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適切な治療で症状改善も。「乾癬」についてもっと知ってほしい

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2018年05月29日 12:01  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

人目が気になり、誤解や偏見に苦しむ乾癬患者

 太陽がまぶしく、汗ばむ季節になってきました。肌の露出も増えるため、目立つ部分に吹き出物や皮疹があると、人目が気になるものです。手や頭部、額などは、特に目につきやすいところ。こうした部分に赤い湿疹ができ、皮膚が盛り上がってかさぶたのようになったり、フケのようにボロボロと剥がれ落ちたりする症状が出る病気、「乾癬」をご存じですか。

 日本の乾癬患者さんは推計で約50〜60万人1)。男性の患者さんが女性の患者さんより2倍も多く、男性は50代、女性は20代と50代での発症が多いとされています。乾癬の原因や根治治療は未だ明らかになっておらず、治療は長期に渡ることもあります。自分の肌にできた、ギョッとするような皮疹。毎日自分の肌を見るたびに、患者さんはこの現実と向き合うことを余儀なくされます。乾癬の症状は、人目にさらされる場所に現れることが多く、周囲からの視線を意識するあまり、行動が消極的になってしまう人も少なくありません。肌の皮疹だけでなく爪にも現れることがあり、ビジネスパーソンの患者さんでは、名刺交換が苦痛に感じることも。見た目に加えて、「カンセン」という響きが「感染」を思わせることから、実際には感染しない病気であるにもかかわらず、誤解や偏見を招いてしまうことも、患者さんを苦しめる要因となっています。

 自身も乾癬患者であるINSPIRE JAPAN WPD乾癬啓発普及協会事務局長の添川雅之さんは、ヤンセンファーマ株式会社が主催したメディア向けのプレスセミナーに登壇し、「タクシーの運転手に、皮膚病の客は乗せたくないといわれたり、患者仲間からは、美容室での散髪を断られるという話も聞きました」と、患者さんが日常生活のさまざまな場面で心無い一言をかけられている例を紹介。「乾癬という病気がある」ということを、一人でも多くの人に知ってもらうだけでも、救われる患者もいると述べました。

ほかの病気を悪化させないためにも、治療が重要


左:乾癬の皮疹を再現した人形、右:名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科学 教授森田 明理先生

 乾癬は、重症化すると全身に症状が広がったり、皮疹が膿をもって発熱や全身の痛みを伴うことも。さらに、血糖値が高くなったり動脈硬化症や心筋梗塞など乾癬以外の病気を引き起こす「乾癬マーチ」という考え方も提唱されていると、名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科学 教授の森田明理先生は説明します。「乾癬の症状は、炎症による症状。全身性の炎症は、心血管系の障害や、高血圧、肥満、脂質異常、糖尿病、腎臓病、非アルコール性脂肪肝や、炎症性腸疾患、ブドウ膜炎など、さまざまな病気と相互に影響しあいます。そのため、炎症を抑える治療を行うことが、ほかの病気を悪化させないためにも重要になってきます」(森田先生)

 乾癬の治療法には、塗り薬による治療のほか、紫外線を当てる治療や、飲み薬、注射による治療がありますが、ヤンセンファーマ株式会社が2014年に実施した調査によると、患者さんの56%は現在の治療に満足していないと回答していました。患者さんの希望は、「全ての皮膚病変から回復する、早くきれいな皮膚になる」こと2)。そのためには、患者さん自身も病気や治療についてよく理解して治療を受けることが大切だと、森田先生は解説します。乾癬の皮疹は、最初は身体の一部に小さなものができるだけであっても、時間とともに全身に拡がって、重症化していきます。「近年では治療法が進歩し、よいタイミングで適切な治療を受けることで、重症化を避け、症状を抑え込むことができるようになりました。治療というのは効果があると、中断せずに治療を続けられる患者さんも多くなります」(森田先生)

 一人で悩んでいる患者さんも多いという「乾癬」。昨年には、モデルの道端アンジェリカさんが乾癬患者であることを告白して話題になりました。とはいえ、まだまだ知名度の低い病気であることに変わりありません。乾癬がどんな病気なのか、知っている人が増えることで、乾癬に関する情報も増えて、患者さんが自分に適した治療に辿り着きやすくなるとよいですね。(QLife編集部)

1)Kubota K et al.:BMJ Open 2014;5(1):e006450
2)Blome C et al.:Arch Dermatol Res 2016;308(2):69-78

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