無理矢理サイボーグに改造された「いらない人間」9人が、自らを改造した「悪の組織」を滅ぼすべく戦いを挑む。“萬画家”・石ノ森章太郎の代表作の一つである「サイボーグ009」は、1964年の発表から45年を経てなお、高い支持を得ている不朽の名作です。「正義のヒーローもの」といったイメージの強い作品ですが、その背景には、さまざまな問題提起が含まれています。戦争、侵略、貧困、人種差別、自然破壊。そして、機械の体でありながらも、人間の脳を持つサイボーグの苦しみ、皮肉、心の傷。
そんな「サイボーグ009」を、
神谷浩史(「さよなら絶望先生」糸色望、「機動戦士ガンダム00」ティエリア・アーデ)、
桑島法子(「機動戦士ガンダムSEED」ナタル・バジルール、フレイ・アルスター)、
中井和哉(「戦国BASARA」伊達政宗、「ONE PIECE」ロロノア・ゾロ)といった人気声優から、
藤田淑子(「一休さん」一休、「キテレツ大百科」キテレツ)、
大塚周夫(「ゲゲゲの鬼太郎」ねずみ男、「美味しんぼ」海原雄山)、
田中秀幸(「キン肉マン」テリーマン、「ドカベン」山田太郎)といった超ベテランまで、計17人の声優で演じる朗読劇「
原画と朗読で綴るサイボーグ009の世界」が2009年10月11日、渋谷C.C.Lemonホールで行われました。今年40周年を迎えた青二プロダクションの先輩後輩による、緊張感の溢れた舞台をレポートします。【
出演声優・代表作紹介、作者紹介へ】
それぞれ特殊能力を持つ9人。中には0歳の赤ちゃんも。(C)石森章太郎プロ | | |
●ド派手演出に驚き! 迫力満点のステージ
演目は、数ある話の中でも名作と名高い「海底ピラミッド編」。欲深い人間により眠りを解かれた「海底ピラミッド」と、その中に潜む未知の敵らを相手に、さまざまな謎を解きながら立ち向かうといった内容です。脚本は朗読劇用にアレンジされており、原作に沿いつつも、名シーンや名台詞、それぞれの重い過去にも触れるといった、原作ファンには嬉しいアレンジが加えられています。
未知なる敵との厳しい戦い、自らの心の傷に苦悩するサイボーグたち。ストーリーはシリアスそのものです。そして、それらを情感たっぷりに熱演する声優陣の迫力に、観客は息つく暇すらありません。思わず涙してしまいそうな場面や、手に汗握る展開の連続……しかし、そこに笑いを挟むのが006役・
龍田直樹(「キテレツ大百科」ブタゴリラ、「ドラゴンボール」ウーロン)と、007役・
小野坂昌也(「ボボボーボ・ボーボボ」首領パッチ、「テニスの王子様」桃城武)の2人です。シリアスな場面を、楽しい雰囲気にガラッと変えてしまえる高い演技力に、多くの拍手が送られていました。なお、今回の朗読劇の模様を収録したDVDが、2009年12月下旬に発売される予定です。参加できなかった方は要チェック!
ところで、朗読劇といわれると、少々地味な印象を受けませんか? 朗読劇といっても、ただシナリオを読み上げるだけではありません。今回の場合も、趣向をこらした演出がたっぷり。バックスクリーンには「漫画のコマ」を大写しし、その臨場感をあおる光や効果音が随時織り交ぜられます。さらに戦闘シーンになると、ステージの手前に薄いスクリーンを下ろし、映像を「二重」にするというド派手演出も。小物を使った細やかな演出も随所に見られ、「耳」にも「目」にも、「心」にも楽しいショーに仕上がっていました。
| | バックスクリーンの「漫画のコマ」は、漫画を読んでいるかのように移動します。
| ルメル星人めいむ役・久川綾と、004役・中井和哉。演劇さながらの演出も。 |
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●1000年に一度だけ。「009イヤー」という取り組み
1000年に一度だけ訪れる、西暦に「009」が含まれる2009年。石森プロはこの年を「009イヤー」と冠し、年明け前後から様々な取り組みを行っています。新聞一面の広告で世界平和を訴えたり、展覧会を開いたり。今回の朗読劇も、その一環です。「009イヤー」の目標はただ一つ。「サイボーグ009」を通して、世界中の問題に目を向けて欲しい。そんな願いを託した、この「009イヤー」。まだまだ続きます。(水流/mixiニューススタッフ)
■関連サイト
サイボーグ009公式サイト 009ing:
http://009ing.com/
石森プロ|Official Website:
http://www.ishimoripro.com/
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