Eテレ卒業する「ゆうなちゃん」&「スイちゃん」への送辞

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2015年03月27日 10:02  MAMApicks

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3月。卒業、別れの季節だ。
既出コラム「Eテレ新年度『ゆく人くる人』春の人事異動2015」(http://mamapicks.jp/archives/52173353.html)でもお伝えしたとおり、目下、乳幼児のいる家庭をにぎわせている卒業ネタといえば、Eテレ『いないいないばあっ!』のゆうなちゃん、『みいつけた!』のスイちゃんのダブル卒業ではないだろうか。


番組HPを見る限り、公式アナウンスこそないものの、新レギュラーとおぼしき女の子が雑誌の予告に登場していたり、番組に出演していたり、現レギュラーのゆうなちゃん、スイちゃんの卒業フラグがビンビンに立っているのに、「まさか……」と半信半疑だった筆者。

これはもしかすると、とスマホで「ゆうなちゃん」「スイちゃん」で検索すると、関連ワードの一番上に「卒業」の文字が……。

ブルブル震えながら検索してみると、まとめサイトなどがざくざくヒットした。「ああ……やっぱり卒業なのね……」膝から崩れ落ちる勢いだ。

ショックのあまり、日頃「今から帰る」「帰りに牛乳買ってきて」程度の業務連絡でしかメールをしない夫に、「スイちゃん卒業らしい……」「ゆうなちゃんも卒業らしい……」と即時にメールを送ってしまった。

夫からも、「え……今のままがいい……」「さみしいから今日から毎日録画しといて」と落胆を隠しきれない返信が返ってきた。

多くの子育て家庭がそうであるように、我が家もEテレへの信頼は絶大だ。
頼りすぎかな、という若干の後ろめたさもあるけれど、家事で手が離せないとき、どうしても急ぎの仕事を仕上げたいとき、すぐ私にかまってかまってとすり寄ってくる娘も、Eテレの幼児向け番組を見せていれば何とかなった。

毎日見ているうちに、次第に歌や踊りを覚えては真似を始めた娘を見ると、「ああこうやって子どもは成長していくんだな」と、疲労で干からびそうになっていた心に水がポトリと落ちるような感覚を覚えた。

Eテレは子育ての必需品であると同時に私の精神安定剤にもなり、一緒に歌ったり踊ったり手遊びするのが純粋に楽しくなった。

夫も同様で、「スイちゃんが歌っている歌は今後流れないのだろうか」とハラハラし、近いうちにやってくるであろう“ゆうなちゃんロス”、“スイちゃんロス”に怯えている。

そして、せめてもの救いにと、「うちの娘はまだ物心ついてないからよかったよ。ハッキリゆうなちゃんとスイちゃんのことを認識してからの卒業の方がきっとキツイもん……傷は浅いに越したことないよ……」と、訳の分からない慰めで乗り切ろうとしている。


そんなソワソワした落ち着かない日々であるが、我が家は4月から娘を家庭保育室(保育ママ)に預けることになった。

一時保育と娘の就寝後の作業で仕事をやり繰りするのが、体力的にも精神的にもキツくなり、昨秋保活を始めたものの、フリーランスである身としては認可保育園に預けるには条件も厳しくかなり苦戦した。

ギリギリのところで保育ママに内定し、ほっと一安心。やっとこの生活から抜け出せる!とバンバンザイだったが、今度は「1年間お世話になりまくった一時保育からの卒業」にしんみりしちゃっている。

思い返すと1年前、同時期に出産したママ友たちは復職が決まり、もうあまり遊べなくなるなと寂しさを感じていた。娘は絶賛人見知りの時期で、児童館に遊びに行っても私からまったく離れられず、トイレに立つことさえできない。私の気の休まるときはなくむしろ疲労が倍増することに……。

それでも通い続けることに意味があるのだ、娘も次第に慣れていくだろうと自分を鼓舞していたけれど、私の息は詰まる一方で、ちょっと空しさもあった。だからといって、一日中家にいても、娘も退屈してしまうようでグズグズいうので、何かしら毎日外へ出るように努めた。

朝起きて天気が悪いと、「ああ……」とガッカリした。だけど外へ出なきゃ。出なきゃ。

何でこんなに「頑張る」必要があるの?と思ったとき、自分に必要なのは娘と少し離れる時間だと気づいた。その時間で仕事をしたい、たまにはひとりでお茶も飲みたいと、藁にもすがる思いで登録に行った支援センターでの一時保育に、結果として1年通った。

やはり最初は人見知り場所見知りを発動しまくりで、ろくにご飯も食べられない上に、ちょっとの物音で眠りから目覚めてしまっていたようだったが、次第に慣れていってお迎えに行ったときに楽しそうに遊んでいる姿を見つけたり、「今日はこんな遊びをしましたよ」と担当の職員さんに教えてもらうのが楽しみになった。

「社会で子育てする」ってきっとこういうことを言うんだな、と心が温かくなり、帰宅すると連絡票をじっくり読み込んだ。

このままずっと一時保育を続けるのもいいなと思ったけれど、時期によっては予約が取りづらく、先の見通しが立たないこともあって、本格的に保活を開始することにした。

職員さんにも「保育園決まるといいね、でも決まったらさみしくなるね」と言われたときに、ものすごく切なくなった。つい数日前、最後の一時保育に通い、これまた最後の連絡票には、「たくさんお友達ができてよかったですね、1年間本当にありがとうございました」と書いてあり、思わず泣いてしまった。

お礼を言いたいのは私の方だ。あなたたちがいなかったら、きっと私は今頃おかしくなっていたんじゃないだろうか。同じ年頃のお友だちと遊べることも娘にとってはよかったのだろうが、とにかく私が救われたのだ。


4月からの預かり先が見つかり、心から安堵している。
制度が変わり認可施設になるため、保育料も安くなるし、一時保育よりちょっとだけ登園の時間も短くなる。何より日々仕事に専念できる時間を確保できて、いいことづくめだ。

だけど、こんなにも別れがさみしいものだなんて思いもしなかったのだ。
自分のときはこんなに卒業やら退職で感傷的になったりしなかったのになあ。こんな調子じゃ卒園式やら卒業式でどうなってしまうんだろう。


1年間の連絡票を読み返しながら、こんなときもあったんだな、とセンチメンタルになったところで、そういえば1年くらい前の録画が残っていないかな、とハードディスクを調べてみると、ちょうど1年ほど前の『みいつけた!』の放送が残っていた。まだちょっと幼さの残るスイちゃんだ。

見慣れた顔に会えなくなるのは寂しい、だけど生きていく上で、卒業というのは避けられないものだ。きっとこれからも数え切れないくらいの出会いと別れを経験するのだな、別れが寂しいってことは、それだけ楽しい日々を過ごしたってことだ。そう自分に言い聞かせている。

でも、新年度が始まったところで、『ガキの使いやあらへんで!』の「山ちゃん、やめへんで〜!」みたいに、ゆうなちゃんもスイちゃんも「やっぱりやめへんで〜」と言って「な〜んだビックリした!!!」みたいなドッキリがないかな、とかちょっと期待しちゃっている。それはないか……。

真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

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