目に触れる場所に目立つようにして症状がでる“水疱瘡”。
「果たして顔にも跡が残ってしまうのではないか?」
などのギモンも浮かぶ方も多いことと思います。この気になる症状“水疱瘡”について、医学博士の筆者が解説します。
水疱瘡(みずぼうそう)は正式には水痘(すいとう)と呼ばれるもので、ヘルペスウイルスの一種である水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる症状です。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)も聞いたことがあると思われますが、実はどちらも原因は同じ。症状が異なるだけです。
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冬から春にかけて多く、8歳以下に好発します。
帯状疱疹であれば小児に限らずストレスや疲れなどで免疫が弱くなってしまった大人にも発症します。
小児の場合は初めて出会うウイルスであることが多いので、発疹はかゆみを伴って全身に起こり、紅斑(こうはん:赤くなる)、丘疹(きゅうしん:ポッコリする)を経てから水疱となり、最終的に痂皮化(かひか:かたくなる)します。
通常発疹の出方にも特徴があり、頭皮、体幹、手足に出てきますが、免疫が広い分、体幹に最も多く出てきます。
「水疱瘡は「自然に治す」方が良いのか?」という観点からいうと、12歳以上であれば、バラシクロビルまたはファムシクロビルと言った抗ウイルス薬を使用することもありますが、小児の抗ウイルス薬はリスクがあるために基本的に痒みに対する対症療法を行います。
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痒みがひどいときには抗ヒスタミン薬というお薬を用います。痒みが酷いと、どうしてもかきむしってしまうために、そこに傷がついてしまうことで、細菌感染などが引き起こされてしまう可能性も否定できません。
万が一細菌感染をしてしまったら“抗生物質”の投与が必要となります。
水疱瘡は基本的に頭皮から始まり、体幹、手足と言うように広がっていきます。
しかしこれはあくまでも一般的な広がり方であり、場合によっては顔にも出てきてしまうことがあります。
体幹など普段隠れている場所であれば跡が残ったとしてもあまり見る機会はないかもしれませんが、顔となると話は別。常に露出している場所ですので、跡が残ってしまうと気になってしまうこともあります。
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通常、水疱瘡は三週間くらいで水疱が消えていくと言われていますが、その途中過程で強く引っ掻いてしまったりすると、皮膚の奥まで傷ついてしまうために、“跡として残ってしまうこと”があります。
どうしても痒くて我慢できないようであれば、抗ヒスタミン薬を用いてかゆみを抑える手段もあります。
水痘帯状疱疹ウイルスは、非常に感染力が強いウイルスです。
飛沫感染の他、空気中のウイルスによっても感染し、更にはかさぶた化していない皮膚症状からの接触感染もあります。
ですから、親として対応する場合には、きちんと小さいときに水疱瘡にかかっている、もしくはワクチンを接種しているということをチェックしておきましょう。
また、どうしても痒くなることが多いので、感染症を防ぐためにも掻かせないように注意深く見守ってあげることも重要です。
何よりも、“なってからよりなる前の対策が重要”になってきますので、早い段階でワクチンを打たせておくことも重要です。
【参考・画像】
※ ナーシンググラフィカイーエックス「疾病と治療」水痘・帯状疱疹(p348) – メディカ出版
※ ナーシンググラフィカ「疾病の成り立ち」臨床微生物・医動物(p94) – メディカ出版
※ Steve Buckley , Zurijeta / Shutterstock
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