超コンパクトになった「ヘアードライヤー ナノケア」、デザインと設計チームの執念で、髪の仕上がりや触り心地の細部までこだわり

1

2026年10月15日 17:31  BCN+R

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

BCN+R

ヘアードライヤー ナノケア EH-NB70
 パナソニックは9月29日、東京・表参道のイベントホールで、ヘアードライヤーとヘアアイロンの「ナノケア」シリーズの新製品体験発表会を開催した。11月上旬発売の「ヘアードライヤー ナノケア EH-NB70」は、高浸透ナノイーによる潤いと速乾性を両立させつつ、従来品よりも体積比で約35%減を実現。今回はEH-NB70にスポットを当てて、あらためて高浸透ナノイーの効果と仕組み、デザイン担当と設計担当がひざを突き合わせて開発したこだわりを紹介しよう。

その他の画像はこちら

●しっとり感が違う「高浸透ナノイー」

 髪が乾いているにもかかわらず、保湿感が損なわれない――。体験会では新製品「ヘアードライヤー ナノケア EH-NB70」の不思議な仕上がりが実感できた。マネキンの髪の表面は確かに乾いているのだが、触ってみるとしっとりとした触り心地なのだ。

 これこそが、水分発生量18倍の高浸透ナノイーによる「髪ケア効果」だ。高浸透ナノイーは、デバイス(冷却ピン)を冷却して空気中の水蒸気をピンの表面に結露させて水分を生成する。

 その水分に高電圧をかけて電気的な力(放電)を与えて微細粒子化する。粒子のサイズはナノレベルで、微細な水滴であるナノイーが発生する。しかも水分量は一般的なマイナスイオンの約1000倍を保持する。高浸透ナノイーの水分発生量は、従来のナノイーと比べても約18倍に向上した。

 ナノイーはドライヤーの風と一緒に吹出口から飛び出し、髪に届けられる。そして、髪の内部まで水分が入ることで、ドライヤーで乾かした後も水分が保持されて潤いがキープされるのだ。

 実際、潤っていると赤色に、乾燥すると青色になる特殊な毛束を使った7分間の乾燥実験(温冷リズムモード)では、ナノイーなしの場合、青色になり乾燥するが、ナノイーありの場合、赤色になり潤っている様子が確認できる。

 また、体験会スタッフの説明によると、ドライヤーを使用する際に髪の上から下に向けて風を当てることで、キューティクルの向きを整えながら乾かすことができるという。キューティクルの開きをナノイーで密着させて引き締めることで、髪へのダメージを抑える役割を果たしている。

 高浸透ナノイーの潤いによる「ツヤ」の満足度では、5段階評価で使い始めの初回が3.0と高いこともさることながら、4週間使い続けると3.8に向上し、さらに効果を実感している様子が伝わる。

●デザインを一新、コンパクトに

 EH-NB70は従来品比で約35%減(体積比、以下同じ)の見た目にも明らかなコンパクトなデザインになっている。開発者によるトークセッションでは、デザイン担当と設計担当の間で喧々諤々の議論があったことも明らかにされた。

 物理的にコンパクトになったのは、キーデバイスであるヒーターブロック(約40%減)、ナノイーブロック(約40%減)、ファンモーターブロック(約80%減)の小型化である。もちろん、小さくしたからといって性能が下がってしまったら意味がない。速乾性能は、約1.2倍アップしている。

 乾燥性能については、単純に風量を強くすればいいという話ではない。髪が絡みやすくなり、仕上がりに影響を与えるからだ。逆に仕上がり重視で風量が弱いと髪が散らず、乾燥まで時間がかかってしまう。

 その間である理想の風が、髪が絡みにくく、速乾性が高い風となる。速乾性と、きれいな仕上がりのトレードオフの関係を両立させる技術が、EH-NB70の風技術だ。

●製品の顔であるナノイーユニットを中央に配置

 吹出口から離れても、形の変わりにくい風をつくる。そのために、吹出口の案を開発時に数十パターンつくった。また、穴の数や位置を0.5mm単位で調整していったという。

 「吹出口の放射状の穴の位置が内から外に1mmズレるか、穴の位置が0.5mm変わるかだけで、本体内部の風の流れが変わり、ナノイーの効果が出なくなってしまう問題に何度も直面しました」とデザイン担当の飯田さんは当時の様子を振り返る。

 デザインチームは毎週新しいデザイン案を作成しては設計チームに送り、設計でテストをしては「ナノイーの効果が出ません」とフィードバックする日々が約2カ月続いたという。最終的に全員で一つの部屋に集まり、ホワイトボードにデザインを描きながら、文字通りひざを突き合わせて議論を重ね、「高いナノイー効果」「約1.2倍の速乾性」「美しい放射状デザイン」のすべてを両立させるデザインにたどり着いた。

 特に今回、デザイナーの初期段階からの強いこだわりとして、ナノイーユニットの吹出口を本体の下ではなく、中央に配置するという要望があった。正面から見たときの印象を変え、髪をいたわる道具としての「新しい顔」をつくりたかったという。もちろん、ナノイーの効果をダイレクトにバランスよく届ける狙いもあった。

 だが、これは簡単な話ではない。前述したように、高浸透ナノイーのデバイス(冷却ピン)は結露させるために冷やす必要がある。熱が伝わってしまうと乾燥するし、結露しなくなりナノイーが発生しなくなってしまう。そのため、これまでは熱源から遠い吹出口の上や下に配置していたのだ。

 今回、ヒーターで温めていない風がダイレクトに中央を通る風路構造を採用。周囲の放射状の吹出口から温められた風が出る一方、中央部分はヒーターを経由せず、モーターから送られてくる風がそのまま通過する設計にしている。

●究極の心地よさを求めて

 また、従来モデルは金型の都合上、ハンドルや本体の中央部にパーツを組み合わせた際にできる分割線が入っていた。握ったときに手が分割線に触れるという感触の悪さがあった。実際のユーザーがそこまで気にするかどうかは別にして、心地よい手触りを追求した。パーツをハンドルにスポッとはめ込む構造に変えたことで、分割線がなくなり心地よさを実現させた。

 さらに細かな点では、空気の入口であるドライヤーの後ろにあるメカ感の強いハニカム構造をおおい隠すため、本体背面フィルターを二重構造にした。蓋となる吸込防止フィルターを取り付けることで、後ろから見ても高品位なデザインを実現した。

 本体吹出口の横にある「nanocare」のロゴは情緒的な光表現を採用した。電源をオンにしたときにロゴがふわっと浮かび上がる。電源オフの時はシュッと消える。このわずかな演出のために、数十パターンの試作を用意し、暗がりの実験室で黙々と検証・作業を重ねたという。

 デザインと設計の率直な議論と、両者による細部まで突き詰めたモノづくりへのこだわりにより、ユーザーが手に取った際の心地よさや満足感につながる製品に生まれ変わるのだろう。

 EH-NB70はオープン価格だが、想定実売価格は4万1000円前後。また、今回新たにSISIの「UNITE!」ブランドとEH-NB70がコラボした、シャンプー&トリートメント限定キットも発売。1万台限定で4万3000円前後となる。(BCN・細田 立圭志)

    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定