一世を風靡したあのミュージシャンたちは40代を越えて何を思うのか

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2013年06月11日 20:00  新刊JP

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一世を風靡したあのミュージシャンたちは40代を越えて何を思うのか
知り合いに40代になってもアルバイト生活を続けながらバンド活動をしている人がいる。
 一般的に40代といえば働き盛りであり、プライベートでは家庭を持ち、子育ても忙しい時期である。不安定な生活と自分の夢のバランス。複雑な心境は推して知るべしといったところだろう。

 1980年代から90年代初頭にかけて、一世を風靡したロックミュージシャンたちも、今は40代。「あの人は今」のようなテレビ番組の企画でその姿を見かけて「懐かしいな」と思ったのも束の間、VTRで日常生活のシーンが流れると、バンドで「食べていく」ことの難しさに思いを巡らせずにはいられない。もちろん今でも現役バリバリの人もいるものの、緩んだ身体のフォルムを見て過ぎ去った時の長さを感じることも多々ある。

 『40代、職業、ロックミュージシャン』(アスキー・メディアワークス/刊)は筋肉少女帯の大槻ケンヂさんと、同じ時代を駆け抜けた40代、50代たちのロックミュージシャンたちと対談を収録した一冊。登場しているのは、今となっては懐かしい名前から、今なお最前線で活躍している人まで様々だ。

 ZIGGYといえば派手目の衣装・メイクでハードロックをかき鳴らし、80年代バンドブームにおいてもひときわ知名度が高かったバンドだ。シングル「GLORIA」はドラマの主題歌にもなっている。
 そのZIGGYのボーカリスト、森重樹一さんは現在ソロで活動中。その裏では、アルコール依存症になり、娘の育児のためにアルコール外来に通うという日常が語られている。大槻さんとの対談で見えてくる森重さんの姿からは、本当にマジメで、繊細で、そして夢中になるものに入りこめる正しいミュージシャンのあり方をうかがうことができる。

 肉体を鍛えて体力の衰えをカバーするのも40代のミュージシャンたちにとって重要なことだ。例えば、SHOW-YAの寺田恵子さんは30代の終わりの頃からジムに通い、40代でもハードロックをやれるカラダ作りを実践。ロックバンドのボーカルは痩せていないと信用されないという大槻さんと寺田さんの言葉には説得力がある。
 ほかにも、40代バンドが集まるライブハウスの楽屋では健康・病気ネタで話が盛り上がり、大槻さんは「ライブハウスの楽屋だか病院の待合室だかわかんなくなってくる」と笑う。

 ラウドネス、ニューロティカ、たま、JUN SKY WALKER(S)、LINDBERGなど懐かしい名前が並ぶ本書。ミュージシャンたちの「生きざま」から元気づけられること請け合いだ。
(新刊JP編集部)

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  • 好きなことを生業にするってのは、難しいよねぇ…
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