疲労回復に「香り」が効く?生理作用をもたらす「香り」の再現が可能に

2

2015年10月29日 18:10  QLife(キューライフ)

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

QLife(キューライフ)

香りと嗅覚受容体の関係について研究

 疲れた身体を癒すために、あなたはどんなことをしていますか?睡眠時間をしっかりとる、お風呂にゆっくり浸かる、ストレッチをする、滋養強壮作用のあるドリンクやサプリメントを飲む・・・。さまざまな方法が考えられますが、近い将来「香り」が新しいキーワードになるかもしれません。

 大阪市立大学 医学研究科の渡辺恭良氏(特任教授)、山野恵美氏(特任助教授)をはじめとする研究グループは、花王株式会社 感性科学研究所と共同で、香りによる抗疲労作用に関する研究を行いました。

 人がにおいを認識するプロセスは、においの分子が鼻の中の「嗅覚受容体」と結び付いて活性化し、においの情報として脳に伝達されるという流れになっています。嗅覚受容体は人間の場合400種類あり、においの種類によって活性化する受容体が異なります。この研究では、過去の研究で抗疲労作用が認められているグレープフルーツの香りなど2種類の香りを使用。この2種類の香りに共通して反応した6種類の嗅覚受容体が、抗疲労作用に関係する可能性を示しました。

特定の生理作用をもたらす香りを再現できるように

 この6種類の受容体が同じように反応する香りを探索したところ、4種類の香料の混合物であるハチミツがかった甘い花の香りが該当の受容体を活性化することを確認。次に、この香りを用いて本当に疲労回復に効果を示すかを実験しました。

 男性17名に香りあり、なしの条件下でパソコン作業を40分間行ってもらい、その前後で課題を出して正答率を評価。すると、香りなしの場合は作業後に正答率が低下したのに対して、香りありの場合には正答率の低下は認められなかったのです。これは、香りによって疲労が抑制されたことを示唆しています。

 自然界には、疲労回復以外にも鎮静や覚醒、抗肥満効果などの生理反応が認められている香りが存在します。しかし、生理作用に関わる可能性のある嗅覚受容体を特定し、実際にヒトの抗疲労における生理作用との関連を確認した研究は、今回が初めてとのこと。今後、気軽に採り入れられる日用品などへの応用に期待したいと思います。(宮坂方子)

関連リンク

⇒元の記事を読む

このニュースに関するつぶやき

  • アーユルヴェーダだっけ?アロマテラピーはちゃんと科学的な根拠のある医学だってなんかで読んだがこういう研究も進められてるんだな。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングライフスタイル

前日のランキングへ

ニュース設定