り通信強化とAI-RANの挑戦


 5Gの次はAI時代という見方は強い。ソフトバンクに限らずだ。AI時代におけるネットワークの変革も同社はグループ全体として「Activate AI for Society」という方針を掲げており、通信インフラの進化を進めている。


 AI時代の到来により、通信トラフィックの構造が変化しつつある。従来のスマートフォン主導の環境ではサーバから端末へ流れる下り通信が90%を占めていた。しかし、今後はロボティクスやAR・XR、生成AI対応端末の普及により、端末からクラウドへ送信する上り通信の需要が激増し、上り比率が30%から70%へと拡大すると予測されている。


 この変化に対し、同社は送信出力を高める「HPUE」や、上り帯域を瞬時に切り替える「Uplink Tx Switching」技術を導入し、上り速度の向上を実現している。さらに、無線アクセスネットワークとAI計算基盤を単一のハードウェアで融合させる「AI-RAN」の開発を進めている。同社は「AI-RANアライアンス」の設立を主導し、基地局にAI推論エンジンを組み込んで通信品質をリアルタイムに制御する実証実験を行っている。また通信ノウハウを学習させた独自モデル「LTM」を活用し、運用や保守の自動化・省人化を目指している。


 長野氏は「20周年は節目ではなくて、次の変革の起点としてこれからもネットワークの進化に挑戦していきたい」と決意を語った。


●いよいよ次世代へ向けた変革期に さらなる展開に期待


 周波数や基地局が不足した状態でスタートしたソフトバンクのモバイル事業は、この20年で通信市場の構造を大きく変えた。ボーダフォン買収、iPhone 3Gの国内独占投入、電波改善宣言とプラチナバンド獲得、そして5G SAやAI-RANへの進化という歩みは、困難な課題を技術と戦略で解決してきた歴史そのものだ。


 生活のあらゆる場面でスマートフォンやデジタルサービスを利用することが当たり前となった背景には、絶え間ないインフラ投資と競争が存在していた。20周年という節目は、過去の成果を確認する機会であると同時に、AIと通信が融合する新たな時代への出発点でもある。通信インフラがAI基盤へと変貌を遂げる中で、同社がどのような体験を創造していくのか、今後の展開から目が離せない。



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  • 兎に角技術力が低い!ルーターが最悪ですぐ切れて再接続を繰り返し、メッシュWi-Fiも糞で繋がらねえ!、解約したくても解約料が高すぎ、高速度プランに切り替えろと電話攻撃が激しい!。
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