
《政府では、在留外国人数の増加に伴って不安や不公平感を感じる国民の皆様がいらっしゃることに向き合い、「外国人政策」を「秩序」あるものとし、国民の皆様と外国人の双方が安全・安心に生活していけるようにするため、本年1月、『外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策』を取りまとめ、幅広い施策に取り組んでいます》
10月1日から、外国人の在留手続きに関する手数料が改定された。永住許可の手数料が、以前の1万円から20万円と、20倍に跳ね上がったのだ。
このような制度変更に先駆け、高市早苗首相(65)が9月27日、Xに投稿したのが上記の文章だ。
この投稿に違和感を抱いたのが、立憲民主党の打越さく良参議院議員(58)で、9月28日に、noteにこう投稿した。
《漠然とした「不安や不公平感」それ自体を、外国籍の人たちの在留や生活をより不安定にする政策の根拠にしてはなりません。その不安は誤った情報や偏見によって生じ、あるいは増幅されているのかもしれません》
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打越議員は何に強く違和感をおぼえたのか、真意を聞いた。
「一国の首相が、実体のない『不安や不公平感』をことさらに取り上げ、そこを最優先するかのような姿勢をX投稿で示すのは極めて不可解といわざるをえません。
今日、地域社会では、特に深刻な人手不足に悩む中小企業などが、外国籍の方々に働いてもらうことで、ようやく事業が継続できているという実態があります。
経営者の方々を含め、多くの日本人は『外国人の方がもっと働きやすく、落ち着いて暮らせるように』と願っているはずなんです」
日本では、10年前の2016年からヘイトスピーチ解消法が施行されている。同法は、特定の国や地域の出身者に対する差別的な言動は許されないとしている。
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「国民の多くがそれを理解し、差別や偏見のない社会を目指しているというのに、政府が掲げている共生社会の実現と真逆の方向で『在留外国人数の増加に伴って不安や不公平感を感じる国民』に向けての施策を強調する。
これでは、むしろ高市首相の投稿自体がヘイトを助長する恐れがあるといえます」
■『90%減少』=不正な申請が90%の証明にはならない
高市首相は前述のX投稿で、政府の取組の状況を説明。
たとえば、在留資格「経営・管理」(一般に「経営管理ビザ」。外国人が日本で事業を経営したり、管理業務を行うなど就労のための在留資格)については《諸外国の同様の制度に比べて、許可基準が緩く、移住目的の方法として悪用されているなどの問題が指摘されていました》と前置き。
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《許可基準の見直しを行い、新たな基準に基づく厳格な審査を実施》した結果として《令和8年(2026年)上半期の「在留資格認定証明書交付件数」は、前年同期比90%減少(3,074件減少)となっています》と実績をアピール。
これについて打越議員は、「はたして大幅に厳格化する必要性があったのでしょうか?」と疑問を呈する。
「在留資格『経営・管理』の要件は2025年10月に厳格化されました。外国籍の方が日本で事業を行う場合の在留資格認定証明書の交付基準が、たとえば資本金の額は500万円から3,000万円へと、一気に6倍に引き上げられたんです。
『90%減少』=排除すべき不正な申請が90%あったという証明にはなりえません。不合理なほどに厳しいハードルを課して、結果として在留資格を受けられる件数が激減したことを、ドヤ顔で実績アピールしているとしか映らないんです」
また、高市首相は同投稿内で「企業内転勤」(海外にある会社の外国人の社員が、日本にある事業所へ人事異動することを想定した在留資格)でも制度が厳格化され《令和8年上半期の「在留資格認定証明書交付件数」は、前年同期比で15%減少(739件減少)し、より実態に即した運用が行われるようになっています》と実績として強調。
打越議員はこれについて「15%減少したからといって、不適切な申請があったとみなすのは、乱暴ではないでしょうか」と指摘するのだ。
「必要な日本への転勤まで、認められなくなってしまったケースがなかったのか? またその会社に従事する方々に不利になるような影響が生じていないのか? そこがキチンと検証されなければ、実態に即した運用とはいえないはずです」
打越議員は選挙区のある新潟県で、会社経営者などから「切実なお声を耳にしています」と話す。
「猛烈な人手不足の中で一生懸命努力して、外国人を採用できる筋道をやっと切り開いたという飲食店のオーナーさんが、今回の厳格化で『せっかく採用できると思った人材が、来日できなくなった』と頭を抱えていらっしゃいます。これで地域への出店をあきらめざるを得ない方の声も聞いています」
高市首相に、その声は届いていないのだろうか?
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