子連れ外食は後ろめたい問題 ――4日間続けた結果を考察

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2018年07月06日 13:02  MAMApicks

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ふだん「子育ての呪縛や神話に捕らわれていませんか?」という思いでコラムを書いたりするくせに、皮肉なことに当の本人が呪いにがんじがらめだった、というのはままあること。このたび、私もそうであったことが判明したので、反省と喝入れの気持ちを込めてここに晒します。

私は今まで子どもとの外食は、月にせいぜい1〜2回程度にしており、お弁当屋が月1〜4回程度、基本は手作りで提供していた。一番の理由は健康面、次に経済面を気にしてのことである。

だが、仕事まわりが忙しくなった時期に、記憶が飛んで精神がすさんでくるのを自覚し、4日連続外食(お弁当含む)を試しにやったらどうなるのか?を自己分析してみることにした。ログとして、毎日の食卓風景とデータをFacebookに投稿した。

■外食で補完計画/1日目
場所:回転寿司 魚べい
入店時間:20時10分
メンバー:私と長男(もうすぐ6歳)と長女(もうすぐ3歳)
金額合計:約1,800円
メモ:比較的遅めの時間だったので、お店が空いていて待ち時間なし。

■外食で補完計画/2日目
場所:サイゼリヤ
入店時間:18時30分
メンバー:私と長男と長女
金額合計:約2,600円(うちサーロインステーキ約1,000円)
メモ:
・子どもたちのトイレは2回、そのたびに付き添い。
・毎日公園に行っていたが、親子ともそれより体力を使っているような気がする。
・子どもたちは夢のドリンクバーに浮ついて、座って食べてもらうのが至難の技。

■外食で補完計画/3日目
近所のお肉屋さんのお弁当を買って自宅で食べる
時間:19時〜
メンバー:夫と私と長男と長女
金額合計:約1,800円(3食を4人で分ける)
メモ:珍しく早く帰宅したパパがいて、触れ合う子どもたち

■外食で補完計画/4日目
場所:ぎょうざの満洲
入店時間:18時30分
メンバー:私と長男と長女
金額合計:まさかの約1,200円
メモ:毎度ここにくるとジュースをひっくり返すのが恒例だが、今回も実行。


▼外食続きの反省点
【良かったこと】
・おいしいと感じ、楽しめた(人が作ってくれるごはんはおいしいね)
・片付けがなくて、ラク(食べ散らかして申し訳ない気持ちさえする)
・夫がいないとコスパがいい(むしろ材料費より安い!)

【悪かったこと】
・店での統制が非常に疲れる(席に座って!走らないで!大声を出さないで!手を洗って!の要請)
・私に口外炎ができた(原因は外食ではないかもしれないが)

【分かったこと】
・子どもたちが騒がないで食べられれば、外食のほうが心身ともにラク。
・内食と外食に思ったより経済的な差はない。
・このログをFacebookで見たママたちはすべて肯定的。なんというか、私の心の闇を垣間見たのか、やや過剰に肯定してくれた感? Facebookで否定的な意見を書きにくいのは承知だが、ママたちは過去に、外食否定派の何かに遭遇したかもしれないと邪推。

●結論
たまにやろうと思ったが、毎日はいけません(実践前と同じ、後ろめたさが残る)。

■なぜ、私にとって外食は後ろめたいのか
第一に、子育てにおける“食の雰囲気”が、やはり私を足止めしているなと感じる。
思うに、「母」と「食」とは、ズブズブの関係にある。生命を生み出す母親と生命をつなぐ食事というものの相性は抜群で、子どものために手作りする母親は愛情が「ふつう程度」にあり、プラスマイナスゼロ地点いるという思い込みがある。これは私に限ったことではないだろう。

手作りするのが当たり前、加えて栄養満点かつ有害成分のない材料でもって手作りする母親はようやく「良いママ」であるというものだ。

もっといえば、母親以前の「女子」と「食」も関係が深く、手作り料理は愛情のバロメーター、あるいは女子力に置き換えられてきた。

彼においしいお手製料理を作れると女子力があり、男性の“胃袋をつかんで”虜にしたら、結婚へなだれ込む。そういう流派は確実に存在する。この寝技感に今なら胸がザワつくが、私も独身の頃、「彼が喜ぶおうちごはん」的なものを読んだことがあり、素直に肯定していた。

つまり、手作りしてこそ愛情あり。裏を返せば、外食する母(女)の愛情は少ないといった刷り込みが、いまだ生きている。

第二に、私の母は、マクロビオティックまでいかないものの、無添加、無調整、無農薬、無着色を良しとして子どもたちに1日30品目を本気で食べさせてくれた人で、健康的な食事に目がない。ヨーグルトは菌から増やしちゃうタイプだ。

「おふくろの味」はいろいろあるが、今尊敬しかないのは手作りコロッケ。私ならポテサラ止まりになってしまうところ、母は衣をつけて揚げるのだ……。手間ハンパない。

であるがために、ウソかマコトか、食材のもろもろ情報には敏感になった。よくあるところで、海外ではNGなのに日本では常食されている危ない食べ物とか、白い色の原材料(精米された白米、小麦粉等)はよろしくないとか、納豆は健康的と思いきや大豆の原産国によってはヤバいなどなどなど。

そしてこれらはコスパのよい外食には欠かせない原材料だし、冷凍食品などにも使われている。というか、一般的なスーパーに売っている加工食品にはだいたい入っているものだ。

つまり、私は自分の母がしてくれたように、安全な食品を提供してあげられない自責の念があるのだ(よくある結論!)。


さて、総括。
私が外食に後ろめたさを感じるのは、「愛情不足な母親だと感じる自責の念」+「安全な食を提供してあげられない自責の念」=ほとんど自責の念、である。

■「手作りストレス」VS.「自責の念×2」
「加工食品を避けるため、手作りのごはんを子どもたちに食べさせましょう」。
このテーマに立ち向かうか回避するかは各ママの自由だから、お好きに調整されればよい。

当の私にとっては、100%遂行するのは不可能。結構なストレスを感じるので、極論「手作りストレス」VS.「自責の念×2」の負のせめぎ合いになりそうだ。

ではどう解決していくか。「できる日だけ、手作りしよう!」なんて案はボーダーがあいまいで、この先困惑するだろう。

ということで、「週1回以上、夕ご飯は外食する」と外食を習慣化することで自責の念を薄れさせていく戦略を取ることにします。食の安全性への不満はあります、だけどふつうのスーパーで売っている野菜も農薬で汚染されているから……なんて言い出したら、ある程度受容するしかない。

さて、今週はすでに1回外食済みだから目標は達成されている。が、今日もサイゼリヤか魚べいに行っちゃうか……と悩ましい。

斎藤貴美子
コピーライター。得意分野は美容・ファッション。日本酒にハマり、Instagramの#SAKEISAWESOMEkimikoで日本酒の新しい切り口とコピーを思案中(日本語&つたない英語)。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。

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