笑われ続けて30年…「ダチョウ倶楽部」がいま芸能界で求められるわけ

3

2017年02月16日 01:01  citrus

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

citrus

出典:「ダチョウ倶楽部オフィシャルブログ」より

東スポによると、今年デビュー32周年を迎えるベテランお笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」に対するクライアント企業からの人気が、ぐいぐいと上昇しているのだという。

 

小器用に切れる頭を武器とし、ウイットやトークで小綺麗に“笑わせる”、いわゆる「ダウンタウン的お笑い」が主流を占めるなか、昔から圧倒的に不細工な外見や不様さをもって“笑われる”、もはや稀少となりつつある芸人を好む私としては、じつにうれしいニュースである。

 

コンプライアンスに厳しいこのご時世に、スキャンダルとは無縁の存在という点が大きいとのこと。生存競争が激しい芸能界で、30年以上にわたって“消えなかった”要因を、メンバーは「低空飛行で現状維持」と自虐的に語っている。しかし、低空飛行どころか近年は、企業のPRイベントなどのオファーがひっきりなしで、複数のスジの良いCMにも出演している……みたいだ。

 

昨年における一連の不倫やスキャンダルの続出もダチョウ倶楽部にとっては“追い風”となっているらしい。

 

「これまで以上に、クライアント企業は危ない(=スキャンダラスな)タレント(のCM起用)を避ける傾向。その点、ダチョウならば安心。肥後克広と上島竜兵はまったくモテないため、いつも男同士で飲んでおり、女性問題を起こす危険性は皆無。寺門ジモンに至っては時間があると肉を食べに行ったり、山ごもりしたりしている」(芸能プロ関係者)

 

社会認知されるまで徹底的に「モテないこと」が商売繁盛につながるとは、世の中なにが幸いするか本当にわからない。「苦あれば楽あり」「神様は天に二物を与えない」……といったところだろうか?

 

熱闘風呂やおでん芸、キス芸……と、誰もが知っている“お決まりの芸”があることも、今となっては強みとなっている。

 

たとえば、ものすごくレベルの高い“笑いのエッセンス”を盛り込んだ、制作側からすれば10年に一度クラスの傑作CMが出来上がったとしよう。しかし、そんな珠玉の面白CMは何度も何度も繰り返し電波に乗りテレビ上で流されることにより、放映数に比例してその瞬発力も次第に消費されていく。それよりは、「もうすぐ来るぞ…来るぞ…やっぱ来た!」的な、時間の積み重ねによって深層的なかたちで多くの視聴者に刷り込まれている“お約束芸”のほうがクライアント側からすれば、重宝したくなる心情はすんなりと理解できる。ましてや、トラブルのリスクがゼロならば……それはもう“最強のコンテンツ”であることに間違いはない。

 

アメトークや有吉弘行ほかの地道な啓蒙活動によって「リアクション芸人」というお笑い芸人の一ジャンルが確立されたのも大きいと思う。「番組内で提起されるムチャ振りにスパイスを利かせて返せる芸人」なんてボヤ〜とした括りのままだと、「なんとなく面白い芸人」止まり……であるけれど、そこに“ジャンル名”が加わることによって、“芸能人”としてのランクが一段階も二段階もアップする。とくに日本人って、ジャンル分けが大好きなわけですし……ね?

 

私はもう20年近く「好きなお笑い芸人は?」と問われれば、一切の淀みもなく「ダチョウ倶楽部」と答え続け、ときには失笑さえも受けてきた……が、今回の東スポの「ダチョウ賞賛記事」によって、ダチョウ倶楽部本人(たち)のみではなく、私の長年の苦労(?)も、ようやく報われる日がやってきた……ということだ。

このニュースに関するつぶやき

  • イイね♪
    • イイネ!2
    • コメント 1件

つぶやき一覧へ(1件)

ニュース設定