5月4日は「ゴーシェ病の日」国内の発症頻度33万人に1人の難病「ゴーシェ病」とは

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2017年04月14日 18:02  QLife(キューライフ)

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肝臓・脾臓の症状、神経症状、骨症状が代表的な症状


東京慈恵会医科大学 小児科学講座 主任教授 井田博幸先生

遺伝子の変化によって、細胞の中の酵素の働きが低下するゴーシェ病。日本人の発症頻度は33万人に1人と極めて少なく、医療費の助成を受けることができる難病に指定されています。ゴーシェ病の患者会「日本ゴーシェ病の会」の活動開始日と、“ゴー(5)シェ(4)”のごろ合わせから、2016年より5月4日を「ゴーシェ病の日」と制定。この日に合わせてさまざまな活動が行われています。サノフィ株式会社は4月11日、ゴーシェ病の治療や現状をテーマにメディアセミナーを開催。東京慈恵会医科大学小児科学講座の井田博幸先生とゴーシェ病のお子さんをもつ日本ゴーシェ病の会会長の古賀晃弘さんが講演を行いました。

ゴーシェ病の症状の代表的なものに、肝臓や脾臓が大きくなり、貧血または出血しやすくなったり血が止まりにくくなったりする「肝臓や脾臓の症状」、てんかんや発達の遅れがみられる「神経症状」、骨の痛みや骨折しやすくなる「骨症状」があります。ゴーシェ病は症状や発症時期、病気の進行程度により、神経症状を伴わないI型、神経症状が急速に進行するII型、神経症状を伴うもののその進行II型よりも緩やかなIII型の3つのタイプに分類されています。「日本は海外と比較してII型、III型の割合が高く、また重症例が多いことが特徴です」と井田先生。古賀さんのお子さんは、乳児期に発症し強い神経症状が伴うII型の患者です。「毎日、1〜2時間おきにてんかん発作が起こり、10種類近い薬を飲んでいます。本人もそうですが、支える家族のサポートも今後の課題です」(古賀さん)

「ゴーシェ病だと確定するまでに約3か月かかった」と古賀さん

ゴーシェ病は診断がつきにくいことも特徴です。肝臓や脾臓の症状、神経症状、骨症状がありますが、ゴーシェ病特有の症状はないこと、さらに一般の医師にもゴーシェ病の認知が広がっていないことが背景にあります。古賀さんのお子さんも、「受診からゴーシェ病だと確定するまでに約3か月かかった」だそうです。

ゴーシェ病の治療については、点滴による「酵素補充療法」に加え、近年、飲み薬による「基質合成抑制療法」が登場。治療選択肢が広がっています。基礎合成抑制療法は飲み薬を使用することから、通院の負担を軽減できるメリットがある一方で、点滴による酵素補充療法と違い、患者によるしっかりとした管理が必要になります。「基質合成抑制療法は、軽症のI型患者や、酵素補充療法により症状が改善した患者さんで行うことが望ましいです」(井田先生)

進行性の病気であるゴーシェ病は、早期診断・早期治療開始が大切です。しかしながら、その認知はほぼ無いといっても過言ではありません。そのためにも、医療者も含めた世の中全体が、「ゴーシェ病という病気がある、ということを知る」ことがその第一歩なのかもしれません。(QLife編集部)

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