絶対こうなるってわかってたでしょ! 「生活道路30キロ制限」珍騒曲!!

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2026年10月13日 06:31  週プレNEWS

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警察庁は「主に地域住民の日常生活に利用される中央線などがない道路」として生活道路の法定速度を時速30キロに改正した


警察庁は「主に地域住民の日常生活に利用される中央線などがない道路」として生活道路の法定速度を時速30キロに改正した

生活道路の法定速度が時速30キロに引き下げられたが、現場は大混乱。標識がない広い道でも、白線が"中央線もどき"なら規制対象に!? 全国各地の警察の見解も大迷走となった、あまりに理不尽な新ルールの裏側に迫る!

【表】福岡県博多臨港警察署が公示したガイドライン

* * *

【新ルール解釈に迷走する都道府県警】

9月1日、改正道路交通法施行令が施行され、�狎験萋始��瓩砲�ける自動車の法定速度が従来の時速60キロから30キロへ引き下げられた。

道路において守るべき速度には「制限速度(指定速度)」と「法定速度」がある。制限速度は標識などで指定された速度、法定速度は標識のない道路で適用される速度だ。

これまで一般道路では、標識がない場合、どんなに狭い道であっても法定速度は時速60キロだった。今回の改正は、この法定速度を生活道路に限り時速30キロへ落とすというものだ。

警察庁の作成した広報資料では、生活道路を「主に地域住民の日常生活に利用される、中央線や中央分離帯などがない比較的狭い道路のこと」と説明している。

この記述に従えば、センターラインや中央分離帯のある道は規制対象外となり、法定速度は引き続き時速60キロのままと解釈できる。

ところが、この改正に当たり、一部の都道府県警がSNSなどで示した�犖�解�瓩�波紋を呼んだ。「センターラインがある広い道であっても、法定速度が時速30キロになる場所がある」というのだ。


当初、福岡県博多臨港警察署が公示したガイドライン。センターラインがあっても港湾道路、林道、農道は一律30キロ制限としたが、もちろん撤回

例えば福岡県博多臨港警察署は、対象例として農道や林道、港湾道路などを挙げた。農道、林道はともかく、大型貨物車が行き交う港湾道路のように、センターラインのある十分な道幅の道路まで30キロ規制がかかるのには疑問符がつく。

そう感じたSNS利用者たちが各都道府県警に問い合わせたところ、返ってきた見解がバラバラだったことで、さらに騒動に火がついた。


北海道警でも積雪によりセンターラインが確認できなくなった場合には30キロ制限が適用されるという見解が示されたが、こちらも撤回された

例として、北海道警は「センターラインがあっても、雪で隠れた場合は法定速度が時速30キロになる」という珍回答(?)を寄せた。

一方、山口県警は「他県と異なる場合がある」と前置きしつつ「県内の道路はセンターラインがあれば、すべて法定速度は時速60キロ」と回答(※後述するが、いずれの回答も現在は事実上撤回されている)。


当初、県警の一部は「港湾道路などは道路交通法上の道路ではない」としてセンターラインがあっても時速30キロまでとしたが、後に撤回

当初は「センターラインの有無」で簡単に判別できるはずだった新ルール。それがなぜ、各警察で見解が分かれ、混乱に陥るほどの迷走劇へと発展したのか。

この疑問に答えてくれたのは、道路マニアで、全国各地の通行困難な道路を巡る「TEAM酷道」を主宰する鹿取茂雄氏。

「道路法上、センターラインは『中央線』と呼ばれます。しかし、実はセンターラインには、本当の中央線と、�狠羆�線もどき�瓩�あるんです」(以下、鹿取氏)

えぇ!? �爐發匹��瓩箸蓮�

「まず前提として、『道路の区分』について説明します。日本の道路には『道路法に基づく道路』と『それ以外の道路』があるのです。前者は高速道路を含む国道、都道府県道、市町村道のこと。後者は農道や林道、私道、そして里道などの昔ながらの道を指します」

なるほど。でもその道路の分類と、センターラインとに、どんな関係が?

「道路法上の道路にあるセンターラインは、道路管理者が設置し公安委員会が認めた正式な『中央線』です。

一方で農道や林道、港湾道路などにある�爛札鵐拭璽薀ぅ鵑妨�えるもの�瓩蓮�各管理者が独自に引いたもので公安委員会の認定を受けておらず、法的な『中央線』には該当しないケースがあります」

となると、センターラインではあるが、「中央線」ではない。それが�狠羆�線もどき�瓩辰討いΔ海�!?

「はい、そのとおりです。今回の改正で警察庁は『センターラインの有無』を目安に掲げました。しかし、実際の取り締まりを担う現場の一部警察は、そのラインが『法的な中央線かどうか』で厳密に解釈しようとしてガイドラインを作成したため、SNS等を通じて混乱が広がったのです」

この解釈に立つと、ドライバーは「いま走っている道が道路法に基づく道路かどうか」を常に考えて、法定速度を判断しなくてはならないってこと?

「そうなりますが、どう考えても現実的ではないですよね。道幅が十分で、センターラインもある道であっても、それが道路法に基づく道路なのかどうかは外観だけでは確定できませんから。

これから走る道について『この道路のセンターラインは、道路法に基づく中央線ですか?』といちいち公安委員会に聞くのも非現実的です」

では、農道や林道といった名前がついていれば、法定速度の判断材料になる?

「残念ながら、それでも判断はできません。実は農道や林道の中には、管理が都道府県に移管されて都道府県道の扱いになっている路線もあるからです。

そうした区間の法定速度は、道路法上の道路のため時速60キロのままですが、都道府県管理の区間が切れた瞬間に時速30キロへ切り替わります。しかも法定速度であるため、境目に標識は設置されません。

同じ道路を走っているつもりが、突然法定速度が半分になる。これで検挙されてもとうてい納得できる話じゃないでしょう」

こうした騒動が波紋を広げる中、「道路法に基づかない道路は時速30キロ」と説明していた各都道府県警は該当の見解を次々に�爐劼辰修蠅鉢畉鐔�。

現在は警察庁の広報資料へリンクを張る形へと差し替えられている。

「いったん出した見解をなぜ引っ込めたのか、その理由について何も語られていません。これは私の推測ですが、各都道府県警の見解がバラバラになったことで、警察庁にも多くの問い合わせがあったのでしょう。

そこで各都道府県に、独自の見解を引っ込めるよう警察庁が指示したと考えられます。ただ、このまま真相を闇に葬るのではなく、警察庁はきちんと経緯を明かすべきです」

【明らかになった道路行政のいびつすぎる構造】

それにしても、こうした見解の不一致を、警察庁は想定していなかった?

「実は昨年5月の国会答弁で、日本共産党の塩川鉄也議員が『道路法上の道路ではない林道や農道、港湾道路での対応はどうなっているのか』とただしました。

これに対し政府参考人は『時速30キロの法定速度の対象となりうる農道などは、交通量や車道幅員、設計速度などの観点から、実態等を踏まえた速度規制を実施する必要がある』と答えています。

つまり警察庁は施行の1年以上前から、センターラインがあっても時速30キロ規制になりうる問題を把握していたはずです。

そこから施行までに各都道府県警と連携し、山口県のように『道路法に基づかない道路のセンターラインを中央線と認定する』、もしくは『実態に応じた制限速度を定め、道路標識を整備する』などの準備を整えておくべきでした」

一方、鹿取氏は「今回の騒動が日本の道路行政のいびつな構造を可視化する機会になったのでは」とも語る。

「同じような道路に見えても、予算の出方で、道路法上の道路なのか、農道、林道、港湾道路なのかといった縦割り行政の実態があることが、広く知られることになったと思います。そして速度規制自体の不合理さも明らかになった。

日本全国の道路を訪ね歩いている身として実感できるのは、今回の問題にとどまらず、速度規制には不合理な部分が多々あるということです。

道路の『設計速度』と実際の制限速度が噛み合っていなかったり、郊外の似たような道路でも、ある県ではセンターラインありで時速40キロ、隣の県ではラインなしで時速60キロだったりする。

私の住む岐阜県の長良川沿いでも、堤防下の整備された道が時速40キロ規制なのに、上のすれ違いも困難な狭い道路が時速50キロ規制になっている矛盾があります。

よく『県境を越えたら舗装がきれいになった』などと言われますが、こと速度規制については、日本全国、できる限り同じ基準でルールを定めてほしいと思います。

今回の改正の件も含め、そもそもが人命を守るためのものなのですから、誰もがわかりやすく、守れる形にすることが重要でしょう」

まずは�爛哀譟璽勝璽鶚瓩箸覆辰討い襦崙始�法に基づかない道路」の法定速度が時速30キロなのか60キロなのか、警察庁には統一見解をお願いしたいところだ。

取材・文/植村祐介 写真/共同通信社 イラスト/市橋俊介

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