新たな精子検査により男性不妊が解明する

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2017年05月29日 01:22  妊活・卵活ニュース

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精子検査と精子の質 シェフィールド大学放射線医学研究科、生殖・発生発達成育研究科の合同研究チームは、「Molecular Human Reproduction」にて、磁気共鳴分光により精子分子を検査し、精子の質を判断できると発表した。

磁気共鳴分光の精子検査 磁気共鳴分光の精子検査は、体内細胞・組織の画像解析に類似した技術である。例えば、癌治療における病理検査では、磁気共鳴分光により細胞組織の分子構造を分析する。

合同研究チームは、精液中の分子ではなく、精子中の分子が分析可能となり、画期的な検査方法であると述べている。

磁気共鳴分光の精子検査では、採取した精子サンプルに対して、遠心分離機にて数回程度の高速回転で精子洗浄を行う。精子洗浄にて不純物は除去され、精子は濃縮される。

濃縮された精子を専用スキャナーに入れて強力な磁石のエネルギー振動を与え、精子中にある分子の反響音を聞くことにより、精子の質が判断できるという。

画期的な検査方法 健康な男性を対象に臨床試験を行ったところ、精子の成分であるコリン(ビタミンBの一種)、グリセリルホスホリルコリン(脳に含まれるコリン誘導体)、脂質、乳酸は、精子の良悪において有意差が認められた。精子の成分は、精子の質を判断するバイオマーカーになるという。

合同研究チームは、現在、使用されている精子分子検査は、検査過程にて精子を損傷させるリスクが高いが、一方、磁気共鳴分光の精子検査では精子を損傷することなく分析ができ、不妊治療への導入が期待できると述べている。

また、磁気共鳴分光の精子検査には、質の悪い精子を改善する治療法が確立される可能性を秘めている。

(画像はPixabayより)

The University of Sheffield

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  • 不妊治療の一環である体外受精において、男性から採取した精子の中から卵子に受精させる精子を選別する方法が、顕微鏡下における目視選別でなくより安全性が高く合理的な方法へと発展することに期待しています!
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