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毛深いと妊娠できないといった話がネットなどで言われています。ですが、実際に毛深いからと言って妊娠が出来ないということはありません。
しかし、毛深いということはホルモンが関係してきているということが言えますので、体内のホルモンバランスが崩れてしまっていることによって何かしらの排卵障害等が引き起こされてしまい、妊娠しにくくなってしまうと言う可能性は否定できません。
今日は毛深い女性の原因と妊娠の関係性についてお話します。
春先から夏にかけて肌の露出が増えてくるこの時期、体毛を気にする女性は多いのではないのでしょうか。
髪の毛は女性ホルモンで制御されており、体毛は男性ホルモンで制御されていると言われています。
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女性にも男性ホルモンがあるのか?と言う疑問ですが、実は女性にも少量の男性ホルモンが存在しています。精巣はありませんが、副腎皮質と言うところから男性ホルモンが作られているのです。
強いストレスを受けたり、良くない生活習慣をしてしまっていることで、女性ホルモンの分泌量が低下してしまうと相対的に(見かけ上)男性ホルモンが優位になってしまいます。
その結果として男性ホルモンが作用することで体毛が増加してしまいます。
もちろんそれ以外にも基礎疾患があったりその他の要因によって体毛が増えてしまうこともありますが、今回は男性ホルモンとしてお話します。
よく毛深いと妊娠できないのでは?などといったことがネット上などで書かれていることがありますが、これはありません。毛深い=不妊と言う図式は成立しえません。
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ただ、前述したように毛深い原因の一つに男性ホルモンの相対的増加という表現をしました。
普段から女性ホルモンの分泌量が少ないとどうしても男性ホルモンが作用しやすくなってしまいます。同時に女性ホルモンの分泌がなされていないと月経不順に陥ってしまうこともあります。
ストレスを感じて月経が遅れてしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
月経不順が起こるということは排卵の周期が変わってしまったり、排卵をしていないという可能性も考えられます。
この時に排卵をしていなければ卵子自体が出てきていないということになりますので、受精も着床もできないということになり、結果的に妊娠が出来ないということになります。
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ですから毛深いかどうかが問題ではなく、月経周期がある程度一定であるか、排卵はなされているかということが重要になってきます。
排卵をするということは子孫を残すことが出来るということ。この時に本能的に女性の場合、エストロゲンが多く分泌されるために性欲が高まると言われています。
この時に子宮内膜は最も増殖していますが、受精・着床しなければまた次の機会を狙うために、一度子宮内膜を剥がします。これがいわゆる月経です。
勘違いされがちなのですが、卵巣周期と月経周期は別物です。ただ、ほぼ同時期に起こるので、同じようなものとして考えてしまうケースが多いのも事実。
“女性ホルモンのバランス”を整えるとよく言うかもしれませんが、これらのホルモン分泌が適正に行われているものを言います。
ですから妊娠をするためには女性ホルモンのバランスが必要になってくると言えるのです。
【参考・画像】
※ 『日本皮膚科学会ガイドライン、男性型脱毛症診療ガイドライン』(2010 年版)- 日皮会誌:120(5)、977―986
※ Vladimir Gjorgiev、Dean Drobot / Shutterstock
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【著者略歴】
※ 川上 智史・・・北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了、医学博士。予防医学を専門とし、医学的に美と健康に主眼を置き研究を続ける。各種教育機関や講演会において予防の重要性を啓発している。
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