西内まりや、長澤まさみ、紗栄子、菜々緒...震災への思いを綴る芸能人を炎上させるネット民の悪質

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2016年04月20日 12:11  リテラ

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リテラ

左・井上晴美 ブログ「vida simple」/中・SAEKO OFFICIAL WEBSITE/右・「西内まりやオフィシャルブログ「Mariya Mania Room」Powered by Ameba」より

 いまだ震度5以上の余震が続き予断を許さない状況の熊本を中心とした大規模地震。支援物資が避難所に届かないなど、心配な状況が次々と報道されているわけだが、そんななか、SNSやブログを通じて被災地にメッセージを送った芸能人が次々と炎上する騒ぎが続発している。



 その顕著な例が、自身も実際に被災している女優の井上晴美だ。彼女は現在、故郷の熊本県に住んでいるのだが、地震によって住居が全壊してしまったことをブログで明かしている。その後も、テント暮らしを余儀なくされている苦しい避難生活の様子などを生々しく綴り続けていたのだが、それに対し〈愚痴りたいのはお前だけじゃない〉などと心ない言葉をぶつけるネットユーザーがいた。



 その結果、18日には〈ここblogで書いてることが私がよくないとかわかりませんが ネットで悪くかかれてるとか一切見てませんが聞こえてました ただ私が感じてること書いてることがなぜそんな風になるのかよくわかりません残念です これで発信やめます これ以上の辛さは今はごめんなさい〉と投稿。それ以降、ブログの更新は途絶えてしまっている。



 他にも善意の投稿にも関わらず炎上騒動に巻き込まれた芸能人はたくさんいる。モデルや歌手や女優として活動する西内まりやは、福岡県出身ということもあり、地震発生直後から被災した人たちを励ますコメントをTwitterに投稿していた。15日深夜の地震発生時には、津波注意報の出た地域の従兄弟が避難していることも明かすなどしていたのだが、それに対し、〈偽善者〉といったコメントが殺到。その結果、〈今の状況で私が発する言葉、行動によって不快な気持ちにさせてしまっている方々ごめんなさい。私なりに、1人でも多くの方と共有したい。見守ってるよ。という気持ちで更新させてもらっています。〉と弁明せざるを得ない状況に追いやられた。



 モデルの菜々緒はInstagramに〈今なにもできなくても、どんな形でも、いつか力になれますように。〉〈下を見ている人は前を。前を見ている人は上を。上を見ている人は未来を。〉とのコメントを投稿。少しでも被災者を元気づけようとしていたが、そのコメントのついていた写真がモード系ファッション誌の撮影で撮られたセクシーな写真であったため、コメント欄には非難の声が多く書き込まれた。



 タレントの紗栄子は19日、Instagramに〈私も今できることを。子供達もお小遣い貯金を千円ずつ。家族みんなで寄付させていただきます。家族みんなで祈ります。〉というコメントともに500万2000円の募金をし、その振込受付書の写真を投稿した。かなりの額の寄付だが、この行動に対しても〈あざとい〉〈ダルビッシュの金だろ〉といった心ないコメントがネット上に書き込まれている。



 狩野英孝、川本真琴との二股騒動で名を知られたタレントの加藤紗里も炎上の被害に遭っている。彼女のブログのコメント欄は日常的に荒れているのだが、地震発生前の13日にアップした記事のコメント欄には、地震発生後も普段とまったく変わらず、彼女を誹謗中傷するコメントが書き込まれ続けていた。それに対し、15日更新のブログで〈てか、どうでもいいけど、1つだけ言っていい? すごく大きい地震が熊本を中心にあったって知ってるのにどうでもイイ紗里のこと、ブログにわざわざディスりコメントしてる人ってなんなの? 別に紗里をディスるなんていつでも出来るんだから そこは今は、違うでしょ。〉と警鐘を鳴らした。



 続けて、〈こういう時に助け合ったり自分のできることを考えたり、励まし会えないなら発言するなって感じ。〉〈助け合ってる方々の姿が映ってて助け合える日本であることに、改めて誇りを持てた。まだまだ余震があったり、外で待機されてる方も映ってたので全然、安心できてないと思いますが、、、応援してます。〉と被災地への思いを綴っていたのだが、その思いはとにかく彼女を攻撃したいだけの悪質なネット民には届かなかった。その後ブログで、広島の実家に現在イタズラ電話が相次いでいることを明かしている。



 兵庫県出身の藤原紀香は、地震発生直後、阪神淡路大震災のこともあげながら、被災地を心配する文章をブログに投稿。しかし、そのなかにあった〈どうかこれ以上、被害が広がりませんように そして 火の国の神様、どうかどうか もうやめてください。お願いします〉という文章が被災者の心情を逆なでするとして炎上した。現在はその一文を削除しているのだが、その件について釈明がなかったことが新たな炎上の火種となっている。



 AKB48に所属している村山彩希も炎上騒動に巻き込まれたひとり。14日深夜、Google+に〈熊本県で震度7の地震があった事をしりました。余震がまだあると思いますが、皆さんが無事である事を祈ってます。〉と書き込んだのだが、その投稿に楽屋でのオフショットを載せていたことから〈何も考えてないんだろうな アホだから〉といったコメントが多く寄せられた。後日、彼女はこの投稿を削除している。



 モデルのダレノガレ明美は、避難所の状況など被災した人たちの役に立つ情報をTwitterで発信し続けていたのだが、これに対してもネット民から無遠慮なツッコミが入ったようだ。18日にはこんなツイートを残している。〈ダレノガレの震災関連のリツイート凄いんだけどさ、指で操作するだけじゃなくてなんか行動すればいいのに。っというコメントを読みました。熊本に行きたくても、問い合わせをしたところ今は立ち入ることができません!っと言われました。なので記事を載せる事しかできません。すみません。〉



 また、14日の地震発生直後は、まだ熊本での地震のことを知らず、悪気なく普段通りSNSを更新したら〈不謹慎〉との非難を受けた例も多く確認された。T.M. Revolutionの西川貴教は地震発生の約30分後、そのことをまったく知らずに出演番組の告知をTwitterに投稿したところ非難が殺到。その後すぐに〈先程のツイートでの番組の告知ですが、出先で状況を全く把握しておりませんでした。大変申し訳ありませんでした。〉と謝罪のコメントを投稿するにいたった。



 同じように、小室哲哉は新曲の配信がスタートした旨をTwitterに投稿したのだが、その行為に問題があると指摘され、その後、〈確かに、新曲どころではないね〜。削除しますね。〉とつぶやき、当該投稿を削除した。



 長澤まさみも地震発生から約80分後、そのニュースを知らず、Instagramに女優のりょうらと写った普段通りの写真を投稿したところ〈不謹慎〉とのコメントが多く寄せられ、その後すぐに問題とされた投稿を削除することとなった。



 このように、あげていけばキリがないほど多くの芸能人がSNSやブログで炎上しているわけだが、どれも何か悪気があるような投稿ではない。むしろ、真摯に被災地の状況を心配し、少しでも元気づけようとしている投稿ばかりだ。にもかかわらず、〈不謹慎〉と言って炎上させようとする人々は、もはや当たり屋と言ってもいい。



 個人の発信手段で被災地に激励のメッセージを送ろうとする人々が叩かれる一方、テレビ局は早くも通常営業にシフト。被災地への配慮など一切なくバラエティ番組が放送され続けている。彼ら彼女らを〈不謹慎〉と叩くのであれば、むしろ、メディアのこの現状をこそ批判するべきではないのだろうか。

(新田 樹)


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  • 朝日新聞系のこのコラムは、自らの記事に対して炎上しているのに知らんぷりするが他者の炎上には些末なものまで取り上げて炎上を助長させるという意味で極めて悪質。
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