悲劇の事故から27年…英プレミア、立見席が復活か? 新技術で安全性向上

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2016年11月15日 11:56  サッカーキング

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プレミアリーグで立見席設置が許可される可能性が出てきた(写真はアーセナルファン) [写真]=Getty Images
プレミアリーグが15日に行う定期ミーティングで、立見席の導入について検討するようだ。11日付のイギリス紙『デイリー・メール』などが報じている。

 1989年4月に死者96名を出した群衆事故“ヒルズボロの悲劇”を受けて、現在、プレミアリーグとチャンピオンズシップ(イングランド2部)に在籍するクラブの全てのホームスタジアムでは、立見席の設置が全面的に禁止されている。ただ、事故から25年以上が経過し、現地では立見席の復活を望む声が少なくないという。また「セイフ・スタンディング(Safe-standing)」と呼ばれる新しいタイプの立見席の誕生によって安全性が大きく向上したことも、ネガティブなイメージを払拭する要因になっているようだ。



「セイフ・スタンディング」とは、旧来の立見席とは異なり、折り畳み式の椅子と高さ約1メートルの鉄の柵がセットになったもの。この仕組みにより、サポーターが将棋倒しになることはないという。実際、「セイフ・スタンディング」はドルトムントなどブンデスリーガの複数クラブで導入されており、今シーズンからはスコットランドのセルティックでもホームスタジアムの一部エリアで採用されている。欧州サッカー連盟(UEFA)の規則上、チャンピンズリーグの試合を立見することは禁止されているものの、リーグ戦や国内カップ戦では椅子を鉄の柵に固定することで立見を実現しているという。

 同紙によると、立見席の復活に関しては、建築家や政治家の間でも賛成意見が少なくなく、アーセナル、ウェストハム、トッテナム、スウォンジーの経営陣は、すでに賛成の意を表明しているという。アーセナルのCEO(最高経営責任者)を務めるイヴァン・ガジディス氏は、「スタジアムの熱い雰囲気を作り出しているサポーターの多くが立見を希望している。安全面で不安はないのだから、反対する理由は見つからない」と発言。また同クラブを率いるアーセン・ヴェンゲル監督も、立見席がスタジアムの雰囲気のさらなる向上に一役買うとポジティブな反応を示している。

 なお立見席を導入すれば、より多くのサポーターが試合を観戦することが可能になるほか、高騰の一途を辿るチケット代金を抑える効果があると指摘されている。「英スポーツ史上最大の悲劇」と評される“ヒルズボロの悲劇”だが、立見席が事故の直接の原因でなかったことは実証済み。さらにドイツやスコットランドで「セイフ・スタンディング」が成功を収めているという前例があるため、今回の話し合いの結果次第では、プレミアリーグでも立見席の復活が現実味を帯びてくるかもしれない。

(記事/Footmedia)

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