スペインで25−0の勝利に導いた指揮官が解雇されるという珍事が起きた。イギリスメディア『BBC』が15日に報じた。
育成年代での容赦ない圧勝が問題だったようだ。バレンシアの地域リーグに属するセラノスのU−11チームBは6月3日に、ホームでベニカラップのU−11チームCと対戦し、ゴールラッシュの末に25−0で圧勝。しかし、この無慈悲な結果が相手への敬意を欠いていたとして、セラノスU−11チームBの指揮官が解任された。
スペイン・ラジオ局『カデナSER』によると、クラブ関係者のパブロ・アルケイド氏は「育成年代では得点よりも優先されるべき価値がある。試合後、対戦相手に謝罪した。監督と話し、双方合意の上で解任することを決断した。対戦相手にもっと敬意を払うべきだったし、もう少し結果をコントロールするべきだった。11歳の少年が25失点して家に帰るのはとても辛いこと。子供たちには対戦相手に対する敬意や思いやりを教えていくべきだ」とコメントしている。
一方、スペイン紙『El Pais』によると、解任された監督の弁護士は「彼はゴールを取り続けるように促してはいない。彼は選手たちに敵陣でのプレスを止めるように指示していた。ベニカラップは攻撃を続けたが、後方にスペースを空け過ぎていて、何も変わらなかったんだ」と説明している。
なお、同試合はベニカラップのU−11チームCにとって最終戦で、今シーズンは30試合を戦い勝ち点0、合計247失点を喫していたという。また、同紙によると、スペインでは育成年代の対戦でワンサイドゲームは珍しくないことだが、多くのチームは10ゴールを超えた時点で得点を控える傾向があるという。