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「普通においしい!」って褒め言葉? 年齢層を問わず定着するのか 【校閲記者がことばを深掘り】

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2018年10月16日 07:01  ウィズニュース

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写真「おいしい!」とご当地バーガーをほおばる若者たち=北九州市=朝日新聞
「おいしい!」とご当地バーガーをほおばる若者たち=北九州市=朝日新聞

 「普通においしい」という言い回しをよく耳にします。食べ物を口にしての感想として多い表現ですが、大したことないと感じたのか、まあまあおいしかったのか、いまいち伝わりません。こうした「普通に〜」は、「当たり前に」「予想外に」などの意味で広く定着してきています。そこにこめられた評価の思いとは……。(朝日新聞校閲センター・越智健二/ことばマガジン)

【画像】「ふつうにおいしいたまねぎドレッシング」はこちら。ネーミングのきっかけはテレビだったそうです

いつごろ生まれた?
 最近はやりの「普通に〜」は、いつごろ生まれた表現なのでしょう。

 「微妙におかしな日本語−ことばの結びつきの正解・不正解」(草思社)の著書がある、小学館元国語辞典編集長の神永暁(さとる)さんは、2000年以降に生まれたのは確かなようだとみています。

 「平均的、一般的であるという意味で使われ、ニュートラルか、ときとしてマイナスの意味合いで使われてきた。ところが、プラスの意味にとらえられて『普通においしい』『普通にかわいい』のような言い方が生まれた」

 ノートルダム清心女子大(岡山市)の星野佳之准教授(日本語学)は、大学のサイトのエッセーで次のように指摘しています。

 こうした「普通に〜」の登場は、9・11米同時多発テロや複数の無差別殺傷事件、東日本大震災と、文字通り“想定を超える”できごとを経験し、社会とそれを眺める私たちの気持ちが標準的であることを良しとする方向に変化したことによるのではないか――。

商品名にもなっています
 プラスの意味の「普通に〜」はすでに広く使われ、商品名にもなっています。

 「ふつうにおいしいたまねぎドレッシング」が買えると聞いて4月下旬、京都・大原を訪ねました。

 製造・販売する「志野」専務の辻俊輔さん(40)によると、発売は2010年で、命名したのは父親の辻美正社長と俊輔さんだそうです。

 ネーミングの会議で、「凝った名前ではない方がいい」と美正さんが発言。数日後、俊輔さんがたまたまテレビで「理解できない若者言葉」が放送されたのを見て、「可もなく不可もなくの意味ではなく、王道としての『普通においしい』が若者の間で使われていると知って決めた」といいます。

 「幅広い年齢層の方に、飽きがこず、長く使ってほしい」との思いをこめているそうです。

普通に定着していくのかどうか
 「普通に〜」は、今後も褒め言葉として使われていくのか。気になるところです。

 神永さんは、「本来の意味でも日常的に頻繁に耳にすることばであり、さらには同じ『とても』の意味で若者の間で使われている「ブチ」「オニ」「デラ」などと違って俗語的な用法ではあっても俗語っぽさを感じさせないから、使いやすいのではないか。今このことばを使っている世代が年齢を重ねても使い続けるだろうから、それよりも下の世代にも広がっていくと思われる」と分析しています。

 年齢層を問わず、普通に定着していくのかどうか、注目したいと思います。

このニュースに関するつぶやき

  • 最近たまに目にする「〜み」が嫌いだな(ありがたみ、あたたかみ、などを他の言葉に使う用法)
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  • 「(期待してなかった、もっとまずいと思ってたけど)普通に美味しい」と受けとるから作った人勧めた人に対して言うのは失礼だろうな
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