0
2026年10月08日 06:11 ITmedia PC USER

日本HPは10月7日、法人向け14型ノートPC「HP EliteBook 8 G2iW 14」を発表し、同日発売した。最小構成の想定価格は52万9100円で、同社のECサイトではキャンペーン価格として最小構成が25万8830円で販売されている。
【訂正:17時30分】初出時、ElteBook 8 G2iW 14の重量を「約999g」と記載していましたが、メーカー資料の訂正に伴い「約993g」に訂正しました
●約7年ぶりの「日本のためのモデル」
本製品は、10月7日に開催された国内における年次イベント「HP Future of Work AI Conference 2026」において発表された。
|
|
|
|
本イベントの基調講演に登壇した日本HPの岡戸伸樹社長は、EliteBook 8 G2iW 14を「日本HPの中でも一番の戦略商品」「日本のお客さまのニーズを満たすために、日本向けに開発された製品」だと紹介した。
HPの「日本向けノートPC」といえば、2019年に日本でグローバル発表された「HP Elite Dragonfly」が記憶に新しい。
同じく基調講演に登壇した米HPのギャガン・シン氏(シニアバイスプレジデント兼コマーシャルシステムズ、セキュリティ&ディスプレイソリューションズ事業部長)は、このHP Elite Dragonflyを引き合いに出しつつ、「(初代の)Dragonflyは、日本の顧客の声を元に開発したモデルだった。(今回の)EliteBook 8 G2iW 14は、それと同じ考え方で7年ぶりに日本の声から作った製品だ」と説明する。
「14型で1kg未満。軽いだけでなく、性能のどの要素でも妥協していない」と、自信も見せた。
●14型で“軽さ”を追い求めた新モデル
|
|
|
|
EliteBook 8 G2iW 14の要件は、HPのグローバル製品企画チームが日本のビジネスパーソンの“働き方”を調べて決めたという。
日本HPの岡宣明氏(パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 モバイルビジネス部長)によると、特に都市圏では公共交通機関で通勤する人がほとんどであるため、要件面で「軽さ」と「押されたり落としたりしても壊れない堅牢(けんろう)性」を重視しつつ、画面は13型ではなく14型に大型化することで社外でも社内と同じ生産性を出せることにこだわったそうだ。
岡氏は「13型で1kgを切るのは、比較的難しくない。13型の軽量モデルは世の中にたくさんある。(なので)それより高い生産性を発揮できる14型で、1kgを切ることを大きな目標にして開発した」と語る。
他にも「外出先ですぐにディスプレイにつなげる端子類」「5G通信への対応」「容量を削らないバッテリー」も開発要件に含めたという。
1kgを切る構成は一定条件を満たす必要あり
|
|
|
|
EliteBook 8 G2iW 14のボディーは、丸みを帯びたアルミニウムのシャシーで作られている。カラーは指紋が目立ちにくい、新色のミストシルバーとなる。本体サイズは約313.6(幅)×220.85(奥行き)×18.55〜19.05(厚さ)mmで、前部の厚さは約0.44mmだ。耐久性は、米国防総省の調達基準「MIL-STD-810H」の19項目の試験をクリアしている。
先述の通り、本製品の最軽量構成の重量は約993gとなる。ただし、これは「2.2K(2240×1400ピクセル)液晶ディスプレイ」「56Whバッテリー」「Wi-Fiのみ(モバイル通信非対応)」という構成におけるもので、構成を変えると1kgをわずかに上回る。
例えば、ディスプレイパネルにのぞき見防止機能「HP Sure View 6」対応ディスプレイを選ぶと、最軽量構成の重量が約1.089kgとなる。
●システム全体で最大39TOPSのAI処理性能
EliteBook 8 G2iW 14のCPUは、Intelの「Core シリーズ 3 プロセッサ」(開発コード名:Wildcat Lake)で、モデルによってPコア2基+LP Eコア4基構成の「Core 5 320」「Core 7 350」「Core 7 360」のいずれかを搭載している。
Core シリーズ 3は、「Core Ultra シリーズ 3 プロセッサ」と同じ設計のCPUコアを搭載する一方で、AIの推論演算に特化したNPUのピーク性能を16〜17TOPSに制限するなどして価格を抑えたことが特徴だ。CPU/GPUの演算能力を足し合わせた場合、AIに関するピーク時の処理性能は最大39TOPSとなる。
メモリはDDR5-5600規格のSO-DIMMで、スロットは1基のみだ。容量はモデルによって16GBまたは32GBを標準搭載する。
ストレージは256GBまたは512GBのPCI Express接続SSDとなる。OSはWindows 11 Proで、企業向けの管理/セキュリティシステム「Intel vPro」に対応する構成は用意しない。
ディスプレイはアスペクト比16:10の14型非光沢液晶で、パネル解像度は1920×1200ピクセル(最大輝度800ニト)と2K(2240×1400ピクセル:最大輝度400ニト)から選択できる。前者については、HP Sure View 6と「環境光センサー」を内蔵している。
Webカメラは顔認証対応で、モデルによって「フルHDカメラ(HDR撮影対応)」か「500万画素AIカメラ」のいずれかを搭載している。スピーカーはPoly Studioのデュアルスピーカーだ。
●有線LANを含めて豊富なポート類 5G対応構成も用意
ポート類は、左側面にHDMI 2.1出力端子、Thunderbolt 4(USB4/USB 40Gbps)端子×2(電源入力/映像出力兼用)、USB 3.2 Gen 1(USB 5Gbps) Standard-A端子とイヤフォン/マイク端子を、右側面には有線LAN(1000BASE-T)端子とUSB 3.2 Gen 1 Standard-A端子を備える。
ワイヤレス通信はWi-Fi 7(IEEE 802.11be)とBluetooth 6.0に対応する他、一部モデルでは5Gモバイル通信モジュールも搭載する。5Gモバイル通信モジュールはMediaTek製の「T700」で、nanoSIMカードスロットとeSIMを備える。
なお5G対応構成は「HP eSIM Connect」が標準付帯しており、その兼ね合いから法人限定モデル(個人ユーザーは購入できないモデル)とされている。
●10分未満の作業で交換できるキーボード
EliteBook 8 G2iW 14のキーボードは新設計で、キートップに約0.3mmの曲面(ディッシュ形状)を付けることで指になじみやすくしている。また、クリックパッドは従来比で約33%大型化している。
岡氏はこのキーボードを「これからのHPの標準になっていくもの」だと語る。
なお、本製品の日本向けモデルではキー配列は「日本語」のみとなる。
キーボードは上面から取り外せるトップマウント構造で、日本HPによると10分未満で交換作業を行える設計だという。キーボードのみを取り寄せて、ユーザー自身が交換することも可能だ。
シン氏は「法人では多くの台数のPCを扱うため、キーボードの修理に最大40分かかることもあった。これを大幅に短縮し、現場で10分以内に交換できるようにした」と語る。
●ロングライフ仕様のバッテリーを搭載
バッテリーの容量は56Wh(定格値)で、充放電1000回に対応する「ロングライフ仕様」としている。駆動時間は測定中として公表していない。バッテリーもユーザーが交換可能な仕様としている。
岡氏によると、HPの法人向けノートPCでは数年前から「(Elitebookのモデル名で)4以上のグレードにおけるほぼ全てのラインアップ」でバッテリーを交換できるようにしているという。
付属のACアダプターは65W出力の「USB Type-C GaNアダプター」で、プラグを折りたためる。重さは約160gだ。岡氏によると、GaNアダプターは法人向けのG2シリーズ全体で採用しているとのことだ。
セキュリティは「HP Wolf Security for Business」に対応し、TPM 2.0とパームレストの指紋センサーを備える。
●個人向け「HP OmniBook X Aero 14」も登場
EliteBook 8 G2iW 14と同時に、個人向け14型ノートPC「HP OmniBook X Aero 14」も発表されている。こちらは最小構成の想定販売価格が20万9800円からで、11月下旬からの販売開始を見込んでいる。
OmniBook X Aero 14のハードウェアは、EliteBook 8 G2iW 14との共通点が多く、CPUはCore シリーズ 3 プロセッサを備え、メモリはDDR5-5600規格のSO-DIMM(スロット1基)で、容量は最大32GBとなる。ディスプレイは2.2K解像度の14型液晶だ。バッテリー駆動時間は最大21時間となる。
●モバイルワークステーション「HP ZBook Ultra G3a 16 inch」も披露
EliteBook 8 G2iW 14/OmniBook X Aero 14が発表される数時間前、日本HPはモバイルワークステーション「HP ZBook Ultra G3a 16 inch」を発表し、同日に発売した。最小構成の想定販売価格は63万9100円という設定だが、同社の直販サイトでは同社製ヘッドセット「Poly Voyager 4320 UC」を付属するキャンペーンモデルを台数限定で販売中で、最小構成モデルベースだと57万5300円で購入可能だ。
プロセッサは、CPU/GPU/NPUを1チップに統合した「Ryzen AI Max PRO 400」シリーズで、最上位の「Ryzen AI Max+ PRO 495」(CPUコア16基)を搭載する構成も選べる。
メモリはLPDDR5X規格で、最大192GBまで搭載可能で(増設/換装不可:192GB構成は12月をめどに発売予定)、そのうち最大160GBをGPU用のグラフィックスメモリとして割り当てられる(要事前設定)。日本HPによると、INT4で最大3000億パラメーターのLLM(大規模言語モデル)をローカル実行できるとしている。
パワフルなプロセッサを搭載していることから、冷却機構は新設計の「Dynamic Max Airflow」を採用している。これにより、従来モデル(HP ZBook Ultra G1a)は最大55WだったTDP(熱設計電力)を、最大100Wまで引き上げている。
この冷却構造では、密閉型のファンを本体中央寄りに配置し、取り込んだ空気を背面のヒートシンクに一気に送る構造となっている。日本HPの中山智之氏(パーソナルシステムズ事業本部 ACSビジネス本部 プロダクトマネージャ)は、通常の製品と比べてプロセッサの温度を4〜6度下げられると説明する。
本体サイズは約356(幅)×240(奥行き)×8.18〜18.4(厚さ)mmで、重量は最軽量構成で約1.9kgだ。
ディスプレイは16型液晶で、パネル解像度は1920×1200ピクセルまたは2560×1600ピクセルから選択可能だ。12月をめどに、3840×2400ピクセルのパネル(最大120Hz駆動/DCI-P3 100%カバー)を搭載するモデルも登場する予定となっている。
バッテリー容量(定格値)は96Whで、ACアダプターはGaNを採用した140Wまたは180W出力のものが付属する。
「Perplexity」体験も付属
AIの活用を推進する観点から、本製品には「Perplexity」の有料プランの1カ月無料体験と、5000クレジットがバンドルされる。
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2026 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。

SB子会社障害 495の企業など影響(写真:TBS NEWS DIG)32

SB子会社障害 495の企業など影響(写真:TBS NEWS DIG)32