中村明日美子原作の映画『ダブルミンツ』、主演のBOYS AND MEN・田中俊介さんに直撃!

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2017年05月28日 22:05  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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 2017年6月3日より公開される、中村明日美子による同名漫画の実写化映画『ダブルミンツ』。主人公の市川光央を演じる田中俊介さんは、東海エリア出身&在住メンバーで結成されたBOYS AND MENのメンバーで知られています。役者として初主演となる今作を熱演した田中さんに、映画のこと、役者のこと、BOYS AND MENのことなど、いろいろな話を聞いてきました。

■ボイメンの肉体派が役作りでガリガリに!

――原作の『ダブルミンツ』(茜新社刊)は、高校生の頃から主従関係にある男2人の物語で、中村明日美子先生の作品の中でも衝撃的シーンが多いといわれています。どんな心構えで挑みましたか?

田中俊介氏(以下、田中) この映画のお話をいただいたのは2015年で、クランクインの1年前でした。内田英次監督とは面識があり、前から芝居をやっていきたいと自分の思いを伝えていたので、その気持ちを買っていただいて市川光央役に選んでもらえたのかもしれません。監督の気持ちを裏切りたくないと思いましたね。

 原作は、映画をやるにあたって初めて読んだのですが、衝撃的ですごく引き込まれました。高校時代の同級生との同性愛を描いていますが、一筋縄ではいかないストーリーで、光央も魅力的な男です。この役を演じ切るために全力投球しようと臨みました。

――準備期間が長かったのですね。光央の役作りなど、大変でしたか?

田中 僕はBOYS AND MENの中では肉体派なのですが(笑)、この役のために筋肉を落とさないといけなくて、それが大変でした。有酸素運動を取り入れて、朝から走って、食事はサラダと鶏のササミ。サラダにドレッシングをかけるのもイヤで、めかぶをかけて食べていました。狙い通り、筋肉は落ちてどんどん痩せていったんですが、メンバーやファンの方たちに心配されてしまって(笑)。

 この映画への出演について、ファンの皆さんには当時は発表できなかったし、メンバーにも話していなかったので、ただ痩せていく僕を見て「大丈夫か」と(笑)。田中俊介史上、一番ガリガリですね。周りに心配かけたけど、僕自身、目標あってのガリガリなので「本当に大丈夫だから」と言い続けていました。

――メンバーにも話せなかったんですか?

田中 はい。『ダブルミンツ』は僕にとって本当に大切な作品なので、「今度出演するんだ」と気軽に言えなかったんです。痩せていくわ、役作りに没頭して暗くなるわ、メンバーには心配かけちゃったなと思います。でも完成した今となっては、メンバーに絶対に見てほしい。僕の役者としての決意や覚悟がこの映画には詰まっているので、BOYS AND MENのときとは違う自分を見てほしいですね。

――光央はすごく複雑な内面を持ったキャラクターですが、田中さんは光央をどんなふうに捉えていたのでしょう。

田中 本当にわからない男でした。同級生として、もう1人の光夫(淵上泰史)と出会い、彼を自分に従わせて、どういう男になるのかと思ったら、大人になったらチンピラになっている。でも、なんでチンピラになったのか、いったい何者になりたかったのか、光央自身もわからないんですね。強がっているけど、実は弱い男なんです。今の自分に満足していないけど、それについて深く考えもせず生きている男と解釈しました。

――光夫とはラブシーンもありましたね。淵上さんとはどんなふうにコミュニケーションを?

田中 あえて距離を置いていました。光夫と光央の微妙な関係のままでいた方がいいかと思って。淵上さんも120%の力を入れて光夫を作り上げてクランクインしていましたから、距離を置くという僕の考えを察してくださったのでよかったです。2人とも役に入り込んでいたので、ラブシーンもお互い全然抵抗はなかった。内田監督は「男同士だし、照れもあるだろう」と思っていたそうですが、僕らはラブシーンも最初から思い切りいきました。監督は「驚いたけど、うれしかった」と言っていましたね。

――今作で俳優としての田中さんに驚く方も続出しそうですし、所属するBOYS AND MENに興味を持つきっかけにもなりそうです。東海地区でBOYS AND MENはすでに大人気ですが、田中さんはグループの中でどういう存在だと思いますか?

田中 結成7年目とはいえ、みんなBOYS AND MENに入った時期はバラバラで、僕は初期メンバーです。みんなからはステージで「アニキ」と紹介されることが多いです。全体を支える存在だと思ってくれているみたいで、背中を見せるじゃないけど、ちゃんと自分のやるべきことをやって、後輩たちの手本にならないといけないと責任を感じています。

――BOYS AND MENの初期はどんな感じだったのでしょうか。

田中 僕らは今でも、自分たちの出演する舞台のチラシを街で配ったりしているのですが、結成して間もないときは、イベントのチラシを配っても誰も見向きもしてくれなくて、破られることもありました。イベントといっても、電気屋さんの前で、踊るどころか、サイドステップしかできないくらいの狭いスペース(笑)。マイクもないので裸声でやっていました。でも「やる気はすごいあるぜ!」と必死でしたね。

 それが今は、東海地方でレギュラーを20本くらい持てるようになり、女性だけでなく、最近は男性ファンも増えました。僕らのやりたいことは、ファンの方たちを楽しませること。100%カッコつけるようなことはせず「ボイメンは楽しい」と思われたいし、唯一無二の存在になりたいですね。

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――俳優の仕事に力を入れたいとのことですが、今後はBOYS AND MENの活動と両立していくことになりますか?

田中 はい。役者1本でやっている俳優さんたちに負けないくらい一生懸命、芝居に取り組んでいきたいです。でも僕にとって、BOYS AND MENの活動も同じくらい大切です。なぜなら、僕たちは今、名古屋で新しいことに取り組んでいるから。それは名古屋にエンターテインメントを根付かせることです。

これまで名古屋はエンターテインメントが育たないといわれ、才能ある芸能人の方が出て来ても東京へ行ってしまって、名古屋から全国区になる人がいなかったんです。でも僕らはココから離れません。名古屋からエンターテインメントを全国へ発信していきたい。今、僕らは「名古屋エンタメの土台を作っているんだ」という気持ちで取り組んでいます。だから僕は死ぬまでBOYS AND MENです。次世代の人たちに「名古屋で夢がかなえられる」と思ってほしいし、魅力的な後輩に出てきてほしい。そうやってつなげていきたいです。僕はオッサンになって、踊っていて息が上がっても、BOYS AND MENで歌って踊っていきますよ!

――ファンの方々はその言葉、信じてますからね! この映画に期待を寄せている方々に伝えたいことはありますか?

田中 実写化に抵抗がある原作ファンの方もいると思いますが、ぜひ見てほしいです。スタッフもキャストもこの物語をすごく愛して、大切に思いながら映画化しました。原作の持つ独特な世界をちゃんと描いています。

同性愛を描いた日本映画は珍しく、こういう世界が苦手な方もいるかもしれません。実は僕も『ダブルミンツ』に出会うまでは、多少の偏見はありましたが、今では、こういう恋愛も理解できるし、自分の世界が広がりました。この映画を見れば、みなさんも味わったことのない感覚を味わえると思います。自分の殻を破って、一歩踏み込む気持ちで見てほしいです。

田中俊介(たなか・しゅんすけ)
1990年1月28日、 愛知県生まれ。東海エリア出身&在住の10人組ユニットBOYS AND MENのメンバー。映画、テレビドラマなど俳優の仕事にも力を注いでいる。映画『サムライ★ロック』『白鳥麗子でございます! THE MOVIE』など。趣味は映画鑑賞で毎日映画を見ている。デヴィッド・フィンチャー、スパイク・リー、クエンティン・タランティーノ、グザヴィエ・ドランなどの監督作品を好む。

『ダブルミンツ』(6月3日より全国ロードショー)
高校時代、“主従関係”にあった2人の「いちかわみつお」――市川光央(田中俊介)と壱河光夫(淵上泰史)。数年後、チンピラになった光央が「女を殺した」と光夫に電話をしてきた。かつて光央に屈辱的な扱いを受けていた光夫。しかし、再会したとき、光夫は、かつてとはまた別の感情を光央に感じ始めて……。
監督:内田英治 出演:淵上泰史、田中俊介、高橋和也、須賀健太ほか
公式サイト

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