
まもなく始まる臨時国会。焦点は、消費税の引き下げと、物価高への対応です。news23は、片山さつき財務大臣に単独インタビューを行いました。円安や金融政策をめぐって「政府内で統一が図られている」と話したほか、消費税減税に伴う「便乗値上げ」には、週明けにも対策を取る考えを明らかにしました。
【写真で見る】「これは早苗総理が本当にやりたかったこと」単独インタビューを受ける片山さつき財務大臣
片山財務大臣に聞く“円安”と“日米協調介入”藤森祥平キャスター
「まずは円安について伺います。各国の物価・通貨の実力を示す『ビッグマック指数』を海外と比べますと、日本はアメリカと2倍、スイスとも3倍近い差をつけられている現状です」
片山さつき 財務大臣
「私たちは、立場的に為替について色々なお話をします。水準を想起させるようなことは立場上言えないんですが、この間、トランプ大統領と高市総理のニューヨークでの会談で、トランプ大統領から『アメリカから見て貿易がやりにくい』と。そして、高市総理からは『円の過小評価は良くない』ということで一致したので、認識としては、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)通りの相場ではないということは両首脳が認識しています」
藤森祥平キャスター
「暮らしレベルで考えると、海外旅行は夢のまた夢のような感じになっていますし、留学も厳しいですし、輸入物価も上がって、また厳しい物価高という中で、片山大臣自身が生活の中で円安を強烈に感じることはありますか?」
|
|
|
|
片山さつき 財務大臣
「留学する人の相談で『こんなになるんですよ』とかは、いとまがない。私は現場を歩く時、製造業現場が結構多いんですね。今、アメリカで『トランプ関税』が乗っかっている。そうすると、円が一頃の“超安値”から協調介入後、少し落ち着いてるんですが、それが一頃のように『ガンッと円高になったらきつい』という方もいる」
「立場によってものすごく違う。今は、円安が物価に与える意味でのデメリットを言う形もかなりあるから、(円安が物価に与える)そういった意味も、色々な政策の中には当然入る」
「多方面から見て、ファンダメンタルズを反映していないということと、投機的な動きが強すぎるということ。あるいは、無秩序な、そういうものに対抗するために28年ぶりに(日米)協調介入をしました。その後、日米首脳で話が出た後、9月25日に私とベッセント長官で、それを受ける形で電話会談をして、はっきりその結果も報告したので、これは完全にフォローアップ。両国、本気で取り組んでいるということはご理解いただきたいかなと思います」
為替介入「断固として躊躇しない」 先物市場に変化も藤森祥平キャスター
「改めて、円相場を見ていきますと、高市総理が就任する前は150円までいかないくらいでしたが、そこから上がっていって、協調介入やレートチェックなどをやって、総額で27兆円を超える額を投入しても、結局また160円くらいに迫る勢いになってしまう。この動きは、介入した後も起こりうるという想定はあったんですか?」
片山さつき 財務大臣
「初めのうちは単独介入ではあったんですが、日米の問題について、私(2025年)10月に着任してからずっと話し合いをしていて、これは(日米)両方とも国家として、お互いの国益を背負っているわけだから、両方が一致しないと協調介入はできない。円買い介入は28年ぶりですから、そこまで行くことができたということはひとつ成果だと思う」
|
|
|
|
「これは皆様が後でどう評価されるかということですが、過度なボラティリティ(価格変動の大きさ)、あるいは秩序なき動きなど、いわゆる投機筋が強すぎるので、そういうときには断固として躊躇しないで行動する=介入するということなので、躊躇しないというところまで今来ていて、その状態がこの瞬間でも続いています」
藤森祥平キャスター
「こういった円安基調をそのまま容認しているわけではない、という姿勢でよろしいんですか?」
片山さつき 財務大臣
「それはだいぶ浸透してきたとは思います。先物市場で、いわゆる円売り・ドル買いがすごく立っていた。それがだいぶ解消されてきて、年末に向けての予測が変わってきているので、その見方の変化は起きているかなと」
ただ高市総理は2026年1月、円安について…
高市総理(2026年1月)
「円安でもっと助かっているのが、『外為特会』というのがあるんですが、これの運用、今ホクホク状態です」
|
|
|
|
国が持つ外貨を運用する外為特会が「ホクホク状態」だと発言するなど、マーケットから「円安容認」と受け取られることも。
片山大臣はここ最近も、「高市総理は金融緩和や積極財政でインフレを目指す“リフレ論者”ではない」と、火消しともとれる発言を繰り返していました。
藤森祥平キャスター
「総理の考えも変わってきているということですか?」
片山さつき 財務大臣
「いろんな議論を高市総理としていますが、高市総理は経済理論・経済に対する見方について、『自分を何派だ、何論者だ』として動きが取れなくなることは絶対しない。結構、オーソドックスに慎重なので、(高市総理は)春先ぐらいから『私はリフレ論者じゃないからね』と。『日頃の金融調整は日銀に任せることでしょ』と」
「それを私はベッセント長官とはずっと議論をしていて、何回もこの間に会っている。ただ政府全体として『どう見えるか』というのもある。たとえば政府のランクの高い会議の参加エコノミストがどう書いているとか、そういうことも材料にされたりもするので、最近に至って、政府内で統一が図られている。私もそうして欲しいと思っていますし、だいぶそこが、この数日で変わってきたかなという気はします」
消費税減税 免税事業者・農家などの収益打撃をどう防ぐ?藤森祥平キャスター
「もう一つは、消費税についてです。迫る国会でも注目されているところではあります」
9月の内閣改造で「消費税・支援金法案担当大臣」を兼務することになった片山大臣。
来週始まる臨時国会では、消費減税をめぐる国会答弁を担うことになりますが、焦点の1つになりそうなのが、中小零細事業者や農家などへの影響です。
年間の売り上げが1000万円以下で消費税を納めなくてよい「免税事業者」は、これまで消費税分の8%を売り上げとして受け取っていたため、減税となれば、収益が減ってしまうと指摘されているのです。
藤森祥平キャスター
「消費税を納めなくてもいい農家の方々にとっては、例えば栽培している野菜など、自分たちで値下げすることができると思いますか?」
片山さつき 財務大臣
「『(価格を)引ききれないのではないか』とか、『資金繰りがもたないのではないか』とか、2月〜3月ぐらいからJAのトップの方とかいろんな方が相談に来た。そこについては、一定のルールをちゃんと話し合って決めて、不安を取り去るために、この半年間、慎重に丁寧に検討してきた。私たちの誠意はきっと分かっていただけるかなと思います」
藤森祥平キャスター
「1日、高市総理は民放番組で『税率引き下げ分については基本的に価格に反映されると認識している。(値下げしなければ)店の風評にも関わる』と発言しました」
片山さつき 財務大臣
「農家の皆さんが『風評』のお店であるということはまずなくて、それは仕入れる方の問題なんです」
「量からいくと、他国の例を見ても、スーパーやドラッグストア、コンビニなどが多いんです。その方々ともずいぶん話し合いをしてきて、その方々は『(値段を)4月1日になったらガシっと変えます』と。『(値段を)変えなかったら、変えた方にお客さんみんな行きますから』とハッキリ言っているので、そこに一種のいい意味で、消費者にとっての競争が働いています」
「それは他の国、ヨーロッパで(税率を)下げたときもそういう傾向があって、たとえば『便乗して値上げする』とか、『下げる物を下げない』など、いろんなことが起きうるので、これをやめさせないと、消費者が怒るだろうし、信用が維持できないということで、もう既に全省庁連携して、週明けにもそういう対策はやるつもり」
片山大臣が明かす「早苗総理が本当にやりたかったこと」藤森祥平キャスター
「財源についてですが、これからですよね。ただ、私たちはどこから引っ張り出してくれるんだろうとわからないままです」
片山さつき 財務大臣
「政府の(法案)原案として、高市総理がずっと言ってきたとおり、特例公債(赤字国債)には頼らないんですよ」
「租特(租税特別措置)とか補助金、基金の無駄も言われています。どこをどう(切るか)ということは、予算ができない限り決められないですが、全体的に見て、これぐらいの財源ができるなと思うから我々提言をしている」
補助金や基金の無駄を洗い出すことで、赤字国債に頼らない消費減税を実現する考えです。
片山さつき 財務大臣
「何しろ80年ぶりの予算編成の大改革をしています。補正(予算)に頼らないとか、いろんなところでルールを変えたりしている。これは早苗総理が本当にやりたかったこと。政調会長3年やられて、私もいろいろ議論しました」
「そろそろやり方も合理的に見えるように変えた方がいいから、いい時期だと思うんですよね。それをやらなきゃいけない分、慣れていない部分があります。でもそこもできるだけスピードを持ってやっていければなとは思っております」
「円安容認せず」市場の評価は上村彩子キャスター:
インタビューで片山大臣は改めて、「高市政権は円安を容認しているわけではない」とのメッセージを打ち出しました。
喜入友浩キャスター:
円安や物価高への不安感がなかなか拭えない中、今後、マーケットが高市政権の姿勢の変化をどう評価していくか、これがポイントになります。
