G20財務相会議が開催されるタイの首都バンコク=14日(AFP時事) 【バンコク時事】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が15日、タイ・バンコクで開催される。中東情勢の混乱が続き、原油価格が高止まりする中、インフレ進行への対応を協議。人工知能(AI)ブームが経済成長をけん引するが、急速な需要拡大が物価上昇圧力を一段と高めており、世界経済のリスクを点検する。
日本からは片山さつき財務相と植田和男日銀総裁が出席する。片山氏は13日の閣議後記者会見で、「世界経済は極めて流動的な難しい状況にある」と述べ、警戒感をにじませた。当地では、先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議も開く。
国際通貨基金(IMF)が13日公表した最新の世界経済見通しによると、2026年の世界全体の成長率は3.1%と、7月時点の予測から0.1ポイント上方修正した。中東緊迫に伴うエネルギーの供給制約に対し、各国は原油在庫の取り崩しや代替調達でショックを緩和。データセンター建設などAI関連投資が成長を押し上げ、「世界経済は再び強靱(きょうじん)さを示している」と評価した。
ただ、IMFは先行きについて「リスクは下向きだ」と指摘。中東での紛争が長引けば、インフレ圧力を高めて成長の阻害要因になる。AIによる生産性向上への期待が剥落すれば、投資が急減し、高騰した株価の調整を招く恐れもある。
また、日米欧の主要国では財政悪化懸念もあり、長期金利が急騰しており、G20会議では金融市場の安定に向け、財政・金融政策の協調が課題となる。最先端AIを悪用したサイバー攻撃のリスクへの対応も議論する。
G20会議の議長を務める米国のベセント財務長官は欠席する。11月3日に中間選挙を控える中、国内の経済問題への対応を優先したもようだ。円安進行を懸念するベセント氏が日銀の利上げなどを巡って植田氏や片山氏と会談するか注目されていた。