※AI生成画像を使用しています。 平日・休日を問わず、昼時に混雑しているのがショッピングモールのフードコートです。安くランチができる上に、子連れに優しい設備もあるため、小さな子どもがいるママも安心して利用できる空間になっています。
そんな子連れ客に優しいフードコートですが、最近は少し客層が変化してきたんだそう。
今回は、娘とフードコートに行き、大変な思いをしたという加藤麻衣さん(仮名・37歳)から話を聞きました。
◆0歳から通うフードコートの常連ママ
麻衣さんは都内在住の専業主婦。5歳の娘を、幼稚園に通わせています。
「夫が忙しい分、私は娘との時間を大切にしてあげたくて。この地区でも有名な幼稚園に入れました。ただ、何かと休みが多い園なんです。娘と一緒のランチはラクしたくて、大体ショッピングモールのフードコートにいますね」
麻衣さんの家から、ショッピングモールまでは車で10分。思い立ったらすぐに行けて、食べ終わってからそのまま買い物もできるため、麻衣さんにとってなくてはならない場所なんだといいます。
「もう、娘が0歳の時から通っているので安心しています。入っているお店はいろいろ変わりましたが、それも楽しみの一つですね。トイレが近い、通路が広い、子どものための椅子や遊び場があるので、天候を問わずに行けるのもありがたいんです」
◆買い物が長引き娘が不機嫌に
普段は、昼時を少し避けて11時頃に早めのランチをするという麻衣さん。しかし、その日は友人へのプレゼント選びに時間がかかり、フードコートに着いたのが12時半だったんだそうです。
「すごく混んでいました。いっそのこと、昼を後ろにずらしてしまいたかったんですけど……うちの子、お腹が空くと機嫌が悪くなって手に負えなくなるので、ぐずられるくらいなら、混んでいても空いている席を見つけて、食べてしまおうと思いました」
麻衣さんは料理を受け取った後、フードコート内の空席を探したんだそう。右手で娘の手を引き、左手で食事の乗ったお盆を持ち、バランスを取りながら歩き回ります。
広いフードコートにもかかわらず、空いているのは1人用のカウンター席が数席のみ。そして、ようやく見つけたのが、食べ終わった人がお盆を片付け始めたテーブル席でした。
「ようやく、空きそうなテーブル席を見つけて安心しました。あの時、私と娘以外、その席の近くに人はいなかったので、次に座れる席を確保できたと確信していました」
◆「そこ、私が先に見てた席なんだけど!?」
麻衣さんは空いたテーブル席に、持っていたお盆を置き、娘を椅子に座らせようと手をほどいたその時でした。
突然、少し離れた場所から怒鳴り声が響いたんだそう。
「ちょっとー!!! そこ、私が先に見てた席なんだけど!?」
それはとても大きな声で、麻衣さんも娘も身体がビクッとしてしまったほど。でもその言葉を聞いた時、麻衣さんは自分に関係のない揉め事だと思ったといいます。
「あの時、私と娘以外に近くに席待ちの人はいなかったんです。なので、私たちとは全く無関係のトラブルなのかなと思っていましたね」
その声が自分に向かっていたと知ったのは、その後すぐのこと。声が聞こえた方向から、走ってくる足音がし、70代くらいの女性3人が鬼の形相で詰め寄ってきたんだとか。
「すごく怖かったです。3人で大きな声で口々に言うんです。『私たちの席なのよ、どきなさいよ』って。娘もびっくりして大泣きでした」
麻衣さんは驚いたものの、ここで譲るのはおかしいと思い、「すいません、私たちが先に席を取りました」と言い張ったそうです。
◆仲間のもとへ戻り、睨みを利かせる女性たち
高齢女性たちはさらに、麻衣さんに詰め寄ります。
「本当に、あなた常識ないわね」
「最近の人は横取りばかりして」
「子どもの前で恥ずかしくないの?」
女性たちの大声と形相に周囲は静まり返っていました。
「なんだか、不思議な気持ちでした。ただ、先に席を確保したのは私なのに、譲るのは明らかに違うし、娘にも説明がつかない行動をしたくないと思ったんです。なので、私も結構強めに言い返してしまいました」
麻衣さんの強気な言葉に、渋々退散した高齢女性たち。
しかし、静かな“報復”が待っていました。
「少し離れたところに、同じくらいの年代の女性たちが5人くらいテーブル席に座っていました。先ほどの3人はそのテーブルの方に行って、こちらを何度も睨んできたんです。無言で睨まれ続けるの、言葉で怒鳴られるよりも正直怖かったですね」
長時間いても、注意されにくいフードコートには、その快適さを求めて高齢者の“居場所”になっているところもあるそう。中には、“席取り”を超えて“縄張り意識”のような空気を感じることもあるようです。
<取材・文/maki>