【コラム】先輩ママになるということ

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2013年11月20日 09:30  MAMApicks

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先日、同い年の旧友が第一子を出産した。

長いこと望んで望んで、そしてやってきてくれた子である。その道のりを知っているから、夫婦はもちろんのこと、友人であるこちらの喜びもひとしおだ。

家も近くなので、里帰りから戻ったら早速会いに行こうと、プレゼントを物色していた。

おもちゃ屋、アカチャンホンポ、子供服売り場。
うちにもちびっ子がいるので、普段からよく接している。
しかし、これまでにも4組ほど出産祝いを出しているが、今までとは違う雰囲気を感じた。

「あれ、ラインナップが、私の知らないものだらけだ……」



そういえば、最近マクラーレンのベビーカーを街で見かけなくなった気がする。
エアバギーも若干小型化したような……。
エルゴも黒地に星柄のが出ているし(筆者の時代はグレー地に星柄のが流行った年だった)、ベビービョルンの抱っこ紐に腰で支えるのが出てる。

哺乳瓶もすっかり「母乳実感」が主流になってるし、妊産婦向けのノンカフェインドリンクもすごい種類が増えている……。

マタニティの服も、かわいいの増えたな……。

自分のときは手探りで、「あれもない!これもない!」からのスタートで、すでに出産していた友人たちからいろんなお下がりを頂戴しては使い方を教えてもらい、徐々に体得していったのだが、乳児期育児をひと通り終えた今、ふと振り返ると、お店にはかゆいところに手が届く便利グッズの山だったのだ。

なんだろう、この敗北感……。

考えてみれば、このところ子供用品を売っている店に行っても幼児向けに目が行き、乳児のものは無意識にスルーしていたのかもしれない。そして出産直後に比べてママ系の雑誌を読まなくなった。もう授乳服を着なくてよくなったのもあるし、何をどこで買えばいいか、こんなときにはどう対処すればいいかなど、「オレ流」のノウハウがたまってしまったからだろうか。

そのたまったノウハウを使うのはきっと今なのだろうと思っていたところ、もしかして、育児のトレンドも常識も、自分のころとは変わりつつあるのではないか。そのことに気づかされたのだ。


子どもができて、親族やよそのおばさんなどが育児にあれこれ口を挟んできたら、「この人たちの時代とは違うんだからと思ってやり過ごせ」とは、先輩ママたちからよく言われた言葉である。

出産後、私は非常にナーバスな時期をだいぶ長く過ごしてしまったため、意図的ではない(と思われる)、とがった言葉にたくさん傷ついてはふさぎこむことが多かった。

それがゆえに、気づいたら逆の立場にならんとしている自分を見てしまい、何を言ったらいいのかこわくなってしまった。

「余計なおせっかいおばちゃん」にならずにすむにはどうしたらよいのだろうか……。

■先輩ママに頼りたいこと
では、自分がどんなことで嬉しかったのか。それを思い出していくことにする。

●新生児期にちょっと大き目の服(80cmあたり)をもらった
好みがわかっている相手同士だと、これは非常に嬉しい。はじめからコーディネートプランがある人は別として、最初は何を着せていいか、どの季節に何枚着せるのかが正直未知の世界だ。長肌着があんなに使用頻度が低いとは思わなかったし(最終的にはほとんどコンビ肌着で過ごした)。「ちょっと大きいけど、○ヵ月くらいになったらかぶりでも着せられるよ」などと添えて渡すといいだろう。

●所持品をきかれた上での差し入れ
いくら雑誌などを読んでいても、どのグッズがどのくらい便利に使われるのかがわからない。そもそも存在を知らないという可能性もある。また、かぶっても困るので、先に「○○持ってる? 結構便利よ?」といったノリでアプローチするのが賢明か。

●おもちゃ
これは趣味が出る。キャラもの大好きな人にはそれを指名買いすればよいが、「キャラものは絶対家に入れない主義」というのも一定数いる。サプライズにしたい場合は別だが、さっさと好みをきいてしまった方がいいだろう。

ちなみに筆者宅がゆるい「キャラ厳禁」パターンで、「キャラクターではなくデザイナーの産物だから」という屁理屈でミッフィーだけOKにしているが、だんだんトーマスも家に入ってきたし、トイレトレーニング用にアンパンマンのシールも登場してしまった。親になるということは、日々妥協の繰り返しなんだなと実感している。ああ、そして遠ざかる「おしゃれインテリアへの道」……。

●遊びに来たらちょっと子どもを見てて欲しい
先輩ママが二人がかりでやってこようものなら百人力だ。
ちょっとの間だけでも新米ママに「お母さん」を一休みさせてあげる。それも必要だなと今改めて思う。また、自分の子より1〜2歳年上の子が来てくれたときに、成り行き上インテリアの危険度チェックのテスターになってくれて助かった記憶がある。いくら見聞きして検討していても、当事者にならないと気づかない危険というのは必ず潜んでいるものなのだ。

●ノンカフェインドリンク詰め合わせ
「コーヒー飲みたい、でも母乳が!」というジレンマはずっとあったのだ。いただいたのが気に入って、同じものを探してしばらく買っていた。最近はノンカフェイン紅茶などもあるようなので、選択肢が広がっていいなと思う。

●解答のないお悩み相談
これは女性特有のものなのだろうか、男性どうしもこういうことはあるのだろうか。
アドバイスや正解は必要とせず、ただ現状の嘆きを聞いてほしいときは確かにあった。でも相手は一生懸命答えようと考えてくれるので、はじめから「返事はいらない。聞いてほしいの」といえばよかったのだろうか。

■先輩園児の誕生
息子の保育園でも気がついたら、息子の下に1歳児と0歳児クラスの子どもたちという後輩ができていた。

「ときどき0歳の女の子抱っこしてるのよ。お兄ちゃんだねー」と、週三で迎えに行く私の母が言う。

息子がまだハイハイで移動していたころ、2歳児クラスのお兄ちゃんによくかわいがってもらっていたが、彼が今その2歳児クラスに進級しているのだ。他人の子の成長は早いというが、自分の子だってなかなかのスピードだ。

「あかちゃん、おたよぉ〜」
窓越しに、舌っ足らずなしゃべりで0歳児クラスの子に「おはよう」の挨拶をする息子。
「見てて!」と言い、赤ちゃんの前でむちゃくちゃなダンスを披露し、0歳児たちは窓辺に集合し窓ガラスをたたいて大騒ぎ。朝からカオスだ。ひととおり気が済むと、「またな!とぅ!」と飛び上がり、ヒーロー気取りで走り去る。

次に、保育園の玄関で靴を脱ぎ、下駄箱にしまうまでが彼の仕事であるが、急に甘えん坊になって「できない〜」と泣く。
「あれー、さっきまでのかっこいいお兄ちゃんはどうしちゃったの?」
「おにいちゃんじゃないもん!あかちゃん!」

……ここまでのやり取りがワンセットだ。コントかと思うほど日々繰り返される。

乳児クラスの中では最年長、しかし全体の中ではまだ半分より下のほうというポジション。同級生には今年弟や妹が生まれる子も多く、みんなそれぞれ壁にぶち当たってるのであろう、イヤイヤ期真っ最中の2〜3歳児たちよ。

<お互い、先輩になることに、まだ慣れませんね>

中2とか高2のころを思い出せばいいのかな、この感じ。
自分と子どもが“同士”と思えば、お互いに励ましあってうまくやっていけるのかもしれない。


保育園で0歳児ママの集団と出くわした。
「そろそろ靴買わなくちゃと思って」
「どのメーカーの靴がいいんだろう」
「どこで買えばいいんだろう、アカホン?シューフィッターのいるとこ?」
「何足買ったらいいのかなあ、すぐ大きくなるっていうし」
……ああ、懐かしい響き。そんな時代もあったなあ。

思わずアドバイスしたくなったが、そっと心にしまってみた。そもそも彼女たち、私にきいていないではないか。

きかれたら?
そりゃもちろん親切丁寧に教える心積もりは万全だ。いつでも登板できるように最新の育児トレンドを勉強する気だって満々なのである。

しかしこのモチベーション、いったいどこから沸いてくるのだろうか。自分の経験を「苦労損」として埋没させたくない、どこかで「成仏」させたい思いが強いのかもしれない。

ワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在は日本テレビグループ・LIFE VIDEO株式会社のデジタルコンテンツ全般を担当。

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  • 服のおさがり頂戴。これはほんとにありがたい。
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