【プロ野球】高木豊が占うパ・リーグFA戦線 田嶋大樹、宗佑磨、中川圭太、小島和哉...移籍したら面白い選手は?

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2026年10月10日 09:41  webスポルティーバ

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高木豊が語るFA戦線 パ・リーグ

 今オフのFA戦線、注目選手が多いセ・リーグだけでなく、パ・リーグからも各チームの主力級から中堅、ベテランまで幅広い選手が名を連ねる。どの選手が権利を行使し、どの球団が獲得に動くのか。高木豊氏に聞いた。

【オリックスには他球団が欲しそうな選手がずらり】

――オリックスは、リーグ3連覇を経験した複数の主力選手がFA権を獲得しました。まず、田嶋大樹投手はどう見ていますか?

高木豊(以下:高木) 金銭や人的補償が伴うBランクとみられていますが、それでも興味を示すチームはあるでしょう。田嶋は今年、プロ入り後初めてリリーフをやりましたよね。ファームから上がってからはずっとリリーフでの登板でした。

 チームの方針だったとは思いますが、本人がこの先も先発でいきたいのであれば、ほかのチームでのプレーも考えるんじゃないですか。ただ、変則左腕を中継ぎで使いたいというチームの考えも理解できます。そこは話し合いになるでしょうね。

――FA権を行使した場合、獲得に動きそうなチームは?

高木 田嶋が手を挙げれば、セ・リーグでもパ・リーグでもどこかが必ず獲りますよ。左の変則の先発ピッチャーはほとんどいませんから。広島は左ピッチャーが多いので見送るかもしれませんが、ほかはどのチームが興味を示してもおかしくないです。

――オリックスはほかにも、宗佑磨選手、中川圭太選手の動向も注目されています。

高木 宗はほかのチームの評価を聞きたいんじゃないですかね。今年は頑張っていましたし、一時期は4番も打っていましたから。僕の憶測ではありますが、FA権を取得できるシーズンということで例年よりも気合いが入っていたと思うんです。本人と話す機会がありましたが、昨年と比べても目がギラギラしていましたね。

 サードの守備はそこそこうまいですし、サードが固定できていない巨人などは興味を示すかもしれません。日本ハムにしても、サードがどうのこうのと言われていますし、可能性はなくはないかなと。金銭や人的補償が不要となるCランクとみられているのも魅力です。ただ、パ・リーグ同士だと彼の弱点も知っているでしょうから、そこをどう考えるかですね。

――セ・リーグで手を挙げそうなチームは?

高木 ヤクルトはサードを松下歩叶に託すと思いますが、DeNAは宮��敏郎の後釜となるとなかなか難しいので、興味を示すかもしれません。阪神は佐藤輝明がメジャーに行くとなると、サードをどうするか。本来は立石正広で補うのがベストですが、今の攻守のレベルではまだまだ代役は厳しい。そうなると、補強を考えるかもしれません。

 中日も石川昂弥をあまり信用していない感じがしますし、石川をファーストにして宗をサードに任せるという考え方もありますよね。いずれにせよ、宗は勢いがありますし、面白いと思いますよ。

【ロッテの小島も注目】

――中川選手はいかがですか?

高木 中川のバッティングの質や勝負強さは評価していますが、外野手はどのチームも飽和状態ですからね。ただ、巨人はあるかもしれません。「若手の外野手が伸びてきた」という意見もありますが、現状では伸びているうちに入りませんよ。多くの選手がボール球ばかりに手を出して、初球ばかり打って、いったい何を考えて打席に入っているのかなという感じですから。

 年齢的に多くの試合に出るのは難しいかもしれませんが、まだまだ丸佳浩のほうがいいです。打つことも守ることも少し衰えてきていますが、"味がある"という感じ。とにかく巨人の外野は固まっていないので、中川は獲っておいて損はないと思います。左バッターが多いなか、右バッターというのも貴重ですし、外野の守備もうまいですから。

――ほかにフィットしそうなチームは?

高木 中日です。岡林勇希がただ打つだけになってしまっていて、今後使えるのかどうか不透明です。例えば、福永裕基を1番にするとなると、岡林が6番あたりに入ることになるでしょうが、勝負弱い岡林に6番を任せるのは不安ですし、チームの得点力が上がりません。あと、岡林に盗塁できる足があればいいのですが、相手バッテリーが無警戒でも大丈夫なくらいですし、起用法が難しくなっていると思います。相手にとっては、6番に中川がいるほうが怖いですよ。あとは、Bランクとみられていることをどう考えるかですね。

――他球団では、ロッテの小島和哉投手もFA権を取得しましたが、どう見ていますか?

高木 規定投球回に到達するシーズンも多いですし、故障しないタフなピッチャーだと思います。ただ、悪いと思ったらすぐに代えられていることが多い。サブロー監督が小島に厳しいですよね。居場所がなくなって気持ちよく投げられていないように見えますし、僕は出るような気がします。イニング数を食ってくれる先発の左ピッチャーなので、どこかが手を挙げるでしょう。

――ロッテは先発投手が不足しているようにも見えますが、その点はいかがですか?

高木 それでも、FA権を行使した時に引き止められるかというと、おそらく止められないと思うんです。今年は田中晴也や廣池康志郎、毛利海大ら若いピッチャーが経験を積んで、来年以降も若手を積極的に使っていきそうですしね。Bランクとみられているのがネックになりそうですが、小島をよく知る楽天の吉井理人監督あたりが声をかけるかもしれません。

【楽天はチーム改革の影響も】

――楽天の太田光選手もFA権を取得しました。

高木 ソフトバンクが山本祐大、西武が小島大河、日本ハムが田宮裕涼と進藤勇也、ロッテが佐藤都志也と、どのチームも主軸のキャッチャーが若いです。そのなかで、唯一オリックスにチャンスがあるかもしれません。森友哉はケガが多く、若月健矢は31歳。若月は申し分ないですが、後釜がひとりいてもいいと思います。
 
 セ・リーグで考えると、太田は広陵高校(広島)出身なので広島という手もあります。持丸泰輝が期待されて経験を積んでいますが、結局は石原貴規と併用ですし。阪神は伏見寅威が入って層が厚くなっていますが、キャッチャーは層が厚いに越したことはありません。伏見と�盒桐攷佑�抜群のバッテリーになったように、ピッチャーとの相性も探れますしね。

 さらに、中日もチャンスがあるかもしれません。今年は石伊雄太が112試合でマスクをかぶりましたが、バックアップもしくは競い合うキャッチャーがいません。DeNAも戸柱恭孝が年齢的(36歳)にそろそろと考えると、残るのは松尾汐恩だけです。こう見ていくと、セ・リーグのほうがキャッチャーの需要はあると思いますね。

――同じ楽天では、小深田大翔選手の動向も気になります。

高木 小深田は使えますよ。速い真っすぐに強く、盗塁する技術もあります。ただ、楽天の内野はショートの宗山塁がよくなってきていて、村林一輝や黒川史陽がいろいろなポジションを守っています。ファーストではYG安田が出てきましたし、小深田はファーストというタイプでもない。外野を守らされたりしていますが、外野は埋まっていますから、そうこうしているうちに中途半端な年齢になってしまった感じです。

 チームを変えていくためには、若手を積極的に起用していくべきなのは間違いありませんが、その煽りを食ってしまっています。守備はそれほど器用ではないですが、バッティングはなかなかよくて、何よりも足が使える。Bランクとみられていますけど、手を挙げたら面白い存在になるはずです。

――楽天では、加治屋蓮投手もFA権を取得済みです。

高木 ソフトバンクで7年、阪神で4年。優勝したチームで登板を重ねてきて、楽天でも味のあるピッチングを見せていますよね。吉井監督も一定の信頼を寄せているように見えますし、34歳という年齢を考えても、今の立場を守ったほうがいいかもしれません。阪神が2023年に優勝、日本一になった時も岡田彰布監督のもとで51試合に登板していますから、どんな場面でも抑えてくれる使い勝手のいいピッチャーだと思いますよ。

【プロフィール】

高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

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