柴田剛監督最新作『ギ・あいうえおス』公開へ 「決まってその“発光体”は夕方の空に現れた」

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2017年04月25日 11:23  リアルサウンド

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『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』(c)Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM]/Go Shibata

 柴田剛監督による7年ぶりの最新作『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』が、7月15日より渋谷ユーロスペースにて1週間限定レイトショーされることが決定した。


参考:西島秀俊と石田ゆり子は“ただならぬ関係性”だ 『CRISIS』共演に漂う艶っぽさ


 本作は、山口情報芸術センター[YCAM]の映画制作プロジェクト“YCAM FILM FACTORY”の一環で、『おそいひと』『ギ・あいうえおス -ずばぬけたかえうた』の柴田監督により制作された長編映画。映画制作クルーが映画を制作していく過程を、音楽を演奏するバンドと同等のものとして描く。


 柴田監督は第1弾作家として、約1年間に渡り断続的に滞在し、本作のリサーチと撮影、編集、仕上げ作業をおこなった。“自由な映画制作を模索する”をテーマに掲げた本プロジェクトだが、YCAMキュレーター/本作プロデューサーの杉原永純氏は「自由を模索するのは本当はとても難しいこと。それには色々と寄り道が必要になる。寄り道する才能、言い換れば“遊び”ができる作家、それは柴田剛だろうと思いついてから迷いはなかった」と明かした。また「この映画には、不思議なことや、特徴的な人物が出てくるが、それらは実際にカメラの前で起きていること。特別な仕掛けはこの映画にはない、ただ“遊び”に、たまたまその場に出向いただけである。信じられないかもしれないけど」と語っている。


 作品の制作者(スタッフ)=登場人物(キャスト)であり、登場人物たちが語る内容を含む、映像上に記憶されたことは、全てその場で起きたこと。ドキュメンタリーのように撮影され、フィクションとして編集をおこなった実験的ロードムービーだ。


 なお、5月19日に渋谷ユーロライブにて特別先行上映が行われる予定だ。


■柴田剛監督コメント
いま、みんなはどうやって映画を撮っているんだろう?
自分は、子供の頃から続けていることをそのままシンプルに提示した結果、こういう映画になった。
子供は、作り始める前にオチをつけたがり、それにむかって突き進んでいく(そのオチは“いきなり死ぬ”とか、強烈なものばかり……生命力が溢れている証なんだろう)。
もし仮に、子供が映画を手にしてギを作ったらこうはいかないはずだ。
子供の頃から続けていることのはずなのに、実に不思議だ。
今回は“浮遊する謎の発光体”を追いかける旅を記録撮影した。
「夏時間の大人たち」とある人は言った。
ただただボーっと空を見上げながら各地を移動していくと、決まってその“発光体”は夕方の空に現れた。
その日1日の撮影がおわりかける一瞬に。
贅沢な数日間の撮影の旅だった。
これが映画というものだと噛み締めた。
映画を明るく照らし出す光源は、なにも映写機やプロジェクターの玉だけではないのだ! 見上げろ! なにか写ってるぞ自分の目玉に!


(リアルサウンド編集部)


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