吉高由里子、榮倉奈々、大島優子、それぞれの“幸せ”とは? 『東京タラレバ娘』が出した答え

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2017年03月23日 17:03  リアルサウンド

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リアルサウンド編集部

 「私が幸せだったことは、私が認めることにした」。3月22日に放送された『東京タラレバ娘』、最終回となる第10話では、主人公の倫子(吉高由里子)を軸に、香(榮倉奈々)、小雪(大島優子)のタラレバ娘3人がそれぞれの“幸せ”を考え進んでいく模様が描かれた。


参考:大島優子&坂口健太郎、対照的な涙の別れ 『東京タラレバ娘』第9話のテーマは“生と死”


 これまで幸せを手にしようと必死にもがいてきた倫子だったが、なかなか思うようにいかない。そんな中、かつての職場の先輩であり、8年前に一度振った早坂さん(鈴木亮平)と付き合うことに。早坂さんは、真面目で優しく、気取らない、一途に想いを寄せてくれる、絵に描いたようないい人。また、倫子とは、古くからの付き合いであり、馬も合う。将来も有望で、周囲も認めるほどいい夫(彼氏)。なおかつ、変に肩肘張らない相手であるため一緒にいて心地いい。そんな早坂さんと仲睦まじく過ごしていた倫子は、“普通の幸せ”を感じ、それなりに満たされていた。


 同棲の話が進み、一緒に物件探しを始めた早坂さんと倫子。不動産屋で1LDKのマンションを勧められるも、早坂さんは「やっぱり2LDKがいいかな……」と渋る。なぜ2LDKにこだわるのかと疑問を持つ倫子に「これだと倫子さんの仕事部屋がないでしょ? 僕も原稿に集中してる倫子さんの邪魔したくないから」と優しく微笑んだ。倫子に対して、常に想いやりの心を忘れない早坂さん。その上、決して愛情や優しさを一方的に押し付けない。早坂さんが元来もつ人柄の良さゆえ、息を吐くように自然な振る舞いなのだ。


 そんな普通の幸せ真っ只中の倫子だったが、KEY(坂口健太郎)のことがどうしても気になってしまう。第9話では、早坂さんの家に向かう途中で、亡くなった奥さんのことを引きずり、ボロボロになったKEY(坂口健太郎)とたまたま遭遇してしまう倫子。憎まれ口を叩くいつものKEYとは打って変わって、過去に囚われ後悔ばかりを口にする。そんなKEYに対して倫子は「バカじゃないの?」「あんたこそタラレバ男じゃん!」と一喝。奥さんがKEYにどんな気持ちを抱いていたかわかるという倫子は「結婚したいっていう夢も叶えてくれて、感謝しかないよ」と必死に訴えかけた。厳しい口調ながらも優しさ溢れる言葉でKEYを包み込み、抱きしめる倫子。倫子の胸の中で泣きじゃくるKEYをそのまま、家に一晩泊めてしまう。


 KEYは倫子の家のソファで朝まで寝ていただけで、それ以上でも以下でもない。しかし、早坂さんに「腹痛で会えなくなった」と“つい嘘をついてしまった”倫子。その嘘こそが倫子の“本心”を物語っていた。KEYを好きだという隠さなければいけない想いから、倫子は倫子のために嘘をついたのだ。早坂さんとの普通の幸せを手にいれたい。安定した未来にすがりつきたい。早坂さんに対して何の不満もないし、人として好きであるからこそ手放したくない。憧れていた結婚も、思い描いていた幸せも間近なのだ。「心配だったから、人助けをしただけのつもりで」と自分に言い聞かせ、「ほっとけない」存在であるKEYに対しての想いに蓋をする。冒険よりも堅実な道を選ぶ。「女30(歳)、本能のまま生きられるほど若くない」。


 早坂さんにひょんな事から嘘がバレ、KEYを泊めたという“事実”を話す倫子。早坂さんは怒りもせず、ただただ倫子の話をしっかりと聞く。倫子がKEYのことが好きだという“真実”に気づいてしまい、涙を必死に堪えながら、悲しそうに微笑む早坂さん。最終的に早坂さんから「僕はタラレバ男にはなりたくない」「僕たち戻ろう、仕事仲間に」と別れを告げる。傷ついているのは早坂さんの方なのに、最後まで倫子のことを責めずに、温かく見守り続けた。これほど相手を想いやり、慈しめる人がこの世にいるのかと思わせるほど、温かい心の持ち主である早坂さん。最も幸せになって欲しいと、多くの視聴者が願ったことだろう。


 “理想の幸せ”を掴み損ねた倫子は、いつもの呑んべえで香と小雪と集まっていた。倫子がふと「私、男いない仕事ないってここであんたたちとタラレバ愚痴言ってたときも、(中略)案外幸せって思ってた気もする」と漏らすと、「でも、それが幸せだとは大きな声では言えないしな」と続く小雪。「私たち何に縛られてるんだろう」とぼやき、世間の価値観や周りの目、自分自身の考えに囚われていたことに、ようやく気づく。いくつまでに結婚したい、幸せになりたいとよく耳にするが、何歳でどうするから幸せというものではないのだ。「よく考えたらさ、別にそんな年齢で区切られる必要ないよね」とハッとするタラレバ娘たち。そう、“幸せ”を勝手に自分自身の中で定義づけていただけで、「幸せになるもならないも自己責任」なのだ。


 香と小雪が、それぞれ自分らしい道を選択し歩んでいく一方で、倫子もまた自分自身の幸せを見出していく。「幸せってなんなのか、その答えは人それぞれ違う。人の数だけ答えがある。幸せは自分が決めるものだ」。“幸せとはこういうもの”と決めつけるから、気づけない幸せがあるのだ。倫子がKEYに想いを告げると「俺もあんたのこと好きかも。……って言っタラどうする?」と、彼らしい言葉が返ってくる。ここから、ふたりの関係はどう進展していくのか。倫子も、KEYも、はたまた香や小雪、早坂さんもどんな未来が待っているかはわからない。だが、きっと“幸せ”であることに違いない。(文=戸塚安友奈)


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