全てのアスリートにとってオリンピックでのメダル獲得は夢であり、また彼らの努力の結晶だろう。選手がメダルを手にした時の喜びや感動は、テレビ画面からもひしひしと伝わってくる。ところが今回のリオ五輪で銀メダルを獲得したポーランドの選手は、その記念すべきメダルをオークションに出品した。その理由が感動的だと話題になっている。
ポーランドの円盤投げ選手であるピョートル・マラホフスキーさん(33)にとって、リオ五輪はオリンピック出場2度目の銀メダル獲得となった。そのメダルを
大手オークションサイト「eBay」に出品したマラホフスキーさんだが、そこには深い理由があった。
ある日のこと、マラホフスキーさんのもとにオレック・シマンスキー君(3)という男の子の母親から手紙が届いた。そこにはオレック君が2年前から眼球内に発生する悪性腫瘍の網膜芽細胞腫を患っていること、手術のために米ニューヨークまで行かなければならないこと、その費用は126,000ドル(約1280万円)かかること、家族にはその経済的余裕がないことが綴られていた。
これを知ったマラホフスキーさんは、メダルを獲得してオレック君の治療費を募りたいと思ったという。自身のFacebookで「オークションに参加したみなさんに感謝する。この銀メダルは1週間前よりも価値のあるものになった。オレック君の治療に是非役立ってくれるだろう。もちろんアスリートにとってメダル獲得は一生の夢だ。リオ五輪では金メダルのために全力を尽くしたが、それは叶わなかった。でもオレック君のためにあなたが手を差し伸べてくれれば、金メダルよりも価値のあるものになるだろう」と記している。
その後、ドミニック・クルチェクさんとセバスチャン・クルチェクさん(Dominic and Sebastian Kulczyk)というポーランドの大富豪姉弟が落札したことをマラホフスキーさんが公表した。落札額は明らかにされていないが、オレック君の治療費を十分にカバーできる金額だったようだ。
出典:http://www.itv.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)