写真 石田栄莉子と清水亜樹が手掛ける「マリオンヴィンテージ(MALION VINTAGE)」が、創立10周年を迎えた。アニバーサリーを記念して「トランクホテル キャットストリート(TRUNK(HOTEL) CAT STREET)」で10月9日、10日の2日間限定でポップアップを開催。石田と清水は、手仕事の歪さや機械の粗さなど、ヴィンテージ素材ならではの風合いを現代の衣服として提案することで、「服を長く愛して着る」感性を育みたいと語る。
マリオンヴィンテージは杉野学園ドレスメーカー学院ファッションデザイン科を卒業後、企業デザイナーやバイヤーとして経験を積んだ石田と、セレクトショップ「シェル(Cher)」でバイヤーや店長を務めた清水が、2016年に立ち上げた。コンセプトは「誰かが大切にしていたものに、新しい息吹を」。ブランド名の「MALION」は、ヨーロッパの人命である「MARIA(マリア/女性名)」と「MARIO(マリオ/男性名)」を掛け合わせた造語で、本来は「R」のスペルを「L」に変換することで、「RIGHTからLEFTへシフトさせる」という意味を持たせているという。昨年は直営店「オルト(ORT)」をオープンした。
アイテムは、デッドストック生地やヴィンテージアイテムを再構築し、メンズライクなものを好む石田と、フェミニンなテイストを好む清水の感性を融合したデザインが特徴。クロシェ編みをはじめとしたレースアイテムやデニムが人気で、トレンドに左右されないデザインで幅広い年齢の顧客から支持されている。
昨今の「古着ミックス」のスタイルが流行る前から一貫してヴィンテージの要素を現代的な衣服として提案してきた2人。清水は「ヴィンテージのデザインやアイテムだけでなく、当時の服の作り方やものづくりに対する姿勢も面白いと思っている。機械による大量生産が浸透していない時代だからこそ生まれたものを、マリオンヴィンテージとして仕立て直し、再提案することに価値を感じている」と語る。「デザイン面でトレンドやシーズンをあまり重視せず、“手が届く範囲のものづくり”を続けてきたからこそ、お客さまも『ずっと着ます』と言ってくださる方が多いのだと思う」と石田。この「仕立て直して長く愛用する」という考えはファンにも浸透しており、ブランド公式のリペアサービス(有料)の利用者は多いという。
ポップアップでは、新作の受注販売に加え、アーカイヴアイテムや雑貨類の販売を行っている。新作はブランドのアーカイヴアイテムからホワイトレースを用いたものをセレクトし、ニードルパンチ加工によってヴィンテージレースと羊毛を組み合わせた。価格帯は1万7000〜22万円。
設立から10年を経て、今後はユニセックスラインを拡充し間口を広げる考えだ。現在もオーバーフィットなアイテムを男性が購入することは少なくないといい、ユニセックス提案でサイズを充実させることで、アジアを中心とした海外顧客の可能性を広げるという狙いもある。ビジネスの拡大も着実に進めているが、2人は「あくまでも愛着のあるものづくり」ができる範囲で長く続けていきたいと話した。
◾️10 YEARS OF MALION vintage POP-UP STORE開催日時:2026年10月9日(金)〜10月10日(土)場所:TRUNK(HOTEL) CAT STREET所在地:東京都渋谷区神宮前5-31営業時間:9日 14:00〜20:00、10日 12:00〜18:00