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いじめは大きな社会問題になっていますが、親であればわが子が将来いじめられるようなことにならないか心配に思うものです。
でも、もしかしたら、わが子がいじめを受ける被害者ではなく、いじめっ子になる可能性だってあるのです。いじめをなくすには、いじめっ子を作らないことが大切です。
今日は『グローバル社会に生きる子どものための−6歳までに身に付けさせたい−しつけと習慣』の著者で、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴が、アメリカの研究を参考に、わが子をいじめっ子にしない方法を考えてみたいと思います。
■いじめっ子は「お金持ち」になれない?
アメリカのワーウイック大学とデューク大学が、いじめが健康や経済力、犯罪や危険行為にどのような影響を与えるかを、9歳から大人になるまで長期的に追跡して調査しました。
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その結果、いじめたり、いじめられたりと、いじめに関わった子どもは、まったくいじめに関わらなかった子どもに比べて、健康面や学歴で劣り、世帯収入も少なかったのです。
興味深いこととして、“自分もいじめられた経験がある”といういじめっ子は、犯罪や危険行為に巻き込まれている確率も高かったそうです。
すなわち、いじめっ子は将来健康に問題を抱え、経済的な安定ももてない可能性が高く、最悪の場合は犯罪者となってしまうかもしれないのです。
■いじめっ子にしないために、「いじめのデメリット」について話そう
そのためにも、子どもにはいじめっ子にならないように日常の中でしっかりと教えていくことが大切です。
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例えば、他の子と遊んでいる時に、いじめになると思われるような言動があった時は、しっかり注意して教えてあげましょう。
ただし、幼児期の子どもは、まだ相手をいじめようと思っているわけではなく、相手への興味本位からであったり、自分の気持ちや思いをそのまま言い表しているだけなことが多いため、子どもの成長に合わせて“いけないこと”を伝えてあげましょう。
物事をある程度理解できるようになったら、どんな表現やどんな行動がいじめになるのか、周りの大人が教えてあげなければなりません。
そして、「いじめっ子はお金持ちになれないよ」とか「いじめっ子は悪い人になってしまうことが多いんだって」と、いじめのデメリットを子どもの頭にしっかりと植え付けておきましょう。
■いじめっ子にしないために、おすすめ幼児向け絵本3つ
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子どもが他の子と遊んでいるのを見る機会が少ないというママのために、いじめについて書かれた幼児向けの絵本を3冊ご紹介します。
(1)『いじめだよ』(フランチェスコ・ビトー作/ベルナデット・ジュルバ画)
人の受け取り方は様々ですから、ジョークやおふざけのつもりが、相手にとってはいじめになってしまうこともあります。そんなことがわかる本です。
(2)『ルーシーといじめっ子』(クレア・アレクサンダー作)
子牛のトミーにいじめられていた羊のルーシー。お母さんに言えなかったのですが、ある時気付いたお母さんが先生に電話します。学校で起こるような身近な出来事が描かれています。
(3)『いじめっこ』(ローラ・ヴァッカロ・シーガー作)
こちらも動物が主人公。いろいろな動物が言葉のいじめを受けます。いじめはなぜいけないのかを、上手に教えてくれる本です。
いかがですか。
いじめは人によって受け取り方が違うので、どこからがいじめになるのか判断が難しい場合もありますが、“相手が嫌がることはいじめ”なのだと考えるといいでしょう。
今日ご紹介した内容を参考に、いじめは相手にとってはもちろん、自分にとってもプラスにならないのだと、幼児期からしっかり伝えておきましょう。
【参考】
※ Impact of Bullying in Childhood on Adult Health, Wealth, Crime, and Social Outcomes – Psychological SCIENCE
※ フランチェスコ・ビトー作 ベルナデット・ジュルバ画(2003)『いじめだよ』(ブロンズ新社)
※ クレア・アレクサンダー(2014)『ルーシーといじめっ子』(BL出版)
※ ローラ・ヴァッカロ・シーガー(2013)『いじめっこ』(あすなろ書房)
【著者略歴】
※ 平川裕貴・・・専門家ライター。日本航空国際線CA、外資系英語スクールを経て、1988年に子供英会話教室設立。30年以上に亘り子供英語教育に携わり、現在3〜6歳までの子供にバイリンガル教育を実施中。近著は『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』。
【画像】
※ Duplass / PIXTA
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