『カルテット』時間軸ズレてました問題に学ぶ!? “やらかしてしまった単純ミス”の処理法3パターン

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2017年03月07日 01:01  citrus

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Web版のスポーツ報知によると、火曜ドラマ『カルテット』(TBS系)の佐野亜裕美プロデューサーが3月2日、番組の公式ツイッターで“時間軸ズレてる問題”について「単純ミス」であったことを明かし、謝罪した……らしい。

 

もう少々説明を加えれば、

 

第6話の作中に出てくるスマホ画面に表示されていた日時が、ストーリー展開と符合していないことが発覚。ツイッター上で「時間軸が前後しているのではないか?」という議論へと発展する。それを受けて、佐野プロデューサーが「第6話で、別府さん(松田)の携帯画面に映されていた2月6日という表記、および家森さん(高橋)の携帯画面に映されていた時刻は、私たちの単純なミスです。本当に申し訳ありませんでした。ドラマは基本的に第1話から時間順に進んでおります」と、異例の謝罪に至った。

 

……のだそう。

 

私はぶっちゃけ観たことないのだが、この『カルテット』──松たか子・満島ひかり・高橋一生・松田龍平……と、演技派俳優を集め「今クール一番の傑作」「内容が濃い」「面白い」との賞賛の声も多く聞こえるのに、視聴率は苦戦しているという。「弱り目に祟り目」とはまさにこういうことを言うのだろうが、“潔い謝罪”が功を奏したのか、(ニュース下のコメント欄を見るかぎり)その“単純ミス”を執拗に攻撃する論調もほとんど見かけず、「なにかの複線かと思った」「携帯画面まで凝視するほど集中して観たくなる」……など、かえってドラマの質の高さを宣伝するかたちとなった……みたいである。

 

もちろん、私も大半のネット住民の皆さん同様「そう目くじら立てんでも派」の一人であり、実際にこの手の“単純ミス”は漫画界においても、しかも「歴史に残る名作」でさえ、しばし犯されている。「プロフェッショナルとしてあるまじきこと」と申すなら、たしかに返す言葉もない。が、やらかしてしまったもんはしょうがない、一度出してしまった糞は肛門に戻せない。そして、この手のミスを犯してしまった際の“事後処理法”もいくつかあるようで……とりあえずは3つのパターンを「名作漫画」のなかからピックアップしてみよう。

 

(1)素直に謝罪する(『ジョジョの奇妙な冒険』パターン)

 

週刊少年ジャンプ連載時、第一部でツェッペリ男爵が死ぬ直前「私は結婚しなかった。子供はいなかった」と告白。だが、第二部でツェッペリ男爵の直系の孫であるシーザーが登場。その矛盾に対し、作者の荒木飛呂彦氏は単行本第4巻の巻末で「おとなはウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです…」と謝罪(単行本中では「私は若い頃に結婚していた。しかし石仮面の為に家族を捨てた」と修正されてる)。

 

(2)作中に作家が登場し、みずからミスを指摘する(『タッチ』パターン)

 

主人公・上杉達也と新田由加が初めて出会ったとき、由加はカナヅチの設定だったが、その後由加は高校内のプールで華麗なバタフライを披露。その項の最後のコマに漫画化された作者が登場し、編集者からその矛盾を叱られる。ジョジョのようなシリアスな作風では許されない手法。

 

(3)シカトを決めてうやむやにする(『プレイボール』パターン)

 

主人公・谷口の同級生として野球部に入部したはずの半田と鈴木が、いつの間にか1学年下になっていた。私の知るかぎり、この「半田・鈴木学年問題」についての言及は公式の場でされていない。

 

ここまであらゆる情報が瞬時に拡散する昨今のネット社会では、“やらかしてしまった単純ミス”を(3)のパターンのごとく放置しておくのはきびしく(ただし、『プレイボール』に関しては、作者のちばあきお氏が謝罪する前にお亡くなりになってしまった可能性もなくはない)、(1)か(2)のように、とっととソレを認めてしまい、なんらかのリアクションを示すのが無難かと思われる。つまり、今回の『カルテット』の「時間軸ズレ謝罪」は“素早さ”も含め、まことに正しかったということだ。

 

ちなみに、私の家には、よれよれのみすぼらしさだけが目立つ、某量販店から上下1万円で購入した紺色のスーツと形状記憶白Yシャツと黒い合成皮バッグ……という、いわゆる「謝罪セット」が常備されている。コイツを着て汗まみれでバッタみたいにぺこぺこ詫び倒したら、より謝意が先方へと切実に伝わるのである。この25年で数えきれないくらい、いろんなミスをやらかしてきましたしねぇ……一番致命的だったのは、表紙に打ったキムタクのフルネームを「木村拓也」と誤植してしまった一件……ですか(笑)?

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